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25 チートな兄フラン
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「さぁ、2人ともここに向かい合わせに立って、番認識阻害の魔道具外してくれるかな~」
「「は?」え?」」
レインは魔道具を外せと言われ慌てた、そりゃそうだ、この対面でマリアンヌとも最後となるこの時に…魔道具をつけた状態でさえもこんなに愛しいと思ってしまっているのに、…
レイン以外にもランバートとギスランもフランの行動が理解できず困惑していた。
(こんなに目の前でマリアンヌと対面してしかも魔道具を外して…俺は…番衝動を…抑えなくてはいけないのか?…押さえられるのか?憂いをなくすどころか…憂いがますます残るじゃないか!どんな罰より辛いじゃないか!)
ここにいるアリス以外の誰もがフランの行動に驚きランバートはフランを止めようと前に出た。
「フラン殿下!いくらなんでもそれは無謀です!いくらなんでも陛下が不憫です。お辞めください」
「大丈夫だよ、私を信じてくれないか?悪いようにはしない、むしろこれはレイン陛下のためなんだよ。」
自信満々に言い放つフランにマリアンヌがランバートを下がらせ
「お兄様、私はお兄様を信じます。陛下、大丈夫です、お兄様には何か考えがあるのでしょう信じて外しましょう」
マリアンヌは指輪を外した。それを見てレインも渋々ピアスを外した。
「うう、……」
番衝動のないマリアンヌは通常通りだが…レインは必死に感情を抑えていた。
「ふーん、これが番の……想像より……でも…いけそうだな…」
独り言のようにブツブツと呟きながらフランはマリアンヌの左手首とレインの左手首を掴み魔力を流すと“パリン“とガラスが割れるような音が部屋に響いた。それと同時にレインは胸に鋭い痛みを覚え堪らずうめき声を上げた。
「ぐっ!うう、、」
一瞬苦悶の表情を浮かべたレインだったが、その後すぐ呆気に取られた顔になった。
「どう?レイン陛下!楽になっただろ?まぁ、それでも通常の恋心まで消えるわけではないけど…だいぶ楽だと思うよ、失恋は時間と新しい恋が解決してくれるから問題ないだろ?これで、名実共に本当の縁切りだ!」
「「「…………、」」」
「えーっとお兄様?私にはよく違いがわかりませんが…何か変わったのですか?」
「ああ、完全に番の縁を断ち切った。これでマリアンヌは陛下の番ではないんだよ。陛下はこれから番にこだわる事なく結婚できるようになったって事だよ。凄いだろ?…レイン陛下どうだい?どんな感じかな?」
子供のように興奮気味に感想を聞いてくるフランに若干引き気味になるレイン
「え?、ああ、どう表現していいのかわからない、確かに違うが…さっきまでの狂おしい感じが無くなったな。楽といえば気持ちが軽く楽になったような気もするが…魔道具をつけていた時と似たような感情だ。やはりマリアンヌに対する想いは番というだけでなかったという事がわかったて…複雑だな……失恋か…」
「そう?いや~よかった、理論上は可能だと思っていたんだけどさぁ~実践するのは今回が初めてだからさぁ~ぶっつけ本番だったけどうまくいってよかったよ~」
「「「「………、」」」」
ここにいるアリス以外の4人は自信満々に信じろと言っていたフランに少し不安を覚えたのはいうまでもない。
この4人の心配をよそにフランはランバートに声をかけた。
「ねえ、ランバート、薄々気が付いていると思うけどマリアンヌが国に帰るということはメイも帰るって事だけどわかってるよね!どうする?君も番の縁切っとく?どうする?」
突然自分に話を振られたランバートはピシリと固まった。
確かに予想はしていたが、メイとはうまくいっていたと自負していた、愛を伝え答えてくれていたはずとあえてメイにマリアンヌが離縁したらという仮定の話は避けていた。
「え、あの、マリアンヌ様と一緒に帰る?メイがそう言ったんですか?メイは、メイはなんと言っていましたか?」
「メイはマリアンヌと共にダイヤ王国に帰り今までと同様にマリアンヌに仕えたいと言っているが…そうなるとたとえメイが君の番と言えどここに置いていく訳にはいかないからね!君はこの国の宰相だろ?ギスランのようにはいかないだろ?
