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8 クラウスの焦燥
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歌姫の公演での失敗から、もう1年 あれから、何一つ進展してなかった。相変わらず私達は雇用主従関係のままだ、あの日以来、完全に邸内では食事や朝の見送り以外は別行動、まさに他人、書類上だけの夫婦になり、唯一側にいることができる夫婦の部屋と寝室ともに事情を知ったアンナに別室にさせられていた。
あの日の公演での失態の翌日、色々と事情を知ったアンナに、
「レティア様と夫婦でも恋人ですらないのですから、無垢なレティア様と同衾なんてさせられません。それに、女性に大変おモテの旦那様と同室なんて多くの旦那様の蝶達に悪いですからね」
と、手痛い言葉に
「私は、結婚してからは潔白だ!一度もない!」
唯一のレティとの空間だけは死守したくて潔白を訴えたが、アンナに
「旦那様、失礼を承知で意見させていただきます。理由はそれだけではございません。旦那様はいくら本人が承諾したとは言え、僅か、17歳の両親をなくし兄妹でなんとか、家を守ろうと頑張っていたレティア様の今後の人生を潰す行いをなさったんですよ。レティア様程の美しく素敵な女性なら高位貴族や他国の王族からも数多く求婚があった事でしょうし、心から、愛し愛される方とのご縁もあったでしょう、それを、弱みに漬け込むように女性として花開くチャンスを潰していた事に気づいていらっしゃらないんですか?」
「………いや、…あの時は、…」
返す言葉が見つからない…
「2年経ったらどうされるおつもりだったんですか?19歳になったレティア様に契約更新して21歳まで女性としての幸せを愛する方との出会いの機会をクラウス様の私欲の為に犠牲にしろと? たくさんの女達と楽しみたいから? 1人に縛られたくないから? その後は? 離婚してご自分は何処ぞの姫と結婚を? 簡単に白い結婚と仰いますが白い結婚で離婚した女性がどういう扱いを受けるかご存知ですか?」
「………いや、」
結婚が無かったことになるだけではないのか?多少の醜聞になると聞いているが、経歴には問題ないから、次の結婚も問題ないと思っていたが、違うのか?
「表向きは婚姻無効で書類上だけは傷なしですが、旦那に女として相手にされない魅力もない女、抱く気にもならないから捨てられたなどと中傷され結局はすけべジジイの後妻か修道院行きが殆どなんですよ。」
……そんなこと、……ないとは言えないか、知らなかったでは済まされない。あの時は自分の事しか考えていなかった。
そう言われ何も返す言葉もなくレティアとは別室となり以前にまして、社交以外で接することがなくなった。
次第に、アンナどころか、屋敷中の者に密かに知れているようだ。皆がレティを俺から守るように接している。
自業自得だが、恐らく雇用期間2年で無事に白い結婚で離婚成立させるためだろう。
レティは屋敷の者達にあっという間に慕われ、今では俺よりレティ優先 ある意味本物の妻ではないが本物の女主人だ。
確かに俺は今まで女に不誠実だったことは認めるが、結婚後は一切女遊びはしていない。
もう1年女性の肌にすら触れていない。
レティに出会ってから、一才他の女に興味が無くなった。勿論欲は溜まるがこれ以上嫌われたくないので間違ってもレティに無体など働く訳がない!だが、こっち関係は皆に信用がないようだ。
どうしても諦めたくないし手放すことはできない。めげずに休みに誘っても未だに恋人か、遊ぶ女がいると思ってるようで軽く断られる始末、なすすべなく時間だけが過ぎていく。
唯一側にいられるのは夫婦同伴としての社交場のみ、その時は完璧な仲睦まじい夫婦でいてくれるがそこには他人にはわからないだろうが、一才の恋愛感情はない。美しくスタイルも良く優しい、社会情勢にも精通し語学も堪能、高貴なのにそれに奢ることなく気さくで今や社交の花となり僅か18歳なのにあれほど聡明で素晴らしい女性と結婚できて羨ましいと何人に言われたことか。
2人の子もさぞかし可愛く聡明な子が授かるのだろう楽しみですねなどと言われズキリと胸が痛む。
キスひとつした事ないのに身ごもるわけあるか!
このまま進展しないまま2年経ち離婚になってティアが他の誰かのものになったら、俺ではない誰かがレティに触れる、そんな事俺はきっと耐えられない。
初めて恋に落ちた。
初めて愛した。
愛しい人の夫役として手を繋ぐ、頭にキスを落とす腰を抱いて歩くのが精一杯で頬にキスすらできない。愛を囁くこともできない。こんなに苦しいなんて。
後1年なんとかしたいと思ってた矢先にとうとう現れてしまった。
“ラグラン皇国皇帝陛下“
明らかにレティが目的で夜会に急遽参加したんだろう。恐らく俺のことも調べているはずだ。契約の事だけは知られたくないが、白い結婚が知られるのは時間の問題だ。すでに一年経ってるから、問答無用で離婚が成立してしまう。
レティア=グランハムになった事ごとなかったことになってしまう。
自業自得だがこんな事になるなんて。
もう、なりふり構っていられないレティアほんの少しでもいい、俺を見てくれ!
