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第9話
アナベル父:『くそっ!先手を打たれた!』
アナベル母:『まさか、お茶会の招待状が届いた令嬢の婚約はお茶会が終わるまで認められないなんて…』
アナベル父:『王家め!こんなのは横暴だ!』
アナベル母:『…仕方ありません。アナベルを出席させましょう。あの娘はああ見えて聡い子です。言い聞かせれば…』
アナベル父:『そうだな。ああ見えて、マナーは完璧だ。後は゛喋るな、触るな、壊すな”と、言っておこう…』
こうして、アナベルは王家主催のお茶会。別名『ルシウス王太子殿下の婚約者選定大会』へ参加する事になるのだった。
両親から『ああ見えて』と称されるアナベルはお茶会に対し、全く乗り気ではなかったが、腐っても公爵令嬢。
自分の役割は何なのかを十分に理解していた。
貴族令嬢の10歳を舐めてはいけない。
お茶会当日、王宮に向かう馬車の中でも、アナベルは両親から念をこれでもかと押されていた。
アナベル父、母:『アナベル…くれぐれも粗相のないように』
アナベル:『お父様もお母様も心配し過ぎです。私、やれば出来る子なんです』
アナベル母:『貴女の今までの行いを見ていると、どうしても心配になるのよ。今イチ信用できなくて…』
アナベル父:『私達の心配が杞憂に終わる事を祈っているよ』
アナベル:『王太子妃になるなど真っ平御免ですが、処刑されるのも嫌なので、゛喋らず、触らず、壊さず”でこのお茶会を乗りきってみせます。大船に乗った気でドーンと構えておいて下さい』
アナベル父、母:『泥舟に乗ってる気分になるのは何故?』
そして、両親の心配を他所に、アナベルはお茶会で大人しく過ごした。しかし、両親には大きな誤算があったのだ。
これはアナベルにとっても誤算であった。
なんと、アナベルはルシウス王太子殿下に一目で恋に落ちてしまったのだった。
ー回想・完ー
ああ、皆様、申し訳ございません。
回想に、3話も使ってしまいましたわ。
とまぁ…両親の心配するような結末にはなりませんでしたが、それ以上の事態になってしまったのです。
私は何としてでも殿下の婚約者の座を射止めたくて、両親を説得いたしました。
説得の末、両親から、『王太子妃…いや王妃というのは、知識、身分、教養、どれをとってもtop of top、淑女の中の淑女でなければならない。それがお前に出来るのならば、王太子の婚約者になれるよう、私達も努力しよう』
と、そう言われた私は、それはもう血の滲むような努力を致しました。
その努力を認めてくれたお父様は公爵と言う立場を最大限に利用して、殿下の婚約者の座をもぎ取って下さったのです。
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