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32【ここからオリジナルの始まり】
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ハルキア王国に戻ってきた。
戻ってきたって言うのはおかしいかしら、まだ私の籍はディアナにあるもの。
とにかく、高等部の平民クラスに久しぶりに登校した。
「おはよう豊子!」
「健一おはよう」
「もう大丈夫なのか?」
「ええ。もう元気いっぱい」
大道芸でダンスを披露するほどにね。
「じゃあ教室に行こう」
「トヨコちゃんずうっと病気って聞いたけど。治ったの?」
「うん!おはようブリック。すっかり元気よ」
「でも髪の色が変わるほどの大病だったのね」
「ま、まあそうね」
すこし色合いが違うけど二人で赤いおさげ髪の姉妹コーデを楽しんでいたのに。私が金髪になっちゃったからね。
「ちょっと黄色くなっちゃっただけよ」
「金髪って言うのよトヨコちゃん。病気は大変だっただろうけど、きれいな髪よ」
「あ、ありがとう!」
自分で彼女に病気で休んだと言ってたわけではないのに、偽っているのがつらいわね。
「それよりトヨコちゃんが休んでいる間に、あの中等部のサクラって子が退学したらしいわよ」
「え?」
「なんでも、自分の国で貴族としての教養を学び直すのだって」
「まあ」
「しかも、サクラが聖女だって言うのは間違いだったらしいぜ」
掛け持ち冒険者学生のグリーも話に加わってきた。
「なんでも本物のすごい聖女が現れて、帝国でグラル殿下とサクラの目の前で、本物の実力を見せたらしい」
「は?なあに?その言い方酷くない?」
「そりゃあ、サクラもいたたまれないよな。聖女に認定されて、貴族の養女になるなんて平民の俺らからすればスゲーって思うし」
「女性からすれば数少ないものすごい出世だったもの。それが嘘だったなんてね。しかも誰も否定できない素晴らしい聖女が現れちゃったら、もう表に出られないのじゃない?」
「いや、サクラは中学生のくせにかなりしたたかだったぜ、ほとぼりが冷めたら出てくるだろう」
他人事だと好き放題だわね。
「も、もうやめようよ、サクラなんてそもそも学年が違うんだしさ、それよりもう授業が始まっちゃうわ。あたし、休んでいた間の遅れを取り戻さなくっちゃ」
「そうね。ノートはいつでも貸すわよ」
「ありがとう!ブリック!」
「お礼はトヨコのクッキーでいいわ」
「ふふふ、また焼いたら持ってくるわね」
「えーいいなぁ。俺もクッキー欲しい!」
「グリーにも少し分けるわね」
「やたっ!げ、健一」
健一が私の肩を後ろから掴んで頭越しにグリーに話しかける。
「豊子のクッキーがなんだって?」
「クッキーは冒険活動の間食に良いんだよ」
「それは言えてるけどな」
「でもね、クッキーって喉が渇くじゃない?お茶の時は良いんだけど、任務遂行時の食料にはどうなの」
「あ、それはね、ジャムとかチョコチップとか仕込むと唾液が出て食べやすいのよ」
「へえ。さすが冒険者もしているトヨコちゃんは物知りね」
「今度俺にも焼いてくれよ」
「もちろんよ健一、じゃあ冒険活動用に、喉が渇きにくいタイプのものを焼くわね」
「よっしゃ」
「あー、相変わらず熱いぜ」
「そう?こんなに秋が深まって朝とかも涼しいのに?」
「そう言う事じゃないわ。熱い熱い」
「帝国からの聖女支援金を送り返したんだって?」
教室へ行く長い廊下で、健一が話しかけてきた。
「だって、あのボロボロの人たちを見たら、あの人たちを先に支援するべきでしょ?」
「まあな。むしろ干ばつっていう災害に対する義援金を出すべきだよな」
「うん。でもそういう感覚は、太一にはあっても、お父様にはないのよ」
「そうだろうな、グラル殿下を城に呼んで太一が義援金を渡したら、キョトンとしてたぜ」
そうなの?
