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14 心の蓋
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皇国で過ごす日々は穏やかに過ぎているようでいつの間にかお兄様が王国に帰国する日となった。
お兄様と伯父様は国王と連絡を取りながら、と着々と手続きを進めていた。
ほぼ準備が終わり後は婚姻無効の書類にクラウス様がサインをしてレンフルー国の神殿に提出と同時に私は正式に皇族となる。
私はサインした。これでクラウス様とは赤の他人となった。
必ず帰ると言った約束を守る事はできなくなった。
好きだと、自分と歩み寄って欲しい、“愛してる“と言われたのに、私は結局逃げた。
多くの人の祝福と優しさに嘘をつき欺いていた愚かな私は、クラウス様の愛に向き合う勇気が持てなくて、逃げた。
これでいい。クラウス様も一時的な気の迷いに違いない。寧ろ新たな出会いがたくさん出来て今度は愛のある結婚ができるはず。
だから、これでいい。偽物の妻は要らない。
きっと私のことなんか、すぐ忘れるはず。
ただ、最後に手紙を書くという約束だけは守りたいと思い、お兄様にクラウス様に手紙を必ず渡して欲しいとお願いした。
お互い打算的な結びつきだったが、私の希望の殆どを聞き入れてくれ、たくさん勉強させてくれ、自由に楽しく屋敷で過ごさせてくれて、伯爵家を守ってくれて、ありがとうと。
与えて貰うばかりで、何も返せなくてごめんなさいと。
世間知らずの私が社交もこなせるようになったのもクラウス様のお陰だから、ありがとうと。
必ず帰ると言った約束を守れなくてごめんなさいと。
私がクラウス様に送る最初で最後の手紙をお兄様に渡して部屋に戻った。
「レティア様、大丈夫ですか?」
「……アンナ、あなたは帰らなくて良かったの?私はもう公爵家の者ではないのに」
アンナは私にこのまま仕えてくれる為にここに残ってくれた。正直有難かった。私の立場が変わっても変わらぬ態度が不安を拭ってくれる。今までずっと側で支えてくれた姉のような存在だったから、、。
「ええ、勿論、私の主人はレティア様ですよ。先日、正式に公爵家は退職してレティア様の専属筆頭侍女ですよ!大出世なんですから、それに、こんな素晴らしい主人を手放すはずないじゃないですか~」
明るく笑いながら答えてくれたアンナに嬉しくて抱きついた。優しく背中を撫でてくれたそのてが暖かくて、しばらく抱きついていた。
なぜ、こんなに不安な気持ちになったのか、この頃の私は気づかずにいた。気づかないフリをしていたのかもしれない。
お兄様が王国に帰り私は皇国で何かを埋めるように毎日を忙しく過ごしていた。
伯母様の開くお茶会に参加したり、ルベル様とジン様に交互に皇内を案内してもらったり特にジン様は他国の情勢や歴史、語学にも精通していて、気さくな上に教え方もわかり易く話を聞いてるだけでとても勉強になり毎日のように書庫に通い一緒に勉強させてもらっていた。いつの間にか皇宮内で私の存在が周知されどこに行っても『皇女様』『姫様』と呼ばるようになっていた。
__そして__
お兄様がレンフルー国に帰り10日が経ち手続きが完了したと知らせが来た。
この日、皇国での移籍の手続きも完了し、私はレティア=グランハムから、レティア=ラグランとなり、名実ともにラグラン皇国の皇女となった。
2代に渡っての皇女の誕生は初めての事で吉事として喜ばれ、噂を聞いた主要各国からたくさんの祝いが届き、各国王族が続々と謁見を申し出てきたが、皇国内では正式に発表されたが、お披露目は8ヶ月後の20歳の誕生の祝いにする事になり後日招待状を送ると丁重にお断りし、お帰りいただいた。
代々皇族は恋愛結婚だということは周知のはずが、毎日のように婚約の申し込みが殺到した。
当然、中身も見ず伯父が処分しているのは言うまでもない。
慌ただしい日々を過ごしながらも、徐々に皇国での生活にも慣れてきて誕生日を2ヶ月後に控えたある日伯母様に2人だけでお茶しましょうと呼ばれ、指定された薔薇が美しい東屋に向かった。
そこには既に伯母様が待っていた。
「お待たせしました。」
「レティちゃん、急に呼んでごめんなさいね、たまには女同士2人で内緒話でもどうかと思ってね。」
パチンとウインクした、相変わらずお茶目な方です。
「内緒話?ですか?」
「内緒というより恋バナ?がしたいと思ってね!どう?気になる男性は。いるかしら?ジンとは随分仲良くなったみたいだけど、ルベルは異性というより兄のような存在みたいだけど、」
「え、どうと聞かれましてもよくわからないとしか、…確かにルベル様は従兄弟なので私にとって兄のような存在で、異性とした意識したことないですし、ルベル様の方もそうかと、ジン様は……楽しくて素敵な方ですが恋愛的な意味で言われても……それこそお互いそういう対象に見てないと思うのですが……」
「レティちゃんて、聡いんだけど恋愛感情に関してはかなり鈍い?あの2人は最初から、好意丸出しでアピールしてたと思うけど?」
「好意は感じてましたけど、ルベル様は身内だからかと、ジン様は皇国でのホスト役ですって初対面で挨拶されましたから、私のお世話役だからでは?…特に恋愛的な意味で好きと言われてませんし、そいう対象に見るのは失礼かと…」
「………、あの2人に同情するわね……ここまで鈍いと、それともあえて見ないようにしてる?レティちゃん、あなたもしかしてあの公爵が好きなの?」
クラウス様、の名前を聞いてドキリとした。
「ク、クラウス様ですか?い、いえ…私は…」
思わず言葉に詰まった…
「ふーん、じゃあ質問を変えるわね、ちょっと目を閉じて想像して、ルベルに抱きしめられたら?どんな気分?」
ルベル様は、以前に抱きしめてくれた。
「ルベル様は…暖かいホッとします。」
「そう、じゃあ、ジンは?」
ジン様は、
「……特には…あえていうなら…安心かな?」
「では、公爵なら?」
クラウス様…なんだろうこの感覚言葉にするのが難しい。
「…む、胸がギュッとなる?」
「ふふふふ、そう、なのね、じゃあ、ルベルとジンが女の人とキスしている所をみてしまったら?どんな感じか想像して?」
キス、キス、みてしまったら?
