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58.とぎすまされた刃の美しい、そのきっさきによく似たルカの横顔
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ルビー侯爵家の騎士達は銃火器を撃った。その攻撃に思わず辺境伯領の騎士が怯む。当たり前だ。相手は最新鋭の武具を持っているのだから。
しかし、俺がいる中でそんな攻撃通ると思っているのはとても愚かだ。なんのために辺境伯を任されているのか考えてほしい。ターコイズ辺境伯一族には特殊な力がある。それはこの国を守る護国の力だ。
本来、これは外敵、主にフルー公国などに使用するものなのだが、今は国内の紛争に使用しないといけないのが実に問題だが。
俺はとりあえず詠唱した。
「すべてを守る鉄壁の壁よ、この地に仇なす者から護り給え」
体から迸る赤い魔力とともに攻撃は全て弾かれる。これはターコイズ辺境伯、しいては王族が持っている鉄壁の防御魔法だ。
「なに??なんだ、アレは??」
「辺境伯は攻撃力しかないバーサーカーじゃないのか??」
「魔王だから力で全てを壊すしか能がないと聞いてたのに」
敵兵達の口から失礼極まりない発言が聞こえてきた。よし後でじっくり拷問してやろう。そう心に決めながらも問題がある。防御壁を張っている間は俺自身が攻撃できないことだ。
そして、フルー公国とつい最近、交戦したせいで装備が足りない状態のこちらの兵は、飛び道具ではない剣や簡易な弓しか現在ない状態だ。本当に、フルー公国と無駄な争いをしていなければ問題なかったが、補給の武具が届くまではどうにか防衛しないといけない。
まぁ、長引けば長引くほどルビー侯爵家の方が不利になるのは目に見えている。だから総力戦で思い切り叩こうとして失敗しているのだけれど。
(しかし、ここからどう動くべきだ??魔法は貴族階級でないと我が国はほぼ使用できない。ルビー侯爵令息も使えるはずだが……)
そう考えた時、詠唱が聞こえた。
「赤く燃える緋色の炎、全てを燃やし尽くせ!!」
ルビー侯爵令息が炎を放つ。ルビーの一族は元々は騎士であるため、攻撃魔法を得意としている。そのため俺の張った結界を壊すために炎の塊を放つ。
物理には結界は無敵だが、魔法相手には割と脆い。もちろん1撃等では壊れたりしないが、あまりゆっくり考えている時間はなさそうだ。
(どうするべきだ??)
「ギル様、僕も戦います」
考えていると、いつの間にか犬の上に何故かのったルカが言った。まるで騎馬でもしているように大きな黒い犬の上にいるルカは某もののけの姫君のように気高く美しく、いつものエンジェルルカとは違う力強さを感じて惚れなおしかけたが状況的に冷静になる。ルカは魔法は使えない。犬と一緒に突っ込んだらまずい。
「ルカ、落ち着いてくれ」
「ギル様、確かに僕は美人局でここに来ました、けれど僕もここの一員です。お役に立ちたいのです」
「バヴゥウウウウウウウウウ!!」
そう言ってはいるが、大切な人の命に何かあるのは絶対いやだ。しかし、俺は今結界のために動けない。
「しかし……」
「大丈夫です。少し暴れてやります!!行こう、モレク」
「バブゥウウウウウウウウウウウン!!!」
そのままルカは結界を抜けてしまう、「まずい!!」そう思った瞬間……。
しかし、俺がいる中でそんな攻撃通ると思っているのはとても愚かだ。なんのために辺境伯を任されているのか考えてほしい。ターコイズ辺境伯一族には特殊な力がある。それはこの国を守る護国の力だ。
本来、これは外敵、主にフルー公国などに使用するものなのだが、今は国内の紛争に使用しないといけないのが実に問題だが。
俺はとりあえず詠唱した。
「すべてを守る鉄壁の壁よ、この地に仇なす者から護り給え」
体から迸る赤い魔力とともに攻撃は全て弾かれる。これはターコイズ辺境伯、しいては王族が持っている鉄壁の防御魔法だ。
「なに??なんだ、アレは??」
「辺境伯は攻撃力しかないバーサーカーじゃないのか??」
「魔王だから力で全てを壊すしか能がないと聞いてたのに」
敵兵達の口から失礼極まりない発言が聞こえてきた。よし後でじっくり拷問してやろう。そう心に決めながらも問題がある。防御壁を張っている間は俺自身が攻撃できないことだ。
そして、フルー公国とつい最近、交戦したせいで装備が足りない状態のこちらの兵は、飛び道具ではない剣や簡易な弓しか現在ない状態だ。本当に、フルー公国と無駄な争いをしていなければ問題なかったが、補給の武具が届くまではどうにか防衛しないといけない。
まぁ、長引けば長引くほどルビー侯爵家の方が不利になるのは目に見えている。だから総力戦で思い切り叩こうとして失敗しているのだけれど。
(しかし、ここからどう動くべきだ??魔法は貴族階級でないと我が国はほぼ使用できない。ルビー侯爵令息も使えるはずだが……)
そう考えた時、詠唱が聞こえた。
「赤く燃える緋色の炎、全てを燃やし尽くせ!!」
ルビー侯爵令息が炎を放つ。ルビーの一族は元々は騎士であるため、攻撃魔法を得意としている。そのため俺の張った結界を壊すために炎の塊を放つ。
物理には結界は無敵だが、魔法相手には割と脆い。もちろん1撃等では壊れたりしないが、あまりゆっくり考えている時間はなさそうだ。
(どうするべきだ??)
「ギル様、僕も戦います」
考えていると、いつの間にか犬の上に何故かのったルカが言った。まるで騎馬でもしているように大きな黒い犬の上にいるルカは某もののけの姫君のように気高く美しく、いつものエンジェルルカとは違う力強さを感じて惚れなおしかけたが状況的に冷静になる。ルカは魔法は使えない。犬と一緒に突っ込んだらまずい。
「ルカ、落ち着いてくれ」
「ギル様、確かに僕は美人局でここに来ました、けれど僕もここの一員です。お役に立ちたいのです」
「バヴゥウウウウウウウウウ!!」
そう言ってはいるが、大切な人の命に何かあるのは絶対いやだ。しかし、俺は今結界のために動けない。
「しかし……」
「大丈夫です。少し暴れてやります!!行こう、モレク」
「バブゥウウウウウウウウウウウン!!!」
そのままルカは結界を抜けてしまう、「まずい!!」そう思った瞬間……。
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