初めての物語【B面】~First Story~

秋 夕紀

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第6章 初めてのためらい

3 強引な行為

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 しばらくして、藤森と梨沙が「ちょっと」と言って退室し、愛海と真斗が部屋に取り残された。真斗はベッドに、愛海はスツールに離れて座っていたが、
「ねえ、こっちにおいでよ。隣に座って。」真斗が愛海を促した。
「二人とも帰って来ないね。どこに行ったんだろう。」と言いながら、愛海は真斗の隣に座った。真斗は即座に彼女を引き寄せて唇を重ねてきた。愛海もそれに応えて、真斗の唇を軽く吸ってみた。真斗はさらに唇を割って、舌をからめてきた。眠りに就く瞬間のそれに似ていて、意識が次第に遠ざかるようだった。
 そこまでは公園で経験済みの事だったが、そのまま二人ともベッドに倒れこみ、真斗は上から愛海をのぞき込むようにしながらキスをし続けた。唇が離れた時、我に返った愛海は起き上がろうとしたが、真斗が上におおかぶさってきた。
~愛海~舌を絡めた時は頭がしびれて、ここが何処どこか分からなく
   なっていた。ホテルのベッドの上だ。このままだとまずい。

「いや!離して!」と自分を取り戻していた愛海は、彼を拒んでいた。それでも真斗は離れようとせず、左手を彼女の胸に置いてきた。そして、右手でセーラー服の前ボタンを外そうとしていた。愛海は抵抗したが、彼が体重を預けていたので身動きができなかった。さらに彼の手は進み続けた。前がはだけて下着が目の前に現れ、真斗は彼女の胸に顔を埋めた。そして、ブラジャーの下から手を差し込み、直接触ってきた。
~真斗~よしここまでは順調だ。愛海のおっぱいに触ってる。柔らかくて気持ちが
   いいな。俺の物が勃起ぼっきしてきて、きつい。

「だめ?誕生日プレゼントに、愛海がほしい。」真斗は大胆になっていた。さらに彼女のスカートをたくし上げ、下着の上から触ってきた。愛海は、
「やめて!まだ、気持ちが整理できないでいるから、今日はここまでにしよ。真斗のこと好きだから、嫌いにさせないで。だから、もう少し待って。」と真斗を説得した。真斗の動きはそこで止まり、渋々と彼女の上から身体を離した。

 30分くらいして、藤森と梨沙が帰って来た。梨沙が何食わぬ顔をして、
「愛海先輩、顔が赤いですよ。どうしたんですか?」
「おい真斗、ベッドが乱れているぞ。」からかうような二人に我慢できずに、
「私、帰るね。真斗はもう少し遊んでいれば…」と愛海は立ち上がった。
「じゃあ俺も。そこまで送って行くよ。」二人でホテルの玄関を出ると、雨は上がっていた。あまり会話もせず、二人は駅前で別れた。
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