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第一章 手に入れた能力
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トルデンの母親の部屋で待っていると少ししてから扉が開く音がした。
「トモヤ……どうしてここに……?」
「どこ行ってたんだよ」
オレが低い声でトルデンに問い詰めると顔を曇らせて困った表情をした。
「トモヤが気にすることじゃ……トモヤは部屋に戻ってください……」
「なんだよそれ……オレのために魔術の訓練を真剣に取り組んでオークスからオレを遠ざけたって聞いた。それでもオレが気にすることじゃないって言うのかよ?」
「どうして……それを……」
「お前が落ち込んでるかもしれないってラウリアが来た。お前に今日訓練がなかったことも聞いた。どこ行ってたんだよ」
「……座って話しましょう」
トルデンはオレが聞くまで部屋を出て行かないと分かり、お茶とお菓子のボルを机に置いて向かい合って座る。少し前まではこうやって2人で過ごしていたのに大分前のようだ。
「何でオークスをオレから遠ざけるためにあれだけ嫌そうにしてた魔術の訓練してるんだよ」
「……トモヤを私の保護下に置き、オークスは一切トモヤに近づかないという条件で魔術の訓練を受けると約束しました。もしオークスが次、トモヤに近づけば処罰がおりるのでオークスも簡単には手を出さないはずです」
「それをどうしてオレに言わないんだよ。オレは知っておくべきだろ。だって、お前があれだけ訓練嫌がってたの知ってるんだから」
ルウファに行ってホルアンやジアルに結界の魔術を教えていたトルデンは心穏やかだったし、まだ楽しそうにしていた。でも、訓練場で見た時のトルデンの必死に逃げる様、そしていつもぐったりして疲れて帰ってくる表情のトルデン。ルウファはともかく城での訓練がトルデンの負担であるのはオレでも分かる。
「……これ以上私のせいでトモヤを巻き込みたくなくて……」
「じゃぁ、どうして別の部屋で過ごすって言ったんだよ。別にあの時お前、怪我してなかっただろ?相手を怪我させたことを気にしてるなら、オレがその怪我を貰う。それでお前の気が晴れるなら別にそれくらいしてやる」
「なっ?!トモヤ、自分の言ってること分かってるんですか?誰かの怪我を貰うということはトモヤに苦痛が生じるんですよ?!」
いつも穏やかなトルデンが声を荒げ、椅子から立ち上がった。その姿が意外でオレはトルデンを見上げた。オレが驚いていることに気付いたトルデンがハッと我に返る。
「す、すみません……」
「相手の怪我は大したことないって聞いた。かすり傷だって。この前の感じなら数日……いや、それくらいなら1日とかで終わると思う」
相手の怪我が実際どんなものかオレは見てないし知らない。でも、何となくそれぐらいだと思って適当に言う。
「ダメです。そんなことしないでください。元はと言えば私が相手を怪我させたのが……悪いんです。それにもう相手の怪我は治ってます……」
相手の怪我は本当にかすり傷だったらしく1日も経たずにその怪我は治ったらしい。
「じゃぁ、何でその後もこの部屋で過ごしてんだよ」
「……怖かったんです。……誰かを傷つけることが怖いんです。魔術を使った後、たまに興奮状態になって自分で制御できないこともあって……その状態でトモヤに会いたくなかったんです。それに魔術を使うと疲れるのでその姿もトモヤに見られたくなくて……」
あぁ、だからトルデンを訓練場で見かけた時、必死に逃げてるだけだったのか……。確かに穏やかで心優しいトルデンは誰かを傷つけることを嫌いそうだ。
「じゃぁ、今日はどこ行ってたんだよ」
「……今日は図書館に行ってました。トモヤが元の世界へ戻れる方法ーー神託の降りた神官がいなくても戻る方法がないか調べてたんです」
「……どうしてオレなんかのためにそこまでするんだよ」
前の世界でこんな風にオレのことを考えてくれる人間いなかった。アタリかハズレ、もしくは少しの優しさで見返りを要求するヤツ。そんな人間しかいなかった。
「私のせいでトモヤがこちらに呼び出されたので……トモヤが利用されてしまうことが、それでトモヤが苦痛を受けてしまうことが……嫌なんです」
「あぁ、お前はオレの為というよりも自分の罪滅ぼしの為にオレを前の世界に帰そうとしてるんだな……」
