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同時刻、生徒会室
しおりを挟む生徒会室には異様な空気が流れていた。転校生を迎えに行った我らが会長である稔の様子が変なのだ。見た目とは裏腹に、勤勉で真面目な稔が帰ってきてから心ここにあらずなのである。
原因は十中八九転校生だと検討はつく。しかし、何があったかまでは分からず役員は皆、聞くに聞けない状態であるが、勇者が1人…
「会長~、転校生どんな感じだった?」
ピンクの髪にくりくりの目をした勇者が。生徒会のムードメーカーであり書記を務めている村瀬瑠季、彼はあまりの会長の変わりように興味津々なのである。
「ッあ、あぁ、写真通りきりぇ…綺麗な顔だった。礼儀もあり、問題は起こさないだろう。」
シーーーン
役員は全員パニックである。なぜなら、全校集会などで前に立った時ですら噛むことのない会長が噛んだのである。加えて、会長は動揺からか噛んだことに気づいていない。
「稔、舌大丈夫ですか?」
会長の幼馴染兼副会長である四宮悠希は、心配で思わず問いかけた。彼の柔らかく、長い栗色の髪に同色のたれ目な瞳、そして誰にも分け隔てなく接する姿は、そうまさに女神!!って言うのは置いといて…
「舌……問題ない。」
役員は知らない。そう答えた、「……」の間に会長が何を考えていたのかを…
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