【本編完結】魔王と周りに恐れられる辺境伯ですが他人の婚約者に手を出したと噂の伯爵令息にずっと片思いしています

ひよこ麺

文字の大きさ
50 / 99

50.真実

しおりを挟む
「……俺ごと抱きしめるのはやめろ」

気持ち悪いシオン大公を睨むが普段のような強い気持ちでの拒絶ができない。

「ギルフェル。君はもうすぐ僕の弟になるんだから可愛い弟ふたりを抱きしめるのは兄の役得じゃないかい??決して、ルカを抱きしめるついでにギルフェルの首筋のにおいをこっそり嗅いで、そのミントのかおりに酔いしれていたりはしないよ」

「気持ち悪いから離れろ」

とりあえず、もう一度拒否を軽くする。普段なら問答無用で突き飛ばすが今回はこちらの国のせいでいくつかの家族を不幸にした。

しかも、まさかルカを俺の身内が不幸にしたのだ。

ルカの紫の瞳はとても特殊なものだ。フルー前大公の妻、つまりルカとシオン大公の母は、大国プロキオン王国の貴族の出だ。

プロキオン王国には特殊な血を有する家系が多数ある。特に有名なのは王弟であるガルシア公爵の竜神の血筋だが、ルカの母親はベルダンディ元公爵令嬢は妖精姫の血筋を強く継いでいた。

ベルダンディ公爵家の起こりはまだ小国だったプロキオン王国の窮地を救った伝説の狂戦士バーサーカーとその戦士を愛し手助けをした妖精姫が始祖とされている。

そのため、彼らにはその血が色濃く継がれている。

男性は狂戦士バーサーカーの血を色濃く引き継ぎ、女性が妖精姫の血を濃く引き継ぐ。

狂戦士バーサーカーの血はひとつのことを他の人より突き詰めることができる強靭な精神、類稀なる才能と異常な狂気として発揮され、妖精姫の血は妖精の瞳と呼ばれる紫の稀少な瞳として発言し、妖精や精霊の加護を持つもので国に繁栄をもたらすとされる。

ルカは男性でありながら妖精の瞳も保有している存在だった。

それは、としての才覚を持つ者とされ、我が国にとって不仲な隣国フルー公国に存在されては困る存在だった。

(しかし、今までのルカにはそんな兆候はまるでなかった、ただ、そうだ、ルカは学生時代多くの俺も含めて信奉者を有していた……)

覇王は多くを魅了する。男も女も。

シオン大公に効かなかったのも同じ血筋だからだろう。

「……あの、僕は誰なんですか??僕はルキウスなのですか??」

不安げに見上げられた瞳。美しい紫の色彩に胸が騒ぐ。

「……」

俺は何も答えられなかった。それを答えたら自身の色々なものを否定してしまうような気がしたのだ。

けれど、ルカを俺が真に愛しているなら答えるべきだ、全てを……。

「ああ、ルカはルキウスだ。さっきまで分からなかったけれど君に触れて確信した」

「シオン大公様……あの、大公様が触れているのはギル様ですが……」

真剣に俺の顎をクイッとしているシオン大公にルカがツッコミをいれた。

「やめろ」

さすがに生理的に無理でとりあえず俺はシオン大公を殴る。

「ギルフェルの拳、良いな……」

鼻血を流してシオン大公が倒れたので、それをほっといてルカを真正面から見つめる。

「全て話す」

ルカを愛しているならすべきことはずっと前から決まっていた。

しおりを挟む
感想 71

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

魔法使い、双子の悪魔を飼う

よんど
BL
「僕、魔法使いでよかった」 リュシーは宮廷専属の優秀な魔法使い。 人が寄りつけない程強い自身の力のせいで常に孤独なリュシーは、ある日何気なく街を歩いていた際に闇商人の話を聞いてしまう。貴重で価値ある''モノ''を高値で買い取る悪趣味な会が近くであるらしく気になったリュシーは其処で不思議な双子と出逢いを果たす。 本の見よう見まねで無償の愛を与え続けるリュシーに育てられた双子はいつしか胸の内に何とも言えない感情を抱く様になり... 独りぼっちだった魔法使いが出逢いを通して彼等と関係を紡いでいき幸せを知る微闇要素有りのBLファンタジー。 (※) 過激描写のある話に付けています。 *** 攻め視点 ※不定期更新です。 ※誤字脱字の報告助かるので嬉しいです。 ※何でもOKな方のみ拝読お願いします。 扉絵  YOHJI@yohji_fanart様 (無断転載×)

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
※イヴ視点26以降(ハルフィリア編)大幅修正いたします。 見てくださった皆様には申し訳ございません。 これからも見ていただけたら嬉しいです。 外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

「ねぇ、俺以外に触れられないように閉じ込めるしかないよね」最強不良美男子に平凡な僕が執着されてラブラブになる話

ちゃこ
BL
見た目も頭も平凡な男子高校生 佐藤夏樹。 運動神経は平凡以下。 考えていることが口に先に出ちゃったり、ぼうっとしてたりと天然な性格。 ひょんなことから、学校一、他校からも恐れられている不良でスパダリの美少年 御堂蓮と出会い、 なぜか気に入られ、なぜか執着され、あれよあれよのうちに両思い・・・ ヤンデレ攻めですが、受けは天然でヤンデレをするっと受け入れ、むしろラブラブモードで振り回します♡ 超絶美形不良スパダリ✖️少し天然平凡男子

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

処理中です...