魔力は体で感じるタイプです

竜也りく

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弟: セレス編 〜鉄壁ツンデレ魔術師は、おねだりに弱い〜

鉄壁ツンデレ魔術師は、魔術で拘束する

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でも、さっきまでの何考えてるか分からない作った笑顔に比べれば、今の方がずっとずっといい。いつものフィンレーの表情に戻っただけで、俺の心は随分と軽くなっていた。

大丈夫だ、冷静になれ、俺。

無口で人を寄せ付けない、話しかけても圧巻の塩対応だと有名なこいつだが、実はあきらめずに何度も頼みこめば、最終的にはほだされてくれるのだ。

鉄壁ツンデレ魔術師に見えて、本当はおねだりに弱いことを俺は知っている!

「お願いフィンレー、ちょっとだけ拘束解いて? 俺が悪いとこは謝るからさ、ちょっと冷静になろ?」

いつものごとく『お願い』してみた。いつもならそっぽを向いて、それでもフィンレーはちゃんとお願いをきいてくれる。冷たそうに見えて、結局人がいいんだよな。

そう確信していたオレに、フィンレーは困ったように眉を下げてみせた。

「お前はいつも『お願い』ばかりだな」

フィンレーが纏っている魔力が、薄布のように柔らかく幾重にも巻きついてきて、優しく俺を包み込む。

ちょっと待って、いつものツンケンした魔力、どこ行ったの? 

そういえばさっきまであんなに混乱して色も形もぐるぐる変わってたフィンレーの魔力が、めちゃくちゃ落ち着いてる。っていうか、これまた今まであんまり見たことない柔らかい淡いピンクだ。

そしてその形も初めて見るもので……これまでこんな薄布みたいな魔力になったこと無かったし、それがこんなにやわやわと体に纏わりついてくる事もなかった。まるで肌触りのいい極上のシーツに包まれていくみたいだ。

ウソ。なにこれ、めっちゃ気持ちいい……。

思わずうっとりしてしまうような心地よさに包まれて、思考力を手放したくなってくる。そんな俺に、フィンレーはにっこりと笑って見せた。

「だが、今日はダメだ。たまにはお前が、僕の『お願い』を聞いてくれてもいいだろう……?」

唇の端だけ持ち上げて微笑うフィンレーからは壮絶な色気が漂ってくる。

やばい……これは、ヤバいことになった。

「なぁセレス、お願いだ」

「な、なんだよ」

俺に覆い被さっていたフィンレーがさらに顔を近づけてくる。そのせいでフィンレーの肩にかかっていたキラキラ銀髪ストレートの長髪がさらりと落ちてきて、俺の視界はフィンレーの顔だけしか見えなくなった。この長い銀髪にカーテン効果があるなんて知りたくなかった……!

いつもは逸らされがちなアイスブルーの瞳が俺をまっすぐに見つめていて、なんだかちょっと鼓動が速くなる。美形の至近距離、心臓に悪すぎないか?

ふわ、と頬に暖かさを感じた直後、ゆっくりと撫でられて背中がゾクゾクする。

「な……」

「セレス、単なる興味で娼館にいくくらいなら、僕で我慢してくれないか……?」

「は!!???」

「初めてだから上手くできないかもしれないけど、でも頑張るから」

「いや、待っ……」

もちろん待ってくれるわけもなく、いきなり口を塞がれた。

え!!? え!!!??

慌てふためく俺の唇がやわやわと食まれ、舐められたと思ったら口の中にぬるんと舌が入ってくる。

ちょ、待って、嘘、なんでフィンレーが……!?

普段の態度からは想像もつかないまさかの行動に混乱する。

「は……っ、んむ……ふ、ぅ……」

押し返そうにもしっかり抱きしめられていて動けない。

舌を吸われ上顎をちろちろと舐められると、今まで感じたことのないような感覚が芽生えてきて、舐められるごとに感覚が鋭敏になっていく。絡まる舌が熱くて、気持ちよくて。

やべぇ、舐められ過ぎて上顎への刺激がチンコに直結するようになってきたと思ったら、ようやくフィンレーの舌がオレの舌をちゅちゅっと吸ってから出て行った。

「気持ちよかった……? 勃ってる」

もう泣きそう。

フィンレーも興奮してるのか、いつもは青白いってくらいに白い頬がふわりと紅く色づいてる。熱烈なキスで濡れた唇をぺろりと舐める小さな舌も、乱れた銀髪を掻き上げる仕草も、信じられないくらい色っぽい。

なんだよそれ。

お前ついさっきまで、エロい事なんて考えた事もありませんって顔してたじゃんかぁ! 恋愛感情を持たれるのが嫌で嫌でしょうがないって顔してるから、オレだって絶対に相棒以上の感情は持たないぞって決めてたのに!!!

なんでいきなりこんなにエロいんだよー!!!!

男のくせに娼館のお姉さんよりも遥かに股間を直撃する妖艶さに、オレのチンコはズボンの中でどうしようもなくビンビンに勃ちあがっている。

チンコがめっちゃ痛い。

出したい。

もっと刺激がほしい。

そんなオレの心の声が聞こえでもしたかのように、フィンレーの白くて細い指がつうっと俺のチンコをなぞる。

「~~~~~っっっ」

やっば!!!! 破裂するとこだったぞ! 指一本でイッたとかなったら流石に泣くわ!

ズボンの上からさわさわと、形を確かめるようにフィンレーの手が動いて、オレは暴発を抑えようと必死で奥歯を噛み締めた。

「すごい……セレスのココ、ヒクヒクしてる。僕で欲情できるんだ……」
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