だから、君が望めば番の縁を切ろうかと思ってさ!」
軽い口調で簡単にチョキチョキと指で鋏で紙でも切るような仕草で戯けて“切っちゃうよ~“なんて言っているが番と認識し思いが通じている獣人にはかなりエグい発言である!
「え?ちょっと待ってください!私たちは陛下と違ってうまくいってるんです。メイと縁を切るなんてできる訳がない!できませせん!お願いします。陛下と違い私はメイを大切に思っています……あ、愛しているんです。フラン殿下メイを私から奪わないでください!」
レインはランバートの随分と辛辣な物言いに突っ込みたい気持ちを抑え、自分のせいでランバートまで番と離されるわけにはいかないとレインもフランになんとかして欲しいと頼んだ。
「うーんそうだな~ランバート、君はメイのためなら命かけられる?」
「もちろんです。」
「なら、その命をかけた誓約魔法を結んでもらうが、できるかい?」
「できます。」
即答で答えたランバートを見てほんの一瞬だがフランの口角が上がったのに気が付いたマリアンヌ
(お兄様、…まるで魔王ね…あのほんの一瞬の表情の変化に気がついたのはアリスお義姉様だけだわ…引き離すつもりなんて元々ないのにわざと誓約魔法を結ぶように誘導している…腹黒もここまでくるといっそ清々しいわね!)
「わお!内容も聞かず即答?ふふ、いいねぇ、そういう人好きだなぁ、気に入ったよ!じゃぁ遠慮なく結んでもらおうかな」
そう言ってランバートが結んだ誓約はゲートとピアス型の通信魔道具の使用許可制限と今後フランから与えられた特殊な魔導具の情報と他者の使用を禁止するという事だった。
つまりランバートはメイと結婚してメイの元で一緒に暮らしダイヤ王国からゲートで通勤する、緊急時はレインから通信魔導具で呼び出してもらうことにした。
要するに一蓮托生で必然的にレインにも誓約魔法を結んでもらわなければいけなくなった。
秘密を漏らせばというよりそれに関することは自分の意思に関係なく一切話せない制約のため漏れることは100%ない!つまり漏洩により命を落とす事がないという事だが、この時のランバートとレインは気が付いていなかった。
なんせ何事もチートなフランは気に入った者には甘いのだ!
「「は?」え?」」
レインは魔道具を外せと言われ慌てた、そりゃそうだ、この対面でマリアンヌとも最後となるこの時に…魔道具をつけた状態でさえもこんなに愛しいと思ってしまっているのに、…
レイン以外にもランバートとギスランもフランの行動が理解できず困惑していた。
(こんなに目の前でマリアンヌと対面してしかも魔道具を外して…俺は…番衝動を…抑えなくてはいけないのか?…押さえられるのか?憂いをなくすどころか…憂いがますます残るじゃないか!どんな罰より辛いじゃないか!)
ここにいるアリス以外の誰もがフランの行動に驚きランバートはフランを止めようと前に出た。
「フラン殿下!いくらなんでもそれは無謀です!いくらなんでも陛下が不憫です。お辞めください」
「大丈夫だよ、私を信じてくれないか?悪いようにはしない、むしろこれはレイン陛下のためなんだよ。」
自信満々に言い放つフランにマリアンヌがランバートを下がらせ
「お兄様、私はお兄様を信じます。陛下、大丈夫です、お兄様には何か考えがあるのでしょう信じて外しましょう」
マリアンヌは指輪を外した。それを見てレインも渋々ピアスを外した。
「うう、……」
番衝動のないマリアンヌは通常通りだが…レインは必死に感情を抑えていた。
「ふーん、これが番の……想像より……でも…いけそうだな…」
独り言のようにブツブツと呟きながらフランはマリアンヌの左手首とレインの左手首を掴み魔力を流すと“パリン“とガラスが割れるような音が部屋に響いた。それと同時にレインは胸に鋭い痛みを覚え堪らずうめき声を上げた。
「ぐっ!うう、、」
一瞬苦悶の表情を浮かべたレインだったが、その後すぐ呆気に取られた顔になった。
「どう?レイン陛下!楽になっただろ?まぁ、それでも通常の恋心まで消えるわけではないけど…だいぶ楽だと思うよ、失恋は時間と新しい恋が解決してくれるから問題ないだろ?これで、名実共に本当の縁切りだ!」
「「「…………、」」」
「えーっとお兄様?私にはよく違いがわかりませんが…何か変わったのですか?」
