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第弐拾漆話-大物
大物-17
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「え? ラモちゃんが襲われたって? いつ?」
長四郎は秋葉原のゲーセンで、マリオカートをしながら絢巡査長と通話をしていた。
「下校時です。今、捕まえた男達を取り調べてはいるんですが、強盗目的だったと自供しているんです」
「強盗目的って。あ! おい!! スター使うんじゃないよ!!!」
「長さん、真面目に聞いてます?」
「聞いてるよ! よしっ!! キラーゲット!!! 突撃ぃぃぃ!!!!」
電話の向こうで大きく騒がれるので思わず、受話器から耳を離す。
「あの、絢さん。ちょっと、電話貸してもらえます?」
「あ、うん。どうぞ」
絢巡査長は受話器を燐に渡す。
ふぅーっと息を吸って「いつもまでも遊んでじゃない!!!」受話器に向かって叫ぶ。
「あ! あぁぁぁぁぁぁ」
電話の向こうから長四郎の情けない声が聞こえてきた。
「さ、どうぞ」燐は絢巡査長に受話器を手渡す「ありがとう。で、長さん。ラモちゃんを襲った奴らなんですけど、音々さんの事を捜しているみたいなんです」
「だろうな。あーあ、負けちゃったよ。クソがっ!!!」
「甘いんだよ。修行してくるこったな」長四郎の対戦相手の声がする。
「長さん。音々さんの潜伏先を変えた方が良いんじゃないかと?」
「そういう事か。分かった、考えておくわ。よぉ~し、次は頭文字Dで勝負だ!!!」
そこで、通話は終了した。
受話器を置いた絢巡査長は「はぁ~」と深いため息をついた。
「どうしたんですか?」
「居場所を移す事は、考えておくってさ」
「考えておくって。私、狙われたんですよ! 普通に考えて音々さんが狙われているって分かっているのになんで手を打たないんだろ。頭悪いんじゃないの?」
「いや、私に言われても」
「ひゃ~ 参ったばい」一川警部は頭をペチペチ叩きながら、部屋に入ってきた。
「どうでした?」
燐が取り調べの結果を聞くと、首を横に振る一川警部。
「強盗目的。それの一点張り。しかも、ラモちゃんを告訴したいって言うとうと」
「え? 私が告訴!」
「そらぁ、ダーツの矢を投げるわ。金的蹴りあげて失神させるわ。過剰防衛なんやって。向こうさんの言い分としては」
「そんな・・・・・・」
「そこんところは、あたしが責任持って対処しとくけん。安心してちょ」
「安心できない」燐はボソッと呟いた。
「今、なんか辛辣な言葉が聞こえたような」
「気のせいですよ」と絢巡査長がそう言うと「そう。なら良かよ」と自席に腰を下ろす一川警部。
「長さんはなんて言うとったと?」
「ゲームに夢中らしくて、適当な事を言ってるんですよ」
「適当な事?」
「音々さんの潜伏先は移さない方がいいって言うんですよ! おかしくないですか。一川さん」燐はそう言いながら、机の上にバンッと叩き抗議する。
「いやぁ~ あたしに言われても」
「でも、早く場所を移したほうが良くないですか? この前の場所だって、襲撃されたんだし」
「ラモちゃん。クールに、クールに」一川警部は指パッチンして、燐をクールダウンさせる。
「クールに。じゃないですよ!」
「まぁまぁ。でも、ラモちゃんに音々さんの居場所を聞いて来たことを考えてみなよ。向こうさんは音々さんの居場所を知らんとよ? ここで安易に移動させたら、相手の思う壺たい。多分、あたしらは監視されているはずやけん。うかうか音々さんの居場所に行こうものなら、敵の総攻撃に遭うだけやと思うけどなぁ~」
「そ、そんなこと分かってましたよ!」
「本当にぃ~」
「本当です!」燐は鼻をふんふんと膨らましながら、誤魔化す。
「そいで、長さんは何しとうと?」
「さぁ? ゲームじゃないですかねぇ~」
「あたしもゲームしたいなぁ~」
