男女比1対999の異世界は、思った以上に過酷で天国

１話 淫乱童貞ビッチ

『魔法が存在して、男女比が1対999という世界に転生しませんか？　男性が少ないから、モテモテですよ。もし即決なら特典として、転生者に大人気の回復スキルと収納スキルも付けちゃいますけど』

　女性経験が無いまま迎えた三十歳の誕生日に、不慮の事故で死んでしまった俺は、突然目の前に現れた女神様のこの提案にのっかり、異世界へと転生した。

　だが聞くと見るとは大違いというか、女神様の説明不足というか、ここは思っていた世界とはかなり違っていた。

　少数の男性は大切にされているかと思っていたが、絶大な権力を持つ女性の皇帝が支配し、女性がまわしているこの世界では、男は女性達にナニを提供し、子作りの手伝いと、快楽を提供するだけの性奴隷のような存在だったのだ。

　そしてそれは貴族の子供だろうと、庶民の子供だろうと関係なく、産まれた男の子は直ぐに皇城へと引き取られ、国の管理のもと将来の種馬というか生バイブへと育てられる。


　そんな男が人間扱いされていないこの世界の地方都市に産まれた俺も、例に漏れず産まれて直ぐにこの皇城へ連れて来られ、専用のお世話係のメイドさん達に育てられた。

　そして十二歳の誕生日を迎えた今日、ついにその日がやって来た。
　俺の部屋へと訪ねて来た文官のような女性に、『今日の皇帝陛下の夜伽はお前だ』と伝えられたのだ。

　ひゃっほ～い！
　生バイブ扱いがなんだってんだ、やっとエッチな事が出来るぞ。

　嬉しすぎて思わずそう叫びそうになるのを、堪えるのに必死だった。

　だって人間扱いされてなくても、バイブの代わりだったとしても、女性とエッチが出来るんだからな。

　それも流石皇帝の住む城と言うべきか、凄く綺麗な人ばかりが揃ったお世話係のメイドさん達が、『皇帝陛下のように、綺麗に産まれたかった』と言っている皇帝とのエッチなんだから、姿や年齢を知らなくても、期待だけじゃなくナニも膨らむってもんだ。


　だから指示通り、夜伽の為に風呂で入念に身体の手入れをした後、用意されていたスケスケのガウンのような服も躊躇なく着たけど、これって意味ないよな。

　膨らみまくったナニが、スケスケの生地のせいで丸分かりなんだけど。


「こっ、これから皇帝陛下の部屋に案内します。わっ、私について来なさい」

　それだから文官さんも、俺の下半身をチラチラと見てるけど、その驚いた表情・・・。

　もしかして、こんなヤル気マンマンなのは変なのか？
　まさか、この男女逆転の世界だと、今の俺って【淫乱童貞ビッチ】とか？