「恥ずかしいかも」
「公爵なら?レティちゃん以外の女の人を抱きしめキスしていたら?」
他の人?別に今までたくさんの人としていたらしいし、今していたって…同じ事、結婚してからは一度もないと言っていたけど今は独身だものきっとたくさんキスを……その先も……、
「レティちゃん、頬を触ってごらんなさい、それが答えよ…自分の気持ちに蓋をしてはいけないわ、」
言われて頬を、触ると濡れていた、…なんで?…私…泣いてるの?
「公爵が他の人に触れるのが嫌なんでしょ、それが何を意味するのかもうわかってるでしょ」
意味?
ずっとモヤモヤしていた、私の名前が変わった時からずっと、そうか、私は、…今更気づいても遅いのに、逃げたのは私。
「伯母様、なぜですか?私は気付きたくなかった。今更、気づいても遅いんです。それ以前に、私には、……お金のために愛のない結婚を平気でするような浅ましい女は愛される資格なんてないんです。…私は誰とも恋も結婚する気はありません。できません。そんな資格はないんです。」
感情的になりその場から、走り去ってしまった。
「レティちゃん、待ちなさい、待って」
伯母様の静止する声を聞こえないフリをして部屋まで戻り寝室に篭り泣いていた。
お兄様と伯父様は国王と連絡を取りながら、と着々と手続きを進めていた。
ほぼ準備が終わり後は婚姻無効の書類にクラウス様がサインをしてレンフルー国の神殿に提出と同時に私は正式に皇族となる。
私はサインした。これでクラウス様とは赤の他人となった。
必ず帰ると言った約束を守る事はできなくなった。
好きだと、自分と歩み寄って欲しい、“愛してる“と言われたのに、私は結局逃げた。
多くの人の祝福と優しさに嘘をつき欺いていた愚かな私は、クラウス様の愛に向き合う勇気が持てなくて、逃げた。
これでいい。クラウス様も一時的な気の迷いに違いない。寧ろ新たな出会いがたくさん出来て今度は愛のある結婚ができるはず。
だから、これでいい。偽物の妻は要らない。
きっと私のことなんか、すぐ忘れるはず。
ただ、最後に手紙を書くという約束だけは守りたいと思い、お兄様にクラウス様に手紙を必ず渡して欲しいとお願いした。
お互い打算的な結びつきだったが、私の希望の殆どを聞き入れてくれ、たくさん勉強させてくれ、自由に楽しく屋敷で過ごさせてくれて、伯爵家を守ってくれて、ありがとうと。
与えて貰うばかりで、何も返せなくてごめんなさいと。
世間知らずの私が社交もこなせるようになったのもクラウス様のお陰だから、ありがとうと。
必ず帰ると言った約束を守れなくてごめんなさいと。
私がクラウス様に送る最初で最後の手紙をお兄様に渡して部屋に戻った。
「レティア様、大丈夫ですか?」
「……アンナ、あなたは帰らなくて良かったの?私はもう公爵家の者ではないのに」
アンナは私にこのまま仕えてくれる為にここに残ってくれた。正直有難かった。私の立場が変わっても変わらぬ態度が不安を拭ってくれる。今までずっと側で支えてくれた姉のような存在だったから、、。
「ええ、勿論、私の主人はレティア様ですよ。先日、正式に公爵家は退職してレティア様の専属筆頭侍女ですよ!大出世なんですから、それに、こんな素晴らしい主人を手放すはずないじゃないですか~」
明るく笑いながら答えてくれたアンナに嬉しくて抱きついた。優しく背中を撫でてくれたそのてが暖かくて、しばらく抱きついていた。
なぜ、こんなに不安な気持ちになったのか、この頃の私は気づかずにいた。気づかないフリをしていたのかもしれない。
お兄様が王国に帰り私は皇国で何かを埋めるように毎日を忙しく過ごしていた。
伯母様の開くお茶会に参加したり、ルベル様とジン様に交互に皇内を案内してもらったり特にジン様は他国の情勢や歴史、語学にも精通していて、気さくな上に教え方もわかり易く話を聞いてるだけでとても勉強になり毎日のように書庫に通い一緒に勉強させてもらっていた。いつの間にか皇宮内で私の存在が周知されどこに行っても『皇女様』『姫様』と呼ばるようになっていた。
__そして__
お兄様がレンフルー国に帰り10日が経ち手続きが完了したと知らせが来た。