オレは思ったことを口に出していた。オレの意志に関係なく前の世界に戻そうとしているのはこの際どうでもいい。でも、トルデンと少しの間、一緒に過ごしていて何故か楽しかった。パン粥を作ってくれたことも、一緒に食事をしたことも、ルウファに連れて行ってくれたことも、どれもオレにとっては初めての経験ばかりだ。でも、それがトルデンの罪滅ぼしのためだと分かって無性に腹が立った。
「そんなつもりじゃ……」
「別にいい。それで何か分かったのかよ?」
「いえ、それが何も分からなくて……」
オレは先ほどのトルデンの発言でイライラしていたし、トルデンもオレを怒らせたと分かりシュンとうなだれている。部屋は静まり返り気まずい雰囲気が流れる。久しぶりにトルデンに会ったのにこんな空気にさせたかったんじゃない。
「……あれ、母親?」
この部屋に入った時、本棚の上に置いてある写真たてが目に入った。ラウリアもその写真を懐かしそうに見ていた。
「えぇ、そうです」
「見てもいいか?」
オレがそう聞くとトルデンが頷いたので、オレは近寄ってその写真たてを手に取った。その写真に写っている人は金色の髪を結い上げて金色の瞳で少し微笑んでいる。写真からでも優しそうな雰囲気だ。
「綺麗な人だな……。お前に似てる」
「ふふっ、ありがとうございます」
その写真たてを元に戻そうとした時、本棚にもう1つ小さな写真たてがあることに気付いた。
先ほどの写真の女性ーートルデンの母親と小さな子供3人が写っている写真だ。
金色で少しくるっとした髪に青い瞳の少年、同じく金色なものの短い髪で金色の瞳をした少年、そして黒いまっすぐな髪が肩上まである黒い瞳の少年。
その子供3人がラウリア、トルデン、エンフィルだと分かった。半分しか血が繋がっていないと言っていたからあんまり皆似てないけど。ラウリアは笑っていて、トルデンはぎこちなく笑っている。エンフィルは笑っていない。この写真からも何となくそれぞれの性格が想像できた。
「……懐かしいですね」
いつの間にかトルデンも席を立ってこちらへとやって来ていた。オレには兄弟なんてものはいなかったからよく分からない。ラウリアはちょくちょくやって来るのでトルデンとまだ仲が良いのかもしれない。エンフィルの話はあまりしないので分からないけど。でも、トルデンの母親の前に3人並んでる姿は皆、どこか幸せそうだと感じた。
「トモヤ……どうしてここに……?」
「どこ行ってたんだよ」
オレが低い声でトルデンに問い詰めると顔を曇らせて困った表情をした。
「トモヤが気にすることじゃ……トモヤは部屋に戻ってください……」
「なんだよそれ……オレのために魔術の訓練を真剣に取り組んでオークスからオレを遠ざけたって聞いた。それでもオレが気にすることじゃないって言うのかよ?」
「どうして……それを……」
「お前が落ち込んでるかもしれないってラウリアが来た。お前に今日訓練がなかったことも聞いた。どこ行ってたんだよ」
「……座って話しましょう」
トルデンはオレが聞くまで部屋を出て行かないと分かり、お茶とお菓子のボルを机に置いて向かい合って座る。少し前まではこうやって2人で過ごしていたのに大分前のようだ。
「何でオークスをオレから遠ざけるためにあれだけ嫌そうにしてた魔術の訓練してるんだよ」
「……トモヤを私の保護下に置き、オークスは一切トモヤに近づかないという条件で魔術の訓練を受けると約束しました。もしオークスが次、トモヤに近づけば処罰がおりるのでオークスも簡単には手を出さないはずです」
「それをどうしてオレに言わないんだよ。オレは知っておくべきだろ。だって、お前があれだけ訓練嫌がってたの知ってるんだから」
ルウファに行ってホルアンやジアルに結界の魔術を教えていたトルデンは心穏やかだったし、まだ楽しそうにしていた。でも、訓練場で見た時のトルデンの必死に逃げる様、そしていつもぐったりして疲れて帰ってくる表情のトルデン。ルウファはともかく城での訓練がトルデンの負担であるのはオレでも分かる。
「……これ以上私のせいでトモヤを巻き込みたくなくて……」
「じゃぁ、どうして別の部屋で過ごすって言ったんだよ。別にあの時お前、怪我してなかっただろ?相手を怪我させたことを気にしてるなら、オレがその怪我を貰う。それでお前の気が晴れるなら別にそれくらいしてやる」
「なっ?!トモヤ、自分の言ってること分かってるんですか?誰かの怪我を貰うということはトモヤに苦痛が生じるんですよ?!」
