初夜に「お前を愛するつもりはない」と言われて冷遇されるはずが、狂愛されています。タスケテ

ひよこ麺

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第10話 想定外の連続に戸惑う

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「……あの、昨日着ていた衣装ではないのですか??」

「はい。フェリックス王妃、もといフェリックス皇子殿下がまずお召しになるのはこちらとなります」

誇らしげに答えたマルクスに、思わずポカンとした表情を見せてしまいなぜか物凄く心配されてしまった。

昨日、嫁入りにと王国から頂いて、着せられた衣装が花嫁衣装と考えていた僕にとって青天の霹靂だった。

あれだけの絢爛豪華な衣装を何着もお飾りの王妃のために準備するはずがない、そう思っていたのに、今目の前にあるのは昨日の華美な美しさとは真逆の静謐な美しさを讃えたまさにウエディングドレスで下世話な話をすれば絶対に高価なものだと分かる素材でできていて、さらに目の錯覚でなければ極上のとされる王国産のイエローダイヤがまるで光り輝く星のように細かく散りばめられている。

(……こんなドレス小説でフェリックスは準備してもらっていたか?いや、確かフェリックスは母親の形見の古いドレスを身に纏ってなかったか……)

そこまで考えてやはり昨日の段階から様子がおかしい王国の様子が今更ながら気になった。

昨日から甲斐甲斐しく僕の面倒を見ているマルクスは、人間嫌いの典型的な竜神の血筋の貴族子息でしかも火竜の血を引いているためか直情的で、フェリックスへの嫌悪を隠さぬキャラクターのはずなのだが……。

「フェリックス皇子、違和感などありませんか?」

「いえ、大丈夫です」

大変丁寧にドレスを着せられた。この世界はBLでしかも男しかいない世界だが子供は生まれる設定になっている。

そのため、受け手、つまり受け側がある程度女性的な立場になるのだけれどそれにしても今僕が着るそれは完全なるウェディングドレスのため女装みたいで恥ずかしい。

しかも、前世合わせて人生初のガーターベルトまで装着されてスカートのせいか股の辺りがスースーして変な気分になる。

(これだけ着飾って祝われて初夜に拒絶される……なんでなんだろう。いや、もしかして運命が少し変わって……)

そこまで考えて僕は心の中で否定した。

(それは、ありえない。この世界は経験上小さな変化は起こせるが、物語の根幹となる部分の大きな変化は訪れない……)

ならば、初夜の愛さないイベントは確定のはずだ。

そこまで考えて、そもそもあのイベントは何が原因だったのか思考を巡らせる。

たしか、エリアスは結婚式で番いの気配を感じてしまった。そして、それがフェリックスではないと分かり初夜の際の愛さないイベントにつなっていたことは原作で目にしていた。

つまりこの後、それが起こりあの紳士的な様子が霧散するのだろう。

(逃げる準備は元々持って着た荷物に入れてある。冷静に落ち着いて計画を成功させるんだ)

小さく決意をした頃、僕の着替えは終わっていた。

鏡に映る姿は、清楚だかどこか怪しげな妖精のようで、やはり主人公の美少年の色香は半端ないなと我ながら思ってしまった。

それから、促されるままに結婚式に向かった。

勝負はこれからだとまだ何も知らない僕は決意を固めたのだった。
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