「ああ、完全に番の縁を断ち切った。これでマリアンヌは陛下の番ではないんだよ。陛下はこれから番にこだわる事なく結婚できるようになったって事だよ。凄いだろ?…レイン陛下どうだい?どんな感じかな?」
子供のように興奮気味に感想を聞いてくるフランに若干引き気味になるレイン
「え?、ああ、どう表現していいのかわからない、確かに違うが…さっきまでの狂おしい感じが無くなったな。楽といえば気持ちが軽く楽になったような気もするが…魔道具をつけていた時と似たような感情だ。やはりマリアンヌに対する想いは番というだけでなかったという事がわかったて…複雑だな……失恋か…」
「そう?いや~よかった、理論上は可能だと思っていたんだけどさぁ~実践するのは今回が初めてだからさぁ~ぶっつけ本番だったけどうまくいってよかったよ~」
「「「「………、」」」」
ここにいるアリス以外の4人は自信満々に信じろと言っていたフランに少し不安を覚えたのはいうまでもない。
この4人の心配をよそにフランはランバートに声をかけた。
「ねえ、ランバート、薄々気が付いていると思うけどマリアンヌが国に帰るということはメイも帰るって事だけどわかってるよね!どうする?君も番の縁切っとく?どうする?」
突然自分に話を振られたランバートはピシリと固まった。
確かに予想はしていたが、メイとはうまくいっていたと自負していた、愛を伝え答えてくれていたはずとあえてメイにマリアンヌが離縁したらという仮定の話は避けていた。
「え、あの、マリアンヌ様と一緒に帰る?メイがそう言ったんですか?メイは、メイはなんと言っていましたか?」
「メイはマリアンヌと共にダイヤ王国に帰り今までと同様にマリアンヌに仕えたいと言っているが…そうなるとたとえメイが君の番と言えどここに置いていく訳にはいかないからね!君はこの国の宰相だろ?ギスランのようにはいかないだろ?
だから、君が望めば番の縁を切ろうかと思ってさ!」
軽い口調で簡単にチョキチョキと指で鋏で紙でも切るような仕草で戯けて“切っちゃうよ~“なんて言っているが番と認識し思いが通じている獣人にはかなりエグい発言である!
「え?ちょっと待ってください!私たちは陛下と違ってうまくいってるんです。メイと縁を切るなんてできる訳がない!できませせん!お願いします。陛下と違い私はメイを大切に思っています……あ、愛しているんです。フラン殿下メイを私から奪わないでください!」
レインはランバートの随分と辛辣な物言いに突っ込みたい気持ちを抑え、自分のせいでランバートまで番と離されるわけにはいかないとレインもフランになんとかして欲しいと頼んだ。
「うーんそうだな~ランバート、君はメイのためなら命かけられる?」
「もちろんです。」
「なら、その命をかけた誓約魔法を結んでもらうが、できるかい?」
「できます。」
即答で答えたランバートを見てほんの一瞬だがフランの口角が上がったのに気が付いたマリアンヌ
(お兄様、…まるで魔王ね…あのほんの一瞬の表情の変化に気がついたのはアリスお義姉様だけだわ…引き離すつもりなんて元々ないのにわざと誓約魔法を結ぶように誘導している…腹黒もここまでくるといっそ清々しいわね!)
「わお!内容も聞かず即答?ふふ、いいねぇ、そういう人好きだなぁ、気に入ったよ!じゃぁ遠慮なく結んでもらおうかな」
そう言ってランバートが結んだ誓約はゲートとピアス型の通信魔道具の使用許可制限と今後フランから与えられた特殊な魔導具の情報と他者の使用を禁止するという事だった。
つまりランバートはメイと結婚してメイの元で一緒に暮らしダイヤ王国からゲートで通勤する、緊急時はレインから通信魔導具で呼び出してもらうことにした。
要するに一蓮托生で必然的にレインにも誓約魔法を結んでもらわなければいけなくなった。
秘密を漏らせばというよりそれに関することは自分の意思に関係なく一切話せない制約のため漏れることは100%ない!つまり漏洩により命を落とす事がないという事だが、この時のランバートとレインは気が付いていなかった。
なんせ何事もチートなフランは気に入った者には甘いのだ!
応援ありがとうございます!
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