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第五章:真実の断片と
77.月の王子と太陽の姫と不幸令嬢
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「レミリアとレミーナは別だ。いや、魂は同じだけれど、レミリア、君は誤解していると思うから話すけど僕はレミーナをレミーと生前呼んだことはないんだ」
「ルー、それって……」
「僕は確かに、最初はレミーナと同じ魂を持つからという理由で君に近付いた、けれど、レミリアだから愛しているんだ」
ルーファスは、とても苦しげだが噓偽りなどないとわかる表情で話はじめた。
「レミリア、君はキンモクセイが好きだね??レミーナは沈丁花が好きだった。レミリア、君はとても孤独でいつもひとりでそれでも健気な太陽のような子だ。レミーナは太陽の国、今はサンソレイユ帝国と呼ばれる国の姫君で家族に愛されて幸せなお姫様で、僕と彼女は幼い頃からの婚約者同士だった」
幸せなお姫様の言葉に胸が痛んだ。少なくともレミリアは全く幸せとは程遠い存在だったから。けれど前世では幸せだったのかと、レミリアがずっと憧れていた家族からの無償の愛を受けていたのだろうか。そして、レミリアが愛してやまないルーファスとも婚約者だったのだと、それがたとえ前世でもあまりに違い過ぎてとてもとても辛い。
レミリアとって、レミーナは顔が同じ他人のようなものだと考えている。けれど、そうだとしてさっき見たあの優しい男の人、お父様と呼びたくなった人は誰だろう。
もしかしたら、レミーナの記憶を、魂に刻まれた何かを見たのかもしれない。
「別なのはわかったけど、私より幼い頃からずっと側にいたレミーナを貴方は愛していたのでしょう??」
「ああ、勿論愛していたし、大切にしていた。結局守れなかったけれど……」
ルーファスが拳を握りしめていた。とても強く握っているせいか白くなっている。それはきっと辛さや悔しさを思い出しているのだろう。
「けれど、レミーナへの気持ちとレミリアへのものは違う。レミリア、君と僕は本当に幼なじみのようにずっと側にいた、だから確かに最初は前世がレミーナだから近づいたけれど、僕は君が、君という魂が好きだ。美しい太陽の光のような朗らかであたたかい唯一の光を持つ君が……君以外、僕は求めていない。どうか、どうか……」
血を吐くように懇願するルーファスの姿にレミリアの心は揺れていた。
「ルー。私は……私だって」
(貴方が好きだ。ずっとずっと)
けれど、その言葉を口にすることが何故かできなかった。何かが、こんなに懇願し、愛してくれていると分かるのに何かがレミリアの中で引っかかり、それが取れないでいた。
「ルー、それって……」
「僕は確かに、最初はレミーナと同じ魂を持つからという理由で君に近付いた、けれど、レミリアだから愛しているんだ」
ルーファスは、とても苦しげだが噓偽りなどないとわかる表情で話はじめた。
「レミリア、君はキンモクセイが好きだね??レミーナは沈丁花が好きだった。レミリア、君はとても孤独でいつもひとりでそれでも健気な太陽のような子だ。レミーナは太陽の国、今はサンソレイユ帝国と呼ばれる国の姫君で家族に愛されて幸せなお姫様で、僕と彼女は幼い頃からの婚約者同士だった」
幸せなお姫様の言葉に胸が痛んだ。少なくともレミリアは全く幸せとは程遠い存在だったから。けれど前世では幸せだったのかと、レミリアがずっと憧れていた家族からの無償の愛を受けていたのだろうか。そして、レミリアが愛してやまないルーファスとも婚約者だったのだと、それがたとえ前世でもあまりに違い過ぎてとてもとても辛い。
レミリアとって、レミーナは顔が同じ他人のようなものだと考えている。けれど、そうだとしてさっき見たあの優しい男の人、お父様と呼びたくなった人は誰だろう。
もしかしたら、レミーナの記憶を、魂に刻まれた何かを見たのかもしれない。
「別なのはわかったけど、私より幼い頃からずっと側にいたレミーナを貴方は愛していたのでしょう??」
「ああ、勿論愛していたし、大切にしていた。結局守れなかったけれど……」
ルーファスが拳を握りしめていた。とても強く握っているせいか白くなっている。それはきっと辛さや悔しさを思い出しているのだろう。
「けれど、レミーナへの気持ちとレミリアへのものは違う。レミリア、君と僕は本当に幼なじみのようにずっと側にいた、だから確かに最初は前世がレミーナだから近づいたけれど、僕は君が、君という魂が好きだ。美しい太陽の光のような朗らかであたたかい唯一の光を持つ君が……君以外、僕は求めていない。どうか、どうか……」
血を吐くように懇願するルーファスの姿にレミリアの心は揺れていた。
「ルー。私は……私だって」
(貴方が好きだ。ずっとずっと)
けれど、その言葉を口にすることが何故かできなかった。何かが、こんなに懇願し、愛してくれていると分かるのに何かがレミリアの中で引っかかり、それが取れないでいた。
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