【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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「あ‶あ‶ぁぁぁぁぁ~~~~おわっだぁ~…」

きったない声でため息交じりの呟きをしているのはとても爽やかキャラには見えない尊。全教科のテストを終え、燃え尽きてる真っ最中だ。まぁ頑張ってたし、及第点だな。頑張ってた目的が目的だけど…

「お疲れ。お前の楽園とやらには行けそうか?」

「ありがとうございます。神様、仏様、栄人様ぁ。俺は無事成仏できそうです。」

最後まで燃え尽きてんじゃん!まぁ本人が満足そうでなにより。

「試験も終わったことだし、早速林間学校のことについて説明するぞ。」

テスト終わりのホームルームにて林間学校についての話をし始めた担任。



二泊三日でこの学園が所有する土地の山を登るらしい。一日目はキャンプ、二日目は登山にレクリエーション、キャンプファイヤー、三日目は宿泊した施設の掃除をした後帰るというざっくりとした説明だった。まぁ一般的と言えば一般的か。学園の所有する土地というところ以外は。さすがはお坊ちゃん学園、もとい王道学園。

因みに、この学園では三学年全員が参加することになっているのだから規模が違う。

動きたくない俺的にはちょっとばかり面倒なイベントではあるが、前に見た会長のクマがこのために出来たのだと思うと目一杯楽しまないとと思う。

「言い忘れていたが、今回の試験で赤点だった者に監査の資格はないとされるからなぁ。じゃあ解散~」

担任は最後に爆弾を落としてからさっさと教室を出てしまう。なんてこった、聞いていたより可哀想じゃんか。行くことすらできないなんて…まぁ自業自得か。

「うん、俺栄人のそういうドライなところ結構好きだよ。」

「栄人く――――ん!!!やっと会えた!久しぶりの栄人君の匂い…」

いつもながらにいきなり突進からのハグをするのは、ちょっとやつれた様子の瑠季、その隣には同じく疲れた様子の宗也。

「二人ともお疲れ様。大変そうだな、生徒会。」

「あぁ、この時期はいつもこうらしい。覚悟はしていたが想像以上だ。」

しみじみと話す宗也が多弁なのもそれほど大変だったということだろう。

「僕頑張ったんだ。栄人君に会えなくても終わったら会えると思って耐えたんだよ!」

そう熱弁する瑠季の瞳には何かすがるような…ご褒美ちょうだい?的な魂胆が見える。可愛いからよし!
未だにアピールするために動いている口の中にイチゴみるくを放り入れる。

「林間学校のしおりも作ってね、先生たちとスケジュール考えて、それから文化祭のっムグ…美味しい…」

「頑張った子にご褒美ってね。」

ちょっとギザな感じにウインクなんかしながらそう言うと、瑠季の顔がボッと赤くなる。それはもう心配になるぐらい。

「あ、ありがとう。」

それだけ言うと瑠季はふらぁ~っとどこかに行ってしまった。

「?大丈夫かな??」



周りにお前のせいだと思われていることに気づかず、変わった様子の瑠季を心配する俺だった。




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