異世界転移二児の母になる

ユミル

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 寮の部屋に戻ってきた二人は、帰って来た初日から授業が始める。荷物を置いて制服に着替えて、教室に向かう。
 授業開始まで少し時間があるので先生はまだ来てはいなかったが、生徒は教室に集まっている。連休は何処に行ったなどの自慢話などをしている。
 その話に耳を傾けていた二人に声をかけてくる人物がいる。それはルイスである。その隣にはジュリエッタがいた。
「エレナ、ロイス元気だったか?」
「ごきげんよう。エレナさん。ロイスさん」
「やぁ、おはよう」
「おはようございます」
 それぞれ挨拶を交わした。
「休みの日何処かに行っていたのか? 暇だったから部屋に行ったのだが誰も居なくてな」
「あぁ。僕達は母様が住んでいた国に行っていた」
「ほう。興味深い話だな」
 他人からすれば謎の多いユーリはルイスの興味を引くには十分な効果を発揮する。
 ある日を境にロジック国王は、ユーリの名前が出ると少し引きつった表情になる。そして何があっても双子達にはちょっかいをかけるなと言われた。
 ルイスとジュリエッタは不思議に思うが、それ以上には何も言わない様にしている。
「楽しかったよ」
「感想も良いが、どういった国なのかとか教えて欲しかったものだが……」
 そう言いながらエレナを見る。
 エレナの方がしっかりとしているので違う感想を求めているのであろう。
「そうね。何から言えば良いかわからないけど…… 国力、生活基準、技術面でも数倍上とでも言っておきましょうか? 例えばお土産でこれを持って来たのだけれど、幾らで帰ると思う?」
 エレナが出してきたのは日本のスーパーで普通に売られている砂糖一キロを机の上に出した。
 目を見開くルイスとジュリエッタは、その砂糖をまじまじと見る。
「これほど白い砂糖は、そうだな金貨1枚以上はするのではないか?」
 甘い物が好きなジュリエットは普段より大きな声で言う。
「金貨1枚以上!? そんな値段では買えませんよ! これほど白く、なおかつ不純物が一切ないのですよ? これがどれほどするのか、私達では決めかねませんよ!」
 さすが甘党なのか、良い所をつく。 こっちの世界ではこれ程までの砂糖を作るのは困難である。
「ちなみにこの砂糖はそっちの国だといくらするのだ?」
「こっちの硬貨で言えば銅貨3枚あれば買えるわ」
「なん…… だと」
この世界では砂糖は高級品なので平民などが口にすることはめったにない。
 平民でも砂糖が買えてなおかつ安いと言うことに衝動を受けていた。
「ちなみにあっちの国で生活をしてしまうと、こっちでは生活をしたく無くなるわね。何と言うか、もう極楽だったね」
 日本の生活を大いに満喫をしていた。読書好きなエレナから見ると宝物の山であった。
 図書館の事を思い出したのか、顔がにやけていた。
「エレナは、将来そっちの国で生活をしたいのか?」
 食いかかる様にルイスが言い寄ってくる。その隣ではジュリエッタが口元に手をあてている。
「え? それはそれでいいかな? うん」
「ねぇちゃん。それはありだね」
 双子は将来、日本で暮らすことの想像をしている。その顔は何ともと言うような表情をしていた。
 だがルイスは何かとアイユーブの良い所を上げていき始める。
「だが、そっちで生活をするのにも、何かと不便であろう? 例えば貴族達のつながりも無ければ、危険が多いだろ? いくらお前達が強いとしても。 アイユーブなら我々が居る。それに魔導書なども用意できるぞ?」
 そのルイスの必死な表情にエレナが困惑していた。
「えっ? ルイスどうしたの? なんか気持ち悪いよ? あっちには魔法が存在しないみたいよ? その変わりに科学と言うものがある見たいよ。それとお母様の国には貴族は存在しないみたいね。治安だってここよりは遥かに良かった。それにすぐに行くわけじゃないから安心して、友達を捨てていくような真似はしないわ」
 ロイスは隣で頷いていた。
「そうか…… それならまだ安心か、絶対その国よりも良い国にしてやるからな!」
 と言いいながら自分の席に座る。
「エレナちゃん。なんか言いかかる様になってごめんなさいね。殿下もお年頃だからね」
 ジュリエッタも自分の席に戻る。
 お年頃って貴方も同じ年だよと双子は心の中で思った。
 そんな事を思っていたら、教室の扉が開かれる。
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