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3 国王の誤算
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_コンコン____
「入れ」
「お呼びと伺いましたが、要件は完結かつ手短にお願いします。」
普段は何を考えているのか表情から読み取ることができないポーカーフェイスのランバートは不機嫌露わに迷惑そうな顔でレインに言い放った。
「ランバート……お前は…知っていたのか?」
「はて?何をでしょうか?」
「とぼける気か!知っていたのだろう?彼女が…マリアンヌ王女が…私の番だということを!」
「いえ、知りませんでしたが、その可能性はあると思っていましたが、やはりそうだったんですね。」
王女が到着した日から落ち着きがなくなっていったレインの変化に、もしかして番の可能性があることにいち早く気がついたが万が一違った場合最悪こじれてしまうかもしれないとランバートは助言に留めた。
まさか、本当に番だったのかと驚いた。
「ふざけるな!番だぞ!番、唯一無二の相手だぞ。それなのに…あんな誓約者にサインさせやがって!番なのに妻なのに…初夜なのに…触れることも番だと伝えることもこの溢れる思いを伝えることもできないんだぞ!」
まるで子供のようにわめき散らすレインをランバートは冷ややかな視線を送りながら正直『自業自得だろ!』と言いたい気持ちを抑えた。
「ああ、あれですか、番が現れたら即離縁ってやつですね、そもそも王女がこの国に来た日に出迎えもせず、えーとなんでしたけ?番以外は愛することないからお前はただのお飾りだから公務以外は自分の前に顔出すな的な、仮にも友好のために嫁ぐことになった王女に対してあんな外道な手紙渡して、結婚式まで一度も会うことなくほっといたのは誰ですか?王女は獣人と違い番という概念がないんですよ、あんなに酷い扱いする男を好きになると思いますか?私ならゴメンですね。」
「……いや、それは…」
「王女だって好きで嫁いできたわけじゃないんですよ、いくら政略とはいえ妻として迎えると決めた以上は王族として大切にして然るべきお方ではないのですか?…あんなにお綺麗なんですから母国でも他国からも結婚の申し込みが殺到していたと聞いてますよ。それなのにこんな男に嫁がされて、お可哀想に。まぁ、何もしなくても2年後に王女は自由になれるのですから、あの美貌で白い結婚ですからすぐにでもお相手が見つかるでしょうけど」
「……それは…いやだ、他の男に渡すなんて…彼女を手放すなんて…私の番だぞ!」
「陛下、私は何度も王女とお話しされた方がいいですよと進言しましたよ、見目麗しく人柄もよく優秀な魔道士ですから、恋愛抜きでもよき王妃として国民に愛される存在になれる方ですと進言したはずですが?……それに誓約書にサインする前にもお会いした方がいいと言いましたよ。
おそらく会っていれば陛下なら気がついたと思いますよ、いくら王女が番認識阻害魔道具をつけていたとしてもね。」
「番認識阻害だと、そんなものつけていたなんて……知らなかったんだ…、」
「いやいや、陛下ちょっと考えたらわかるでしょうが?
獣人の国にそれも政略とはいえ嫁ぐんですから、もし陛下の臣下が王女の番として現れる可能性だってあるんですよ、そんなトラブルを防ぐためにつけていたのでしょう。私もまさか指輪だったとは思いませんでしたが、……以前見たのはピアスでしたし、王女も似たようなピアスしてましたから、…ああ、陛下もうよろしいですか?