「困ったときはお互い様。日本のゲームなのにこういうのはないのね」
「そこまで設定してないんだろ」
「この世界で生きている私たちが設定していかなきゃね」
「だな。丁度そういう立場だし、みんなが住みやすい世界にしたいよな」
「頑張ろうね、フェルゼン殿下」コソッ
「ああ、俺の聖女」コソッ
「あ、豊子っ!」
今はキスしてくるのを逃げたわ。
だって、朝の学校の廊下なのよ!
貧しい人への支援。お金が難しかったら、食べ物とか水とかそういうものでもいいのではないかしら。
さっきのクッキーの会話から連想する。
でもそのために小麦粉を仕入れて作るのもちょっと違うわね。
パンがなければお菓子を食べればいいじゃない!
ああ、違うの!そう言うのじゃないのよ!今は王族ですもの、革命されるのはごめんだわ。悪役令嬢は脱却できたはずだもの。
なにか、安価で栄養が豊富な食べ物・・・。
「おーい豊子、教室に着いたぜ」
「トヨコちゃんまだ具合悪い?」
「だ・・・大丈夫よ!」
「今日の授業は、様々な産業についてです」
平民の授業では、親から継ぐ職業もあるけれど、兄弟姉妹の多いこの国では自分で人生を切り開く必要もある。今日はそんな子供達のために様々な職業を紹介してくれる授業なの。面白いわ。こういう本、太一が子供の時に図書館で借りてよく読んでいたわね。子供のハローワークって感じのタイトルだったかしら。結局健一が子供の時に読んでいた医者の職業についての本を熱心に読んでいたけど。
この世界でも、職業体験をさせてもらって、相手もボランティアではなく学費や国からのお金で請け負っているの、だから一般の人が丁寧に教えてくれるのよ。
上級生になるとそこでインターンみたいなこともさせてもらって、その職につけるそう。
素敵なシステムね。
私、この授業大好き。だって王女として教養のための学習でもあったけれど、机上では全然頭に入ってこないんだもの。
教壇ではテキストに載せにくい大きな絵を掲示して説明してくれるの。分かりやすいわ。
健一も熱心に授業に取り組んでいるわ。
今日は麦畑から麦が収穫されて、小麦粉になってパンなどの食料になったり、大麦がビールになったりする流れを説明された。
見学に行くのはいつなのかしら。楽しみ。
戻ってきたって言うのはおかしいかしら、まだ私の籍はディアナにあるもの。
とにかく、高等部の平民クラスに久しぶりに登校した。
「おはよう豊子!」
「健一おはよう」
「もう大丈夫なのか?」
「ええ。もう元気いっぱい」
大道芸でダンスを披露するほどにね。
「じゃあ教室に行こう」
「トヨコちゃんずうっと病気って聞いたけど。治ったの?」
「うん!おはようブリック。すっかり元気よ」
「でも髪の色が変わるほどの大病だったのね」
「ま、まあそうね」
すこし色合いが違うけど二人で赤いおさげ髪の姉妹コーデを楽しんでいたのに。私が金髪になっちゃったからね。
「ちょっと黄色くなっちゃっただけよ」
「金髪って言うのよトヨコちゃん。病気は大変だっただろうけど、きれいな髪よ」
「あ、ありがとう!」
自分で彼女に病気で休んだと言ってたわけではないのに、偽っているのがつらいわね。
「それよりトヨコちゃんが休んでいる間に、あの中等部のサクラって子が退学したらしいわよ」
「え?」
「なんでも、自分の国で貴族としての教養を学び直すのだって」
「まあ」
「しかも、サクラが聖女だって言うのは間違いだったらしいぜ」
掛け持ち冒険者学生のグリーも話に加わってきた。
「なんでも本物のすごい聖女が現れて、帝国でグラル殿下とサクラの目の前で、本物の実力を見せたらしい」
「は?なあに?その言い方酷くない?」
「そりゃあ、サクラもいたたまれないよな。聖女に認定されて、貴族の養女になるなんて平民の俺らからすればスゲーって思うし」
「女性からすれば数少ないものすごい出世だったもの。それが嘘だったなんてね。しかも誰も否定できない素晴らしい聖女が現れちゃったら、もう表に出られないのじゃない?」
「いや、サクラは中学生のくせにかなりしたたかだったぜ、ほとぼりが冷めたら出てくるだろう」
他人事だと好き放題だわね。
「も、もうやめようよ、サクラなんてそもそも学年が違うんだしさ、それよりもう授業が始まっちゃうわ。あたし、休んでいた間の遅れを取り戻さなくっちゃ」
