女王様が恋をしたら

紅玉

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日野学園の 高等部普通科 の校門を通ると、結菜のファンクラブを名乗る男子生徒が話しかけてきた。結菜には、もう名前を覚えるのもめんどくさくなるぐらいのファンがいる。
「おはようございます。
結菜様、お荷物お持ちします。」
「いらない」
結菜が冷たくあしらっても彼の目はハートだ。
その様子を周りの生徒が話題にしている。
「うわぁ、朝からすげえな~女王様は」
「ギャップありすぎだってw」
「バカ、そこがいいんだろ。
そこら辺の女子と違ってキャピキャピしてなくてさぁ。あんなかわいくて舌っ足らずのに毒舌なのってなんか萌えるじゃん?」
「まぁわかるけど。
俺は立花さんの方が好きだな~。優しいし?」
「女王様、ホント態度デカいよねー。」
「マジでムカつく。
少しは愛想良くできないわけ?」
そんな会話が聞こえてくる。
結菜が無表情でスタスタ歩いくのを見て、凛は慌てて追いかけるのだった。

 「凛、おはよー。」
「おはよー、1時間目の数学、大丈夫?」
「小テストだっけ~、死んだァ」
毎日繰り返される、そんな会話。
結菜はクラスメイトの誰にも声をかけられることなく自分の席についた。
男子が結菜を囲むようにして立っている。
その中のひとりに結菜は声をかけた。
「ねぇ」
「は、はい!」
結菜が声をかけたことで期待しているんだろう。
声が上ずっている。
「どいて。」
「え…」
「はやくどいて」
男子生徒はすごすごと退散。
結菜は開いた視界から凛を見つけた。
面倒見が良くて優しい、結菜の唯一の友達。
小さい頃からの幼なじみ。
そんな彼女は誰からも親しまれている。
パチッと目が合うと、凛が近づいてきた。
「結菜、ちゃんとテスト勉強した?」
「…やってない。」
「今から大事な所だけ教えてあげるから
バック片付けてきて!」
結菜は頷いてロッカーへと向かった。
周りには、やっぱりファンクラブ会員。
めんどくさかったので彼らにバックを置いてこさせた。
「おかえり。早かったね。
教室に戻ってくると凛が準備して待っていてくれていた。
「…めしつかいにたのんだ」
「結菜、人の気持ちを弄んじゃダメだってば」
「違うもん、そんなんじゃない。
凛、はやく勉強教えて?」
「…うん。」
凛は仕方なく勉強を教え始めた。
結菜のペースに合わせて、わかりやすく教えようと努力した。
その甲斐あってか、結菜は満足そうだった。
「ありがと、凛」
そう言って微笑んだ。
男子の目がまたまたハートになっている。
けれど、結菜が睨みつけると彼らは蜘蛛の子が散るように去っていった。
結菜の怒りに触れると何をされるか分からない。
そう思っているからだ。
「凛、今日一緒に帰る。」
「いつもでしょ。
帰りにどこか寄っていこう、結菜。」
「別に付き合ってあげてもいいけど。」
行きたかったくせに。
ホントに結菜はーーーー
「意地っ張りだね」
「うるさい、お人好し」




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