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第五章:真実の断片と
79.月の国と太陽の国と不幸令嬢02
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(だとしたら、僕はどうすれば、どうすればいい??)
ルーファスの中で葛藤が生まれた。今まではそれに気づいてもいなかった自身の歪み。それに向き合うという葛藤はとても苦しいものだ。けれどルーファスには分かってしまった。それを乗り越えなければレミリアにはたどり着けないと。
「今の僕にはもしかしたら前世と今世の君たちの区別がちゃんと付けられていないかもしれない、けれど……その問題については必ず解決してみせると約束する。この胸にあるレミリアを愛している気持ちだけは絶対に嘘じゃないから」
真っすぐにレミリアを見つめてルーファスは宣言した。その言葉にレミリアは頷く。きっとルーファスなら答えをだすだろう、そしてレミリア自身もその時には答えを出せるはずだ。
「しかし、サンソレイユ帝国にまで喧嘩を売るとは、かの王子はあまり賢くないようだ」
「クリストファー殿下は賢くないというより「太陽狂い」の発作で私を求めてしまっているのです」
その言葉に、ヨミの表情が歪む。これは呪いの副作用、それが原因でおかしなことになっている。
(しかし、今呪いを解くのは得策ではない。もしクリストファー殿下が真の目覚めをしたら……)
ヨミはあの日の狂気に満ちた眼差しをルーファスに向ける狂った男を思い出す。ルーファスに執着し監禁しその心と精神を蝕んだ恐ろしい男を。
(トリス殿下のようになったなら……ルーファスがまた傷ついてしまう。けれどそれが原因で今レミリア姫を危険に晒してしまっているなんて)
「ヨミ、何はともあれ、サンソレイユ帝国と力を合わせてレミリアの体を探す必要があるだろう。ただ、それにあたり、アトラス王国が介入したら酷く邪魔だ」
「……介入させないための提案もサンソレイユ帝国から打診がありました」
ルーファスの冷静さにヨミも正気を取り戻す。今は最善を尽くすだけだ。
「提案とは??」
「アトラス王国は無抵抗なムーンティア王国を攻撃している。それは正しいことではないため、サンソレイユ帝国はそれが事実ならムーンティア王国を援護するとのことです」
「門と魔法で守られているので全く害はないが、確かに他国を勝手に攻撃することは国際法的正しくない。ならば、それを口実にアトラス王国の動きを止め、その間にレミリアの体を救い出そう」
レミリアの体、まずはそれさぇ見つかれば多くの問題は解決する・
「ならば、一度サンソレイユ帝国へ行く必要があるな」
「はい、もちろんお供いたします」
恭しく頭を下げたヨミ、それを受け入れるルーファス。しかし、レミリアはそれが気に入らなかった。
「今回は私もサンソレイユ帝国にいきたい」
ルーファスの中で葛藤が生まれた。今まではそれに気づいてもいなかった自身の歪み。それに向き合うという葛藤はとても苦しいものだ。けれどルーファスには分かってしまった。それを乗り越えなければレミリアにはたどり着けないと。
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真っすぐにレミリアを見つめてルーファスは宣言した。その言葉にレミリアは頷く。きっとルーファスなら答えをだすだろう、そしてレミリア自身もその時には答えを出せるはずだ。
「しかし、サンソレイユ帝国にまで喧嘩を売るとは、かの王子はあまり賢くないようだ」
「クリストファー殿下は賢くないというより「太陽狂い」の発作で私を求めてしまっているのです」
その言葉に、ヨミの表情が歪む。これは呪いの副作用、それが原因でおかしなことになっている。
(しかし、今呪いを解くのは得策ではない。もしクリストファー殿下が真の目覚めをしたら……)
ヨミはあの日の狂気に満ちた眼差しをルーファスに向ける狂った男を思い出す。ルーファスに執着し監禁しその心と精神を蝕んだ恐ろしい男を。
(トリス殿下のようになったなら……ルーファスがまた傷ついてしまう。けれどそれが原因で今レミリア姫を危険に晒してしまっているなんて)
「ヨミ、何はともあれ、サンソレイユ帝国と力を合わせてレミリアの体を探す必要があるだろう。ただ、それにあたり、アトラス王国が介入したら酷く邪魔だ」
「……介入させないための提案もサンソレイユ帝国から打診がありました」
ルーファスの冷静さにヨミも正気を取り戻す。今は最善を尽くすだけだ。
「提案とは??」
「アトラス王国は無抵抗なムーンティア王国を攻撃している。それは正しいことではないため、サンソレイユ帝国はそれが事実ならムーンティア王国を援護するとのことです」
「門と魔法で守られているので全く害はないが、確かに他国を勝手に攻撃することは国際法的正しくない。ならば、それを口実にアトラス王国の動きを止め、その間にレミリアの体を救い出そう」
レミリアの体、まずはそれさぇ見つかれば多くの問題は解決する・
「ならば、一度サンソレイユ帝国へ行く必要があるな」
「はい、もちろんお供いたします」
恭しく頭を下げたヨミ、それを受け入れるルーファス。しかし、レミリアはそれが気に入らなかった。
「今回は私もサンソレイユ帝国にいきたい」
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