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幼少期

授業➁

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 「では、早速始めようか」

 そう言って、何処かへと歩いて行くアルに私と兄様はついて行った。




 「よしっ、ここなら大丈夫でしょ」

 
 到着したその場所は、自然豊かな森に隣接している屋敷の裏庭だった。

 青々とした芝生や木々が風に吹かれて揺れている。


 「…?ここでするのか?」

 「そうだよ。ここなら何かあってもそこまで被害は出ないだろうからね」

 「あぁ、なるほど」

 

 「さてと、…2人は属性については知ってる?」

 「「はい」」

 「今現在確認されているのは、特殊属性も加えた9属性です」
 
 「基本属性は火、水、風、土の4つ」

 「派生属性は雷、植物の2つです」

 「特殊属性は光、闇、無の3つ」

 「特殊属性を所持している者は滅多にいないです」


 「うんうん。それだけ知ってるなら問題ないね」
 
 
 そう言うと、アルは空中から・・・・魔力媒体を取り出した。

 ………は?

 いやちょっと待って欲しい。
 え?なんでこの人何もない空間から取り出してるの??
 というか、なんで取り出した・・・・・って言える感じなの??
 
 かなり混乱してしまい、言葉がめちゃめちゃになっている。

 
 はっ!兄様はどうだろう?

 
 兄様の困惑顔を想像しながらそっと横を窺う。

 するとそこにいたのは、全くもって通常通りの兄様だった。
 寧ろその現象に対し、冷静に分析、理解をしている。


 え?兄様、何故そんなに冷静なんですか?
 貴方の妹には理解不能です。


 
 「これは無属性魔法の応用かな…?」

 「お、ザライドよく分かったね。そうだよ、これは無属性の空間魔法を応用した収納魔法さ」

 「収納魔法…!流石、王宮魔術師だ…!」

 兄様は目をキラキラと輝かせてアルを見ている。


 珍しい表情だ…。こういう兄様も年相応でかわいい…。


 私が兄様を見てこっそり萌えていると、アルは私が別のことを考えていることに気が付いたらしい。こちらを見て少し苦笑している。
 

 「アンジュ、還っておいで」

 
 「…はっ!す、すいません…」

 「あはは…いや、いいよ。話を脱線させてしまったのも悪かったし。でも、授業はちゃんと聞いてね」


 「はい、気をつけます」
 

 アルはニコリとし、次の瞬間には空気を変える為に咳払いをしてから、授業を再開させた。

 「ゴホンッ…えーとね、ザライド達は自分の所持属性を把握してるよね?」

 「「はい」」

 「魔法、使いたいよね?」

 「「それはもちろん(です)!!」」


 え、もしかして早速教えてくれ…

 「まぁ、まだ無理だけど」

 
 って、違うんかい!!(心の声)

 あぁもう、思わずツッコんじゃったよ…

 一瞬だけどすごく期待してしまったじゃないか…


 そんな不満が顔に出てたのか、アルはこちらを見て笑っていた。

 
 「アハハハッ…って、ごめんごめん。……だからそんな怒らないでよ」

 
 「…何故、まだ魔法を教われないんだ?」

 「それはね、その前にまず魔力操作を習得しないといけないからだよ。本当は、魔力を感知するところから始めないといけないんだけど…。ザライド達は出来てそうだしね」

 「なぜそう思われるのですか?」

 「ん~?だって、君達はアレ・・でしょ?それに、魔法書のある区画の魔力を察知してたみたいだしね」


 え、なんでそれ知ってるの?

 

    
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