夜空に花束を

しろみ

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その後の話

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「ぁあっは…ぁ…」
「お父さん…、ぁあ、すごい」
「んう…あぁっす、みれ…」
「あぁっ…ここ?きもちいいね…?」


 薄暗いリビングは、段ボールが無造作に置かれ、カーテンは中途半端に開いていた。
 そんな空間で、ぱちゅんぱちゅんと響く音があった。
 私はテーブルに手をついて、露わになった尻を突き出す。


「ああっぁぁ」
「お父さん、見て?窓に僕たちが反射してるよ?」
「ふんんっうん…」
「僕に後ろから突かれてるお父さん。電気点けたら誰かに見られちゃうかも。興奮しちゃう…?」


 首筋にチクッと痛みが走る。キスマークを付けられているんだろう。快楽で思考が霞む中、ぼんやりとそう思った。ずちゅずちゅと奥を突かれる度に、脚がガクガクと震える。


「見せてあげよっか。どうせもうすぐ引っ越すんだし」
「やっ…やだ…」


 首を振る。そうすると菫は「あは」と笑った。


「冗談だよ。大丈夫。この部屋は何処からも見られない。次に引っ越すマンションもそういう立地だから安心だね。ごめんね?わがまま言って。だってお父さんのこんな綺麗な姿…誰にも見せたくないもの」
「ぁあん、んん」
「お父さんは僕だけの人。誰にもあげない」


 ごちゅッと激しい音がした。先程よりもひときわ深い抽送を受ける。菫は奥を突きながら、片手で私の陰茎を上下に擦る。同時に快感を与えられて、背を仰け反らせた。


「ああ、ぁあ、あああっ」
「あはは、すごい、お父さんのナカ、僕のを絞り取ろうと必死だよ?ぎゅうぎゅう締め付けてくる…っ、ぁ、やば…」


 熱い吐息が耳にかかる。腰にぴったりと回った腕。それがぎゅうっと締まる。
 密着した状態で奥をぐりぐりと刺激される。前立腺のあたりだ。菫は私の弱い所を知ってる。そこを抉るように小刻みに突き上げられた。


「ああああっ…」
「んうっお父さん…ちゅーしよぉ…」
「ふんんッ…」


 横を向いてキスをする。ばちゅばちゅッと激しく肉棒を抜き挿しされ、あっという間に私は達した。びゅくびゅくと溢れる精液が床に滴る。唇からは唾液が垂れた。それを飲み干さんとばかりに、菫の喉仏はごくごくと上下する。


「んう…、お父さん気持ちよかった?」
「あああ…」
「…もう。お父さんはいつも僕を置いて先に達しちゃう…。酷い…。はあっ…ぁ…、僕もそろそろイかせて?」


 視界がぐるりと動いて向かい合う。菫の陰茎が抜かれて、だらしなく開いた孔がヒクヒクと蠢いた。そのくぱりと開いた孔からドロリとした粘液が太腿に流れる。精液とローションが混ざり合った白い液体だ。菫はそれを指で掬って舐め上げる。

 「美味しい」とウットリと呟いた菫は、私を横抱きにして、寝室に移動した。


「ふふ。お父さん…物欲しそうな顔してる」


 ベッドに下ろされ、ぐちゅりという水音が響く。組み敷かれたと同時に、熱い塊が腹を満たしたのだ。


「ああ…っ」
「あぁ~…ぁ、ふふ、ぬるぬるだから直ぐ飲み込まれちゃった…。お父さんってすごく淫乱になったよね…、自分から脚開いて腰動かすなんて…えっち」
「あぁ、ああ」


 菫の先端が奥に当たる。ごちゅッごちゅッと水音を立て、自ら腰を振って、肉壁を摩擦する。気持ち良い。もっと快楽に飲まれたい。菫が動かしやすいように腰を上げた。


「すみれ…」
「うん、なあに?」


 菫は熱い眼差しでそんな私を見下ろす。絶景を眺めるような、陶酔した表情だった。じっとりとした熱い視線が全身に這う。しかし、なかなか刺激をくれない。もどかしい。思わず「うごいて…」と懇願した。すると菫は泣きそうな顔で「かわいい…」と呟き、笑う。


「…うん、いいよ」


 甘い声が耳朶に落ちた。ちゅ、ちゅ、と瞼や首筋にキスの雨が降る。滑らかな裸体はゆっくりと波打つ。


「んうっあっあっ」
「ねぇっお父さん、僕、すごく幸せ…」
「ぁあん」
「もっとお父さんに求められたいな…」


 菫は律動を送り込む。その動きは激しく、そして艶かしい。

 彼は誰もが振り返る美少年だ。成績も良く、運動神経も良い。完璧な優等生である。さぞかし同世代の若い子からモテることだろう。そんな彼が狂ったように実の父親の上で腰を振る。


「ぁ、あ…お父さぁ…、腰止まらなっ…、僕、イきそぉ…」


 背徳感が、私を快楽へ誘う。


「んあっ」


 孔をぎゅっと締める。すると堪らないと言わんばかりに上擦った声が落ちる。ぱちゅんぱちゅんと、必死に腰を打ちつける我が子を見上げた。
 結合部がじんじん熱を持つ。


「んあぁっ、ああ」
「おとうさん…ぁん」
「あうっぅ」
「おとうさんのナカぁ、僕でいっぱいにするねぇ、ああ…、ああ…、おとうさん、だあいすきぃ…」


 病んだ声色で愛を囁く。そんな菫の瞳孔は広く開いていた。
 ゾクゾクと背筋が震える。絶え間なく、ぱちゅぱちゅぱちゅッと激しく律動を送り込まれ、私は限界だった。気持ち良すぎて意識を飛ばしてしまいそうだった。


「っ…ぁああ」
「お父さんのナカにっ…僕の精液…出す…早く赤ちゃんできるといいなぁ…」
「ひぃ、ぁあ…」


 仄暗い声。それは狂気じみていた。菫は狂ってる。私をこうして、毎晩犯し、孕ませようとするのだ。もう何度したのだろう。あの日から、毎日、私は息子と体を重ねている。そのせいか殆ど眠れていない。


「ああっぁ…――ッッ」


 腹の中に放たれる熱い飛沫を感じながら、歪んだ視界に溺れた。

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