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私のオアシスはクレマさんの腕の中
しおりを挟む目の前の三人がお礼やら行為を咎める言葉を言っているが正直耳に入ってこない。
なぜなら頭ごとクレマさんの腕の中だ、物理的に聞こえない。
人前だから腕を剥がそうと思ったけど、クレマさんの力の入りように強く心配してくれているのだと感じた。
私は腕をクレマさんの背中に回し背中をポンポンと一定のリズムで優しく撫でる様に叩く。
「僕は大丈夫だよ。何も起こらない保証はないし、ケガをしない約束もできない。でも、必ず毎日家に帰ってくる。僕クレマさんに育てられたんだよ?ちょっとやそっとじゃ簡単にやられないよ?」
「ナオ、お前の強さは俺が一番分かっている。でも、それでもナオには危険なことしてほしくない。ずっと家にいてほしいぐらいだ。でも、ナオがそれを望まないことが分かったから俺は騎士団に入ることを容認した。それに、ナオの人生だ。俺が気持ちを押し付けたらいけないことは分かっている。だから、今回も止める権利は俺にはない。だが、学園は俺の手が届かない所なんだ。加えて、危険は何も命だけじゃないんだ。」
確かに、何もない保証はないって言ったけど。学園行くだけでそんなに鬼気迫ること?
なんて考えているとクレマさんがボソッと「ナオは自覚が皆無だからな。」って言ってるし。
聞こえてますよー。さすがにこの顔が整い過ぎてる自覚はあるけど、今の私は男だから何とか出来ると思ってる。
若干拗ねたままのクレマさんはこの話を強引に終わらし、お茶会をお開きにしてしまった。
結局ジルとの話は、学園で出来るだけ一緒にいる様にして、一緒にいるときは護衛をするということに収まった。
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