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第五章:真実の断片と
78.月の国と太陽の国と不幸令嬢
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「殿下、レミリア姫様」
微妙な空気がふたりの間で流れた時、それを壊すようにふたりを呼ぶ声がした。そこには従者のヨミがいた。
「……取り込み中だ」
「殿下、サンソレイユ帝国より連絡がございました。緊急のものです」
「何か問題が起きたのか??」
その言葉に、ヨミが頷く。どうやらあまりよくない報せのようだとルーファスもレミリアも思った。それを察したようにヨミが深いため息とともに話はじめた。
「レミリア姫、今貴方は精神と肉体がふたつに分かれてしまっている状態でございます。精神はこのムーンティア王国に、肉体はサンソレイユ帝国にいらしたのですがその肉体を何者かが攫ったそうです」
「私の体が攫われた??」
レミリアはあまりにも現実味のない言葉に目を見開く。
「はい、しかも攫ったのは……」
「あの忌まわしい男の生まれ変わりの第2王子か」
憎々し気に呟いたルーファスの顔を見て、レミリアの中で引っかかっていたものの輪郭が見えた。
(何故、ルーはクリストファー殿下を憎んでいるのだろうか??クレメンテ殿下もクリストファー殿下に気をつけろと言っていたけれど……)
レミリアにとって、クリストファーは一時ではあるが大切だった存在で今でも嫌いではない。だからこそルーファスが彼へ憎しみを向けている原因が気になったのだ。
「ねぇ、どうしてルーファス、クリストファー殿下を憎むの??」
純粋にレミリアに問われたことでルーファスは目を見開いた。そして、急に青ざめて震える。無意識かもしれないが彼は自身で体を抱きしめていた。
「それは……あいつの前世が……」
その言葉を聞いて、やはりレミリアは引っかかりの原因に気付いた。そう、ルーファスは前世のレミーナよりレミリアを愛していると言ってくれた。
けれど、無意識にレミーナとレミリアを重ねてしまっている。それは、クリストファーと名も知らない前世の男を完全に重ねていところから思い当たった。
「でも、今世のクリストファー様もその人と同じ人物ではないわ。私とレミーナさんのように」
その言葉に虚を衝かれたようにルーファスの表情が歪んだ。ルーファスもあることに気付いてしまったのだ。ルーファスはずっと止まった時の中で生きてきた。
そのせいで、どんなに違うと言ってもルーファスの中でレミーナとレミリア、トリスとクリストファー、そして、太陽の国の王とカール王太子など前世関わった人々と今世を生きる人々が重なってしまっていた。
ルーファスにとっては、彼等の前世はつい昨日程度の月日の話だが、外界ではそれこそ気が遠くなるほど昔の話なのだ。
それに気づいた瞬間、ルーファスの中にもある疑念が芽生えた。
(僕は、ちゃんと彼等と彼等の前世を区別できているか??レミリアの言う通り僕はレミーナと重ね合わせていないと言いきれるのか??)
微妙な空気がふたりの間で流れた時、それを壊すようにふたりを呼ぶ声がした。そこには従者のヨミがいた。
「……取り込み中だ」
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「何か問題が起きたのか??」
その言葉に、ヨミが頷く。どうやらあまりよくない報せのようだとルーファスもレミリアも思った。それを察したようにヨミが深いため息とともに話はじめた。
「レミリア姫、今貴方は精神と肉体がふたつに分かれてしまっている状態でございます。精神はこのムーンティア王国に、肉体はサンソレイユ帝国にいらしたのですがその肉体を何者かが攫ったそうです」
「私の体が攫われた??」
レミリアはあまりにも現実味のない言葉に目を見開く。
「はい、しかも攫ったのは……」
「あの忌まわしい男の生まれ変わりの第2王子か」
憎々し気に呟いたルーファスの顔を見て、レミリアの中で引っかかっていたものの輪郭が見えた。
(何故、ルーはクリストファー殿下を憎んでいるのだろうか??クレメンテ殿下もクリストファー殿下に気をつけろと言っていたけれど……)
レミリアにとって、クリストファーは一時ではあるが大切だった存在で今でも嫌いではない。だからこそルーファスが彼へ憎しみを向けている原因が気になったのだ。
「ねぇ、どうしてルーファス、クリストファー殿下を憎むの??」
純粋にレミリアに問われたことでルーファスは目を見開いた。そして、急に青ざめて震える。無意識かもしれないが彼は自身で体を抱きしめていた。
「それは……あいつの前世が……」
その言葉を聞いて、やはりレミリアは引っかかりの原因に気付いた。そう、ルーファスは前世のレミーナよりレミリアを愛していると言ってくれた。
けれど、無意識にレミーナとレミリアを重ねてしまっている。それは、クリストファーと名も知らない前世の男を完全に重ねていところから思い当たった。
「でも、今世のクリストファー様もその人と同じ人物ではないわ。私とレミーナさんのように」
その言葉に虚を衝かれたようにルーファスの表情が歪んだ。ルーファスもあることに気付いてしまったのだ。ルーファスはずっと止まった時の中で生きてきた。
そのせいで、どんなに違うと言ってもルーファスの中でレミーナとレミリア、トリスとクリストファー、そして、太陽の国の王とカール王太子など前世関わった人々と今世を生きる人々が重なってしまっていた。
ルーファスにとっては、彼等の前世はつい昨日程度の月日の話だが、外界ではそれこそ気が遠くなるほど昔の話なのだ。
それに気づいた瞬間、ルーファスの中にもある疑念が芽生えた。
(僕は、ちゃんと彼等と彼等の前世を区別できているか??レミリアの言う通り僕はレミーナと重ね合わせていないと言いきれるのか??)
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