女王様が恋をしたら

紅玉

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 私は女王様。
 小さい時からずっと。
私に逆らえる人も、文句言う人もいなかった。
これからもそれが続くと信じてた。
あの日が来るまでは。
あの言葉を聞くまでは…。

 立花凛(たちばなりん)には幼なじみがいた。
幼稚園からの友達で、今までずっと面倒を見てきた。世話の焼ける子なのだ。
朝に弱くて1人じゃ起きられないし、寝ぼけている事が多く、お茶にミルクを入れたり、化粧水と間違えて香水を顔につけたりと何かと危険な事をする。
だから、毎日凛がお越しに行くのだ。
それは今日も例外では無い。
結菜は高級オートロックマンションに住んでいて、凛はその隣にあるごく普通の一軒家だ。
合鍵を使って部屋に入ると、部屋の中は真っ暗。
まだ起きていないらしい。
慣れた手つきで電気をつけて、部屋のド真ん中に置かれている大きなベッドに目をやった。
 ベッドの大きさに合わない小さな身体、
柔らかい色の長い髪、フリフリしたネグリジェを着た女の子がそこに寝ていた。
近づいて行くと、かなりの美少女だと分かる。
白い真珠のような肌、長いまつ毛に大きな瞳、
紅い小さな唇。まるで天使だ。
小さな肩に手を置いて揺さぶる。
「結菜、起きて」
「…ん」
嫌そうに唸るとまた寝返りして寝ようとする。
今度はもっと強くゆする。
「学校だよ、遅刻するってば!」
「…むぅ。」
やっと目を開いた。
眠そうにあくびをしている、この美少女こそが
凛の幼なじみ、 九条結菜(くじょうゆな)。
通称「女王様」だ。
そして、凛の親友でもある。
「…凛、私まだ眠い…。」
「結菜の寝起きが悪いのはいつもの事でしょ?」
結菜のほっぺが軽く膨らんでいる。
これは少し機嫌が悪いとき。
手を引いて出かける準備をさせる。
コーンスープのおかげでマンションを出る時には
結菜の機嫌はすっかり良くなっていて、ケラケラ声を上げて笑ったり、凛に抱き着いたり。
中学時代と変わらない日常。
こうして、高校生の生活が始まっていく。









 
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