「そうね。ノートはいつでも貸すわよ」
「ありがとう!ブリック!」
「お礼はトヨコのクッキーでいいわ」
「ふふふ、また焼いたら持ってくるわね」
「えーいいなぁ。俺もクッキー欲しい!」
「グリーにも少し分けるわね」
「やたっ!げ、健一」
健一が私の肩を後ろから掴んで頭越しにグリーに話しかける。
「豊子のクッキーがなんだって?」
「クッキーは冒険活動の間食に良いんだよ」
「それは言えてるけどな」
「でもね、クッキーって喉が渇くじゃない?お茶の時は良いんだけど、任務遂行時の食料にはどうなの」
「あ、それはね、ジャムとかチョコチップとか仕込むと唾液が出て食べやすいのよ」
「へえ。さすが冒険者もしているトヨコちゃんは物知りね」
「今度俺にも焼いてくれよ」
「もちろんよ健一、じゃあ冒険活動用に、喉が渇きにくいタイプのものを焼くわね」
「よっしゃ」
「あー、相変わらず熱いぜ」
「そう?こんなに秋が深まって朝とかも涼しいのに?」
「そう言う事じゃないわ。熱い熱い」
「帝国からの聖女支援金を送り返したんだって?」
教室へ行く長い廊下で、健一が話しかけてきた。
「だって、あのボロボロの人たちを見たら、あの人たちを先に支援するべきでしょ?」
「まあな。むしろ干ばつっていう災害に対する義援金を出すべきだよな」
「うん。でもそういう感覚は、太一にはあっても、お父様にはないのよ」
「そうだろうな、グラル殿下を城に呼んで太一が義援金を渡したら、キョトンとしてたぜ」
そうなの?
「困ったときはお互い様。日本のゲームなのにこういうのはないのね」
「そこまで設定してないんだろ」
「この世界で生きている私たちが設定していかなきゃね」
「だな。丁度そういう立場だし、みんなが住みやすい世界にしたいよな」
「頑張ろうね、フェルゼン殿下」コソッ
「ああ、俺の聖女」コソッ
「あ、豊子っ!」
今はキスしてくるのを逃げたわ。
だって、朝の学校の廊下なのよ!
貧しい人への支援。お金が難しかったら、食べ物とか水とかそういうものでもいいのではないかしら。
さっきのクッキーの会話から連想する。
でもそのために小麦粉を仕入れて作るのもちょっと違うわね。
パンがなければお菓子を食べればいいじゃない!
ああ、違うの!そう言うのじゃないのよ!今は王族ですもの、革命されるのはごめんだわ。悪役令嬢は脱却できたはずだもの。
なにか、安価で栄養が豊富な食べ物・・・。
「おーい豊子、教室に着いたぜ」
「トヨコちゃんまだ具合悪い?」
「だ・・・大丈夫よ!」
「今日の授業は、様々な産業についてです」
平民の授業では、親から継ぐ職業もあるけれど、兄弟姉妹の多いこの国では自分で人生を切り開く必要もある。今日はそんな子供達のために様々な職業を紹介してくれる授業なの。面白いわ。こういう本、太一が子供の時に図書館で借りてよく読んでいたわね。子供のハローワークって感じのタイトルだったかしら。結局健一が子供の時に読んでいた医者の職業についての本を熱心に読んでいたけど。
この世界でも、職業体験をさせてもらって、相手もボランティアではなく学費や国からのお金で請け負っているの、だから一般の人が丁寧に教えてくれるのよ。
上級生になるとそこでインターンみたいなこともさせてもらって、その職につけるそう。
素敵なシステムね。
私、この授業大好き。だって王女として教養のための学習でもあったけれど、机上では全然頭に入ってこないんだもの。
教壇ではテキストに載せにくい大きな絵を掲示して説明してくれるの。分かりやすいわ。
健一も熱心に授業に取り組んでいるわ。
今日は麦畑から麦が収穫されて、小麦粉になってパンなどの食料になったり、大麦がビールになったりする流れを説明された。
見学に行くのはいつなのかしら。楽しみ。
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URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
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