いつも穏やかなトルデンが声を荒げ、椅子から立ち上がった。その姿が意外でオレはトルデンを見上げた。オレが驚いていることに気付いたトルデンがハッと我に返る。
「す、すみません……」
「相手の怪我は大したことないって聞いた。かすり傷だって。この前の感じなら数日……いや、それくらいなら1日とかで終わると思う」
相手の怪我が実際どんなものかオレは見てないし知らない。でも、何となくそれぐらいだと思って適当に言う。
「ダメです。そんなことしないでください。元はと言えば私が相手を怪我させたのが……悪いんです。それにもう相手の怪我は治ってます……」
相手の怪我は本当にかすり傷だったらしく1日も経たずにその怪我は治ったらしい。
「じゃぁ、何でその後もこの部屋で過ごしてんだよ」
「……怖かったんです。……誰かを傷つけることが怖いんです。魔術を使った後、たまに興奮状態になって自分で制御できないこともあって……その状態でトモヤに会いたくなかったんです。それに魔術を使うと疲れるのでその姿もトモヤに見られたくなくて……」
あぁ、だからトルデンを訓練場で見かけた時、必死に逃げてるだけだったのか……。確かに穏やかで心優しいトルデンは誰かを傷つけることを嫌いそうだ。
「じゃぁ、今日はどこ行ってたんだよ」
「……今日は図書館に行ってました。トモヤが元の世界へ戻れる方法ーー神託の降りた神官がいなくても戻る方法がないか調べてたんです」
「……どうしてオレなんかのためにそこまでするんだよ」
前の世界でこんな風にオレのことを考えてくれる人間いなかった。アタリかハズレ、もしくは少しの優しさで見返りを要求するヤツ。そんな人間しかいなかった。
「私のせいでトモヤがこちらに呼び出されたので……トモヤが利用されてしまうことが、それでトモヤが苦痛を受けてしまうことが……嫌なんです」
「あぁ、お前はオレの為というよりも自分の罪滅ぼしの為にオレを前の世界に帰そうとしてるんだな……」
オレは思ったことを口に出していた。オレの意志に関係なく前の世界に戻そうとしているのはこの際どうでもいい。でも、トルデンと少しの間、一緒に過ごしていて何故か楽しかった。パン粥を作ってくれたことも、一緒に食事をしたことも、ルウファに連れて行ってくれたことも、どれもオレにとっては初めての経験ばかりだ。でも、それがトルデンの罪滅ぼしのためだと分かって無性に腹が立った。
「そんなつもりじゃ……」
「別にいい。それで何か分かったのかよ?」
「いえ、それが何も分からなくて……」
オレは先ほどのトルデンの発言でイライラしていたし、トルデンもオレを怒らせたと分かりシュンとうなだれている。部屋は静まり返り気まずい雰囲気が流れる。久しぶりにトルデンに会ったのにこんな空気にさせたかったんじゃない。
「……あれ、母親?」
この部屋に入った時、本棚の上に置いてある写真たてが目に入った。ラウリアもその写真を懐かしそうに見ていた。
「えぇ、そうです」
「見てもいいか?」
オレがそう聞くとトルデンが頷いたので、オレは近寄ってその写真たてを手に取った。その写真に写っている人は金色の髪を結い上げて金色の瞳で少し微笑んでいる。写真からでも優しそうな雰囲気だ。
「綺麗な人だな……。お前に似てる」
「ふふっ、ありがとうございます」
その写真たてを元に戻そうとした時、本棚にもう1つ小さな写真たてがあることに気付いた。
先ほどの写真の女性ーートルデンの母親と小さな子供3人が写っている写真だ。
金色で少しくるっとした髪に青い瞳の少年、同じく金色なものの短い髪で金色の瞳をした少年、そして黒いまっすぐな髪が肩上まである黒い瞳の少年。
その子供3人がラウリア、トルデン、エンフィルだと分かった。半分しか血が繋がっていないと言っていたからあんまり皆似てないけど。ラウリアは笑っていて、トルデンはぎこちなく笑っている。エンフィルは笑っていない。この写真からも何となくそれぞれの性格が想像できた。
「……懐かしいですね」
いつの間にかトルデンも席を立ってこちらへとやって来ていた。オレには兄弟なんてものはいなかったからよく分からない。ラウリアはちょくちょくやって来るのでトルデンとまだ仲が良いのかもしれない。エンフィルの話はあまりしないので分からないけど。でも、トルデンの母親の前に3人並んでる姿は皆、どこか幸せそうだと感じた。
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