あの日の公演での失態の翌日、色々と事情を知ったアンナに、
「レティア様と夫婦でも恋人ですらないのですから、無垢なレティア様と同衾なんてさせられません。それに、女性に大変おモテの旦那様と同室なんて多くの旦那様の蝶達に悪いですからね」
と、手痛い言葉に
「私は、結婚してからは潔白だ!一度もない!」
唯一のレティとの空間だけは死守したくて潔白を訴えたが、アンナに
「旦那様、失礼を承知で意見させていただきます。理由はそれだけではございません。旦那様はいくら本人が承諾したとは言え、僅か、17歳の両親をなくし兄妹でなんとか、家を守ろうと頑張っていたレティア様の今後の人生を潰す行いをなさったんですよ。レティア様程の美しく素敵な女性なら高位貴族や他国の王族からも数多く求婚があった事でしょうし、心から、愛し愛される方とのご縁もあったでしょう、それを、弱みに漬け込むように女性として花開くチャンスを潰していた事に気づいていらっしゃらないんですか?」
「………いや、…あの時は、…」
返す言葉が見つからない…
「2年経ったらどうされるおつもりだったんですか?19歳になったレティア様に契約更新して21歳まで女性としての幸せを愛する方との出会いの機会をクラウス様の私欲の為に犠牲にしろと? たくさんの女達と楽しみたいから? 1人に縛られたくないから? その後は? 離婚してご自分は何処ぞの姫と結婚を? 簡単に白い結婚と仰いますが白い結婚で離婚した女性がどういう扱いを受けるかご存知ですか?」
「………いや、」
結婚が無かったことになるだけではないのか?多少の醜聞になると聞いているが、経歴には問題ないから、次の結婚も問題ないと思っていたが、違うのか?
「表向きは婚姻無効で書類上だけは傷なしですが、旦那に女として相手にされない魅力もない女、抱く気にもならないから捨てられたなどと中傷され結局はすけべジジイの後妻か修道院行きが殆どなんですよ。」
……そんなこと、……ないとは言えないか、知らなかったでは済まされない。あの時は自分の事しか考えていなかった。
そう言われ何も返す言葉もなくレティアとは別室となり以前にまして、社交以外で接することがなくなった。
次第に、アンナどころか、屋敷中の者に密かに知れているようだ。皆がレティを俺から守るように接している。
自業自得だが、恐らく雇用期間2年で無事に白い結婚で離婚成立させるためだろう。
レティは屋敷の者達にあっという間に慕われ、今では俺よりレティ優先 ある意味本物の妻ではないが本物の女主人だ。
確かに俺は今まで女に不誠実だったことは認めるが、結婚後は一切女遊びはしていない。
もう1年女性の肌にすら触れていない。
レティに出会ってから、一才他の女に興味が無くなった。勿論欲は溜まるがこれ以上嫌われたくないので間違ってもレティに無体など働く訳がない!だが、こっち関係は皆に信用がないようだ。
どうしても諦めたくないし手放すことはできない。めげずに休みに誘っても未だに恋人か、遊ぶ女がいると思ってるようで軽く断られる始末、なすすべなく時間だけが過ぎていく。
唯一側にいられるのは夫婦同伴としての社交場のみ、その時は完璧な仲睦まじい夫婦でいてくれるがそこには他人にはわからないだろうが、一才の恋愛感情はない。美しくスタイルも良く優しい、社会情勢にも精通し語学も堪能、高貴なのにそれに奢ることなく気さくで今や社交の花となり僅か18歳なのにあれほど聡明で素晴らしい女性と結婚できて羨ましいと何人に言われたことか。
2人の子もさぞかし可愛く聡明な子が授かるのだろう楽しみですねなどと言われズキリと胸が痛む。
キスひとつした事ないのに身ごもるわけあるか!
このまま進展しないまま2年経ち離婚になってティアが他の誰かのものになったら、俺ではない誰かがレティに触れる、そんな事俺はきっと耐えられない。
初めて恋に落ちた。
初めて愛した。
愛しい人の夫役として手を繋ぐ、頭にキスを落とす腰を抱いて歩くのが精一杯で頬にキスすらできない。愛を囁くこともできない。こんなに苦しいなんて。
後1年なんとかしたいと思ってた矢先にとうとう現れてしまった。
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明らかにレティが目的で夜会に急遽参加したんだろう。恐らく俺のことも調べているはずだ。契約の事だけは知られたくないが、白い結婚が知られるのは時間の問題だ。すでに一年経ってるから、問答無用で離婚が成立してしまう。
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もう、なりふり構っていられないレティアほんの少しでもいい、俺を見てくれ!
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