一川警部は椅子をクルッと回転させて、椅子から立ち上がると窓から見える東京都の夜の景色を眺めるのだった。
長四郎は秋葉原のゲーセンで、マリオカートをしながら絢巡査長と通話をしていた。
「下校時です。今、捕まえた男達を取り調べてはいるんですが、強盗目的だったと自供しているんです」
「強盗目的って。あ! おい!! スター使うんじゃないよ!!!」
「長さん、真面目に聞いてます?」
「聞いてるよ! よしっ!! キラーゲット!!! 突撃ぃぃぃ!!!!」
電話の向こうで大きく騒がれるので思わず、受話器から耳を離す。
「あの、絢さん。ちょっと、電話貸してもらえます?」
「あ、うん。どうぞ」
絢巡査長は受話器を燐に渡す。
ふぅーっと息を吸って「いつもまでも遊んでじゃない!!!」受話器に向かって叫ぶ。
「あ! あぁぁぁぁぁぁ」
電話の向こうから長四郎の情けない声が聞こえてきた。
「さ、どうぞ」燐は絢巡査長に受話器を手渡す「ありがとう。で、長さん。ラモちゃんを襲った奴らなんですけど、音々さんの事を捜しているみたいなんです」
「だろうな。あーあ、負けちゃったよ。クソがっ!!!」
「甘いんだよ。修行してくるこったな」長四郎の対戦相手の声がする。
「長さん。音々さんの潜伏先を変えた方が良いんじゃないかと?」
「そういう事か。分かった、考えておくわ。よぉ~し、次は頭文字Dで勝負だ!!!」
そこで、通話は終了した。
受話器を置いた絢巡査長は「はぁ~」と深いため息をついた。
「どうしたんですか?」
「居場所を移す事は、考えておくってさ」
「考えておくって。私、狙われたんですよ! 普通に考えて音々さんが狙われているって分かっているのになんで手を打たないんだろ。頭悪いんじゃないの?」
「いや、私に言われても」
「ひゃ~ 参ったばい」一川警部は頭をペチペチ叩きながら、部屋に入ってきた。
「どうでした?」
燐が取り調べの結果を聞くと、首を横に振る一川警部。
「強盗目的。それの一点張り。しかも、ラモちゃんを告訴したいって言うとうと」
「え? 私が告訴!」
「そらぁ、ダーツの矢を投げるわ。金的蹴りあげて失神させるわ。過剰防衛なんやって。向こうさんの言い分としては」
「そんな・・・・・・」
「そこんところは、あたしが責任持って対処しとくけん。安心してちょ」
「安心できない」燐はボソッと呟いた。
「今、なんか辛辣な言葉が聞こえたような」
「気のせいですよ」と絢巡査長がそう言うと「そう。なら良かよ」と自席に腰を下ろす一川警部。
「長さんはなんて言うとったと?」
「ゲームに夢中らしくて、適当な事を言ってるんですよ」
「適当な事?」
「音々さんの潜伏先は移さない方がいいって言うんですよ! おかしくないですか。一川さん」燐はそう言いながら、机の上にバンッと叩き抗議する。
「いやぁ~ あたしに言われても」
「でも、早く場所を移したほうが良くないですか? この前の場所だって、襲撃されたんだし」
「ラモちゃん。クールに、クールに」一川警部は指パッチンして、燐をクールダウンさせる。
「クールに。じゃないですよ!」
「まぁまぁ。でも、ラモちゃんに音々さんの居場所を聞いて来たことを考えてみなよ。向こうさんは音々さんの居場所を知らんとよ? ここで安易に移動させたら、相手の思う壺たい。多分、あたしらは監視されているはずやけん。うかうか音々さんの居場所に行こうものなら、敵の総攻撃に遭うだけやと思うけどなぁ~」
「そ、そんなこと分かってましたよ!」
「本当にぃ~」
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「そいで、長さんは何しとうと?」
「さぁ? ゲームじゃないですかねぇ~」
「あたしもゲームしたいなぁ~」
一川警部は椅子をクルッと回転させて、椅子から立ち上がると窓から見える東京都の夜の景色を眺めるのだった。
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