私にはこれから愛しい番のメイとの蜜月が待ってるんですよ」
「蜜月?番?……メイ?メイとは?」
「マリアンヌ王女の侍女ですよ、彼女が私の番だったんですよ。ですから、今日から私の住まいは離宮になりますので離宮から登城しますので、それと今日から私は番休暇に入りますので2週間ほど休みになります、では失礼します。」
「は?休暇?聞いてないぞ!…おい!…ランバー……」
無常にもレインの執務室にバタンとドアの閉まる音が響いた…。
「やっと出会えた番に……俺は…どうすれば…いいんだ…」
新婚初夜なのに巡り会えた番が偶然にも妻となり幸せと喜びに満ち溢れ本来ならランバートのように番との蜜月に入るはずが、……レインの寝室で彼を待つ愛しい番の妻はいない、広いベットで1人眠れぬ夜を過ごしていた。
「入れ」
「お呼びと伺いましたが、要件は完結かつ手短にお願いします。」
普段は何を考えているのか表情から読み取ることができないポーカーフェイスのランバートは不機嫌露わに迷惑そうな顔でレインに言い放った。
「ランバート……お前は…知っていたのか?」
「はて?何をでしょうか?」
「とぼける気か!知っていたのだろう?彼女が…マリアンヌ王女が…私の番だということを!」
「いえ、知りませんでしたが、その可能性はあると思っていましたが、やはりそうだったんですね。」
王女が到着した日から落ち着きがなくなっていったレインの変化に、もしかして番の可能性があることにいち早く気がついたが万が一違った場合最悪こじれてしまうかもしれないとランバートは助言に留めた。
まさか、本当に番だったのかと驚いた。
「ふざけるな!番だぞ!番、唯一無二の相手だぞ。それなのに…あんな誓約者にサインさせやがって!番なのに妻なのに…初夜なのに…触れることも番だと伝えることもこの溢れる思いを伝えることもできないんだぞ!」
まるで子供のようにわめき散らすレインをランバートは冷ややかな視線を送りながら正直『自業自得だろ!』と言いたい気持ちを抑えた。
「ああ、あれですか、番が現れたら即離縁ってやつですね、そもそも王女がこの国に来た日に出迎えもせず、えーとなんでしたけ?番以外は愛することないからお前はただのお飾りだから公務以外は自分の前に顔出すな的な、仮にも友好のために嫁ぐことになった王女に対してあんな外道な手紙渡して、結婚式まで一度も会うことなくほっといたのは誰ですか?王女は獣人と違い番という概念がないんですよ、あんなに酷い扱いする男を好きになると思いますか?私ならゴメンですね。」
「……いや、それは…」
「王女だって好きで嫁いできたわけじゃないんですよ、いくら政略とはいえ妻として迎えると決めた以上は王族として大切にして然るべきお方ではないのですか?…あんなにお綺麗なんですから母国でも他国からも結婚の申し込みが殺到していたと聞いてますよ。それなのにこんな男に嫁がされて、お可哀想に。まぁ、何もしなくても2年後に王女は自由になれるのですから、あの美貌で白い結婚ですからすぐにでもお相手が見つかるでしょうけど」
「……それは…いやだ、他の男に渡すなんて…彼女を手放すなんて…私の番だぞ!」
「陛下、私は何度も王女とお話しされた方がいいですよと進言しましたよ、見目麗しく人柄もよく優秀な魔道士ですから、恋愛抜きでもよき王妃として国民に愛される存在になれる方ですと進言したはずですが?……それに誓約書にサインする前にもお会いした方がいいと言いましたよ。
おそらく会っていれば陛下なら気がついたと思いますよ、いくら王女が番認識阻害魔道具をつけていたとしてもね。」
「番認識阻害だと、そんなものつけていたなんて……知らなかったんだ…、」
「いやいや、陛下ちょっと考えたらわかるでしょうが?
獣人の国にそれも政略とはいえ嫁ぐんですから、もし陛下の臣下が王女の番として現れる可能性だってあるんですよ、そんなトラブルを防ぐためにつけていたのでしょう。私もまさか指輪だったとは思いませんでしたが、……以前見たのはピアスでしたし、王女も似たようなピアスしてましたから、…ああ、陛下もうよろしいですか?
私にはこれから愛しい番のメイとの蜜月が待ってるんですよ」
「蜜月?番?……メイ?メイとは?」
「マリアンヌ王女の侍女ですよ、彼女が私の番だったんですよ。ですから、今日から私の住まいは離宮になりますので離宮から登城しますので、それと今日から私は番休暇に入りますので2週間ほど休みになります、では失礼します。」
「は?休暇?聞いてないぞ!…おい!…ランバー……」
無常にもレインの執務室にバタンとドアの閉まる音が響いた…。
「やっと出会えた番に……俺は…どうすれば…いいんだ…」
新婚初夜なのに巡り会えた番が偶然にも妻となり幸せと喜びに満ち溢れ本来ならランバートのように番との蜜月に入るはずが、……レインの寝室で彼を待つ愛しい番の妻はいない、広いベットで1人眠れぬ夜を過ごしていた。
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