普通の新婚生活が送りたい。

キャロル

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1章 巡りあい

4 結婚式

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セレスティア=ノワール17歳 本日このよき日に結婚します。

「もう、お嬢様さっさと起きてください!せっかく久しぶりのドレスです。ピッカピカに磨きあげますよ!」

「ええ~めんどくさ!適当でいいわよ、」

「何言ってんですか!滅多に着飾ることなくて、せっかくミミと習得したエステスキル発揮できずにいたんですから、今を逃したら次はいつになるやら、さっ!早く体磨きますよ」

あっという間にマッパにされ浴室に押し込まれ、ゴリゴリと色んな物が削られるような気がした。が、ボヘッとしてる間にピッカピカのツルッツルになり、シルクとレースで上品に仕上がったオフショルダーの肩と首筋が美しく見えるスレンダーラインの真っ白なドレスに身を包んだ花嫁様が完成した。

支度ができたところで父が迎えにきた。

「ティア、ああ、とても綺麗だよ!アリスティアによく似ている本当に綺麗だ。このまま家に連れて帰りたい」
へにゃっとした、だらしない顔させて抱きついてきた。

「ふふ、お父様ったら、まだ泣いちゃだめよ!」

「お姉さま、とっても綺麗です。僕がお婿さんになりたかったのに」
義弟のクロヴィスが頬を染めながら父を押しのけ側に来た。

「まあ、クロヴィス嬉しいわ、ありがとう、私もあと10歳若かったらクロヴィスのお嫁さんになれたかしら、ふふふ」

「セレスティア、綺麗よ、お姉様以上の美しさよ!ううっ貴方には幸せな結婚して欲しかったのにううっ」
お義母様(亡き母の妹、最愛の夫を母と同じ病で亡くし、その後、後妻にとわんさか来る縁談に困り果ててたところ、父が2人を引き取り、お互い縁談回避できるからと籍を入れた。お互い亡き伴侶一筋なので仲の良い義兄妹なのです。)

「叔母…お義母様、大丈夫、私は幸せよ、心配しないで」
叔母と姪なのだが実の娘として育ててくれた義母は目にいっぱい涙を溜めていた。

「お嬢様、そろそろ、お時間です。」

「ええ、さあ、お父様!行きましょう」

会場の扉が開き父と聖殿の壇上で待つ白に金の装飾に刺繍の入った盛装を着た長身の大公殿下のもとへをゆっくりと歩いた。

父から大公殿下に手渡され、向き合った。お互い、正真正銘初めましてなのです。

ゆっくり顔をあげベール越しにみた顔は、首下長さの黒髪を後ろに一括りにし、こちらを見るその目は切長でルビーのような赤い瞳は鋭く、いかにも将軍って面差しだわ~なんて呑気に観察していたら、いつの間にか誓の言葉となり、心の中で、神に愛してないのに愛を誓っていいのかしら?などと思っていたら返事が遅れて神官長に咳払いされ、慌てて「はい」と返事した。

「誓の口づけを」
神官長の言葉の後、ゆっくりベールが上がり間近で顔を見た。

ベールを上げ 後ろにベールを下ろし誓の口づけとなるはずが、なぜか、ベールを持ったまま大公殿下は私を凝視していた。まさに、目を見開きガン見です。ガン見!何か私の顔についてるのか?とにかく彫刻かと思うほど静止状態で、神官長様の催促にも無反応で周りが若干ドヨドヨしてきた。思わず声かけてしまった。

「あの~大公殿下?どうかされました?誓の口づけをして頂かないと、神官長様がお困りですが(もう、おでこでも頬でもいいから口づけしてくれないと終わらないじゃない!私からはできないし、いくら女嫌いでもそれくらいは我慢して欲しいわ)」

チッて思いながら笑顔全開で「お願いします」って言ってみました。

「あ、ああ」とほんのり頬を染めて慌ててベールを後ろに下ろし、私の首の後ろに手を入れて、反対の手で腰を引き寄せ、誓いどころか、がっつりチュウしてきやがった!

「ん、んん、」離そうにも離れない、長いし苦しいんだけど、とたまらず口が僅かに開いたところにヌルリと口の中に、、、入ってきた。(ちょっと、待って、何してくれてるの?これは何?)胸の中心が熱い?あ、何かが、渦巻いてる、魂の、、、、。

「ん、っああ」
私の思考が記憶が錯綜し息も絶え絶え、クタリと脱力し意識が飛ぶ寸前に神官長が

「で、殿下、そのへんで、もう、終わりにしてください。花嫁様が、、、殿下」
神官長に止められ、やっと解放された私は当然自力で立てず、不本意ながら、姫抱っこですよ!

参加者も唖然ですよ!

大公殿下は式は終わったと私を抱っこのままズンズン歩き、神殿を後にして大公邸に帰ってしまった。

半分酸欠で朦朧としていた私は寝てしまっていたようだ。
気がついたら、巨大な天蓋付きフッカフカのベットの上でさらに大公殿下の膝に横抱きにされてギュウギュウ抱きしめられていた。(女嫌いじゃなかったか?誰だこの人?)
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