新しいお仕事は期間限定妻になりました[本編完結]

キャロル

文字の大きさ
24 / 31

番外編 アンナ=ウェールズ

しおりを挟む
私はアンナ=ウェールズ貧乏子爵家の3女 

気が強く腕っぷしも強い私は結婚なんてする気は全くなく、ただ経済的に家に負担をかけたくなくて働きに出た。

グランハム家の侍女として雇われ真面目な(自身の評価)勤務態度が賈われ、当主クラウド様の結婚相手であるレティア様の専属侍女となり婚姻前からダントン伯爵家で仕えることになった。

当初、クラウス様から、地味な令嬢だが、結婚式までにはそれなりに見えるように仕上げておけと指示され、レティア様にお会いするまでは、仕事は優秀だがこんな浮名ばかり流している男のもとに嫁ぐなんて、オマケにこんな事言ってくる男に、なんて可哀想なんだと思っていたが、、。

一目見て、これを地味と言ってるクラウス様の目が腐ってるんじゃないかと思った。

この世の者とは思えないほどの美しさと聡明さに“女神様がいる“この方に仕えることができる喜びと幸せに打ちひしがれた。

案の定目が腐っていた主人クラウス様はすぐレティア様にゾッコンとなったが、見事に玉砕されていた。私はその頃正直“ザマアミロ“『お前なんかに女神様はやらん』と不敬にもそんな事を思っていた。

やはりと言うべきか、レティア様は離縁されたので私は公爵家ではなく皇女レティア様に直接仕えるようになりレティア様と一緒にラグラン皇国で穏やかな日々を過ごしていたのですが、、。

ある時から、頻繁にルベル皇太子に絡まれ…つきまと…兎に角よく声をかけられ、負けず嫌いの私の性格を煽り、いつの間にか語学や剣術指南まで受けていた。

時々、皇妃様に強制的にお茶に誘われ、ルベル様のトラウマ話を聞いて心が傷んだ。女性が苦手なのに私が平気ってことは男友達と同じ感覚ってことかな? ルベル様にとって初の女友達?なら友達として女性に対しての偏見を減らしてくれるように接しようと意気込んでいたら、丁度、部屋に呼ばれた。

ルベル様の部屋に通された………女性は身内以外は嫌悪の対象だったが、私に会って気持ちが変わったと言っていたので

「ルベル様、それはとてもいいことです。私も嬉しいです。」

「本当?アンナも喜んでくれるのか?私の気持ちがやっと伝わった!」

「ええ、喜ばしいことです。これで御令嬢と恋愛できますね」

「………そう、だね。…アンナ…私が思いを寄せた女性と結ばれることができると思うかい?」

ブルっ!なぜか冷気が……。

「……ええ、も、勿論です。ルベル様は女性に誠実で皇帝様と同じように一途になられると思いますし、こんなに素敵な方からの求愛を断るのはレティア様ぐらいじゃないですか?」

そういうと、ニヤリと口角を上げて驚きの豪速球が飛んできた。

「アンナ=ウェールズ、貴方を心から愛しています私の唯一の伴侶となって来れないか?」

「…!!…は、?は、い、?」

「よし!今、“はい“って言ったよね。言質はとったよ。ありがとう!生涯かけて愛すると誓うよ。」

「え?あ?はえ?あ、」

と混乱しまくっているうちに寝室に連れ込まれ、嫌だったら本気で殴り飛ばしていいと言われたが、嫌ではない、好感持ってたぐらいだが、何より突然すぎて頭が働かない。

そうこうしているうちに、気がついたら組み敷かれ、次の朝まで散々貪り尽くされ意識の無い間に全てのお膳は整いそれから僅か3ヶ月後には貧乏子爵令嬢から皇太子妃となっていた。

ここにきて初めて権力って凄い、黒が白になることを知った。


あれから、1年__

「アンナ、そろそろ中に入らないと体が冷えちゃうよ」

庭で花を見ていた私を後ろから抱きしめながらチュと頬にキスを落とし、大きくなったお腹を優しく撫でる。



生涯独身だと思っていた貧乏令嬢が女神様レティアとの出会いでこんな幸せを手にする事ができるなんて夢にも思わなかった。

私は心の中でそっと、一度離縁されたクラウス様にも感謝した、なんせ、クラウス様のあの失態のおかげで今があるんですからね!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました

小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」 二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。 第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。 それから二十年。 第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。 なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。 不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。 これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。 ※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。

メリザンドの幸福

下菊みこと
恋愛
ドアマット系ヒロインが避難先で甘やかされるだけ。 メリザンドはとある公爵家に嫁入りする。そのメリザンドのあまりの様子に、悪女だとの噂を聞いて警戒していた使用人たちは大慌てでパン粥を作って食べさせる。なんか聞いてたのと違うと思っていたら、当主でありメリザンドの旦那である公爵から事の次第を聞いてちゃんと保護しないとと庇護欲剥き出しになる使用人たち。 メリザンドは公爵家で幸せになれるのか? 小説家になろう様でも投稿しています。 蛇足かもしれませんが追加シナリオ投稿しました。よろしければお付き合いください。

【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。

櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。 夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。 ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。 あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ? 子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。 「わたくしが代表して修道院へ参ります!」 野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。 この娘、誰!? 王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。 主人公は猫を被っているだけでお転婆です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ

猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。 当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。 それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。 そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。 美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。 「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」 『・・・・オメエの嫁だよ』 執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?

逆ハーレムの構成員になった後最終的に選ばれなかった男と結婚したら、人生薔薇色になりました。

下菊みこと
恋愛
逆ハーレム構成員のその後に寄り添う女性のお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

処理中です...