【完結】親の理想は都合の良い令嬢~愛されることを諦めて毒親から逃げたら幸せになれました。後悔はしません。

涼石

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第12話 想定外の味方との出会い。

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「先ほどは、アイツが失礼しました。」



奥の部屋が小さな事務所のようになっている。

リュウと言われた青年は、アリシアに頭を下げる。

「いえ、気にしてませんから」

アリシアは苦笑した。

「それでは、ご用件をお聞きします。」

「アリシアと申します。
主人であるローカス=フリード、彼の素行調査をお願いします。予算はこれくらいです」

リュウという青年の人好きがする笑顔が固まり、少し目を見開く。

「アリシア様?もしかして先生?」

「え?」

「俺です。あなたの教え子のリュウです。」

リュウはいたずらっ子のように笑った。

「まあ・・・立派になったんですね」

「いや、なんだろう。
2歳年下の先生に言われるとむず痒いです」

こんな偶然もあるんだと、アリシアは懐かしくなって笑った。

彼は、最初に教えた教え子の一人だった。

年下に教わることが癪に障ったのか、よく睨まれていた気がする。

あそこで学んだ子は、王都で仕事に就く確率が高い。

読み書きや計算ができることで、重宝がられる。
賃金の良いところで仕事をしたり、商売を始めた子もいるという。

農家を継いだ子たちも取引でごまかされることもなくなったと聞く。

「先生のお陰で、俺も王都でなんとかやっていけてます」
「いいえ、あなたにその力があったからだわ。
でも、その手助けがほんの少しでもできたならよかった・・・」
「先生はなんか痩せました?
その・・すごく・・・」

リュウが言葉を濁した。

実家にいた頃は、食生活だけは問題なかった。

しかし、食べることにギリギリな今の方が、見た目はひどかった。

「先生、詳しく話してください」

リュウの言葉が、優しくしみ込んでくる。

今の生活のこと・・・
自分が騙されてるかもしれないこと・・・

アリシアは包み隠さずに話した。

「気になるのは、毎月の給料から、私が受け取っている生活費を除いた不明慮なお金の行方ね。」
「失礼ですが、他の女性につぎ込んでいるとかは?」
「彼は、女性が得意ではないと言っていたし・・・。
その・・少し潔癖症なところがあるから・・・男性のお相手をする女性も苦手だと言っていたので、疑ったことはないのだけれど・・・」

アリシアは首を少し傾げた。

「思い込みは、いけないわね」

「了解しました。そっちも調べておきますよ」
「前金はおいていくけど・・・足りないようなら後で支払います」
「わかりました。後日、連絡します」

アリシアは、笑顔で応接室を後にした。

(話を聞いてもらって、冷静になったわ。私自身も真実を知るために彼の周りを調べましょう)

来る前と違い、味方がいるという思いが彼女の胸のつかえを軽くしてくれた。


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