この日、皇国での移籍の手続きも完了し、私はレティア=グランハムから、レティア=ラグランとなり、名実ともにラグラン皇国の皇女となった。
2代に渡っての皇女の誕生は初めての事で吉事として喜ばれ、噂を聞いた主要各国からたくさんの祝いが届き、各国王族が続々と謁見を申し出てきたが、皇国内では正式に発表されたが、お披露目は8ヶ月後の20歳の誕生の祝いにする事になり後日招待状を送ると丁重にお断りし、お帰りいただいた。
代々皇族は恋愛結婚だということは周知のはずが、毎日のように婚約の申し込みが殺到した。
当然、中身も見ず伯父が処分しているのは言うまでもない。
慌ただしい日々を過ごしながらも、徐々に皇国での生活にも慣れてきて誕生日を2ヶ月後に控えたある日伯母様に2人だけでお茶しましょうと呼ばれ、指定された薔薇が美しい東屋に向かった。
そこには既に伯母様が待っていた。
「お待たせしました。」
「レティちゃん、急に呼んでごめんなさいね、たまには女同士2人で内緒話でもどうかと思ってね。」
パチンとウインクした、相変わらずお茶目な方です。
「内緒話?ですか?」
「内緒というより恋バナ?がしたいと思ってね!どう?気になる男性は。いるかしら?ジンとは随分仲良くなったみたいだけど、ルベルは異性というより兄のような存在みたいだけど、」
「え、どうと聞かれましてもよくわからないとしか、…確かにルベル様は従兄弟なので私にとって兄のような存在で、異性とした意識したことないですし、ルベル様の方もそうかと、ジン様は……楽しくて素敵な方ですが恋愛的な意味で言われても……それこそお互いそういう対象に見てないと思うのですが……」
「レティちゃんて、聡いんだけど恋愛感情に関してはかなり鈍い?あの2人は最初から、好意丸出しでアピールしてたと思うけど?」
「好意は感じてましたけど、ルベル様は身内だからかと、ジン様は皇国でのホスト役ですって初対面で挨拶されましたから、私のお世話役だからでは?…特に恋愛的な意味で好きと言われてませんし、そいう対象に見るのは失礼かと…」
「………、あの2人に同情するわね……ここまで鈍いと、それともあえて見ないようにしてる?レティちゃん、あなたもしかしてあの公爵が好きなの?」
クラウス様、の名前を聞いてドキリとした。
「ク、クラウス様ですか?い、いえ…私は…」
思わず言葉に詰まった…
「ふーん、じゃあ質問を変えるわね、ちょっと目を閉じて想像して、ルベルに抱きしめられたら?どんな気分?」
ルベル様は、以前に抱きしめてくれた。
「ルベル様は…暖かいホッとします。」
「そう、じゃあ、ジンは?」
ジン様は、
「……特には…あえていうなら…安心かな?」
「では、公爵なら?」
クラウス様…なんだろうこの感覚言葉にするのが難しい。
「…む、胸がギュッとなる?」
「ふふふふ、そう、なのね、じゃあ、ルベルとジンが女の人とキスしている所をみてしまったら?どんな感じか想像して?」
キス、キス、みてしまったら?
「恥ずかしいかも」
「公爵なら?レティちゃん以外の女の人を抱きしめキスしていたら?」
他の人?別に今までたくさんの人としていたらしいし、今していたって…同じ事、結婚してからは一度もないと言っていたけど今は独身だものきっとたくさんキスを……その先も……、
「レティちゃん、頬を触ってごらんなさい、それが答えよ…自分の気持ちに蓋をしてはいけないわ、」
言われて頬を、触ると濡れていた、…なんで?…私…泣いてるの?
「公爵が他の人に触れるのが嫌なんでしょ、それが何を意味するのかもうわかってるでしょ」
意味?
ずっとモヤモヤしていた、私の名前が変わった時からずっと、そうか、私は、…今更気づいても遅いのに、逃げたのは私。
「伯母様、なぜですか?私は気付きたくなかった。今更、気づいても遅いんです。それ以前に、私には、……お金のために愛のない結婚を平気でするような浅ましい女は愛される資格なんてないんです。…私は誰とも恋も結婚する気はありません。できません。そんな資格はないんです。」
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