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第19話 エリアスの年齢と竜神の血筋の寿命について
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「いえ、ダーリンの言葉に嘘偽りはありませんよ。ただ、ひとつ気になることがありまして、前世ダーリンは子供を助けて死んだと言いましたがその部分をもう少し詳しく教えて頂けませんか?」
エリアスが僕の言葉を信じてくれたことに安堵しながら、あの日の記憶をゆっくりと思い出した。庇った子供は中世の王子様のような恰好をしていて、ハーフのようだと思ったのは暗闇でも輝くような白銀の髪をしていたからだ。そして、何よりも特徴的なのが銀色の瞳だった。
「その子は中世、えっと今のこの世界の王族のような服装をしていて、しかも……」
そこまで言いかけて、僕はエリアスの白銀色の髪に目が止まった。確かあの子もエリアスのような銀色の髪をしていたはずだ。
「エリアスと同じ白銀色の美しい髪をしていました。ただ、目の色は銀色で……」
「銀色ですか、なるほど。ダーリン、もしかしてその子はこんな姿をしていましたか?」
エリアスが何か呪文を唱えると、そこに映し出されたのは、あの日助けた少年によく似た白銀の髪に銀色の瞳をした男の子だった。
「同じ子かちょっと自信はないですが、似ていると思います」
「……実はこの写真は幼いころの私です。今からちょうど200年近く前の写真です」
その言葉に、僕はふたつの驚きを覚えていた。ひとつは、あの庇った少年とエリアスがなぜかそっくりだということ、もうひとつはさらっと言ったがその写真が今から200年前のものだということ。
「あの、エリアスすみません。水を差すようで悪いのですが今エリアスはいくつなのですか?」
竜神の血を引く王族が長生きであることは聞いているが、人間の血も混ざっているのでそこまでではないと考えていた。
しかし、目の前の男はどう見ても20代前後の外見をしている。その言葉にエリアスはにっこりと目を細めて微笑んだ。
「婚約前に私の釣書はお送りしたのですが、なるほど帝国はダーリンに見せていなかったのですね。ふふっ」
温度が少し下がった気がしたが、エリアスは僕を抱き寄せながら答えた。
「私の年齢は今年で250歳です。竜神の血筋のものはおおよそ1000年は生きるのでまだ若い方ですね。ちなみに竜神自体は10000年近い寿命があったそうなので、だいぶ短くなってきてはいますね」
「1000年!? えっと、だとしたら僕が番いでは相当早く死んでしまうと思いますが……」
元々の日本人の男性の平均寿命は80歳くらいだったが、この世界の男性の平均寿命は50歳なので残りの長い年月をエリアスが孤独に過ごすのかと考えたら涙がこぼれた。
その涙を、エリアスが指で優しく拭う。
「それは問題ありません。ダーリンが私の卵を孕むと竜神の加護を得て私と同じだけ寿命が伸びるのです」
エリアスのとんでも発言に思わず目を見開く。正直に言おう、男が腹に子供、しかも卵らしいのだが、を孕み産むというのは相当に恐ろしいというか前世のこともあり恐怖心しかない。
男しかいない世界なので、男が子供を産むことができるという事実は理解しているし、一応、教育は受けたが、だからと言ってその感情を消すことは難しい。
「それは、エリアスとの間に卵を妊娠しなければ僕は人間のままでいられるということ?」
「ええ、そうです。……でも」
いつの間にか腕の中に完全に閉じ込められていた僕の耳元でエリアスが囁く。
「ダーリンは私をひとりにして死んでしまうような薄情な人なのですか?」
いつもの甘い声ではなく切なげにそう言われてしまうと、胸が痛む。1000年なんて人間だった僕には想像できないけれど、途方もない長い時間であることだけはわかる。その時間をたったひとりで生きるのはあまりにも辛すぎる。
「そ、それは……」
今まで考えたことのない想像に頭が混乱してしまうが、次の瞬間、エリアスが吹き出すように笑った。
「ふふふ、すいません。ダーリンがあまりに優しく可愛いので少し意地悪をしてしまいました。私はダーリンが私との間に卵を産まないことを願うなら無理強いはしません。あくまでダーリンの意志を尊重したいですから」
「……エリアス」
「愛しています、ダーリン」
甘い言葉とともに口づけをされた。それは優しく触れるだけの口づけで思わずあたたかい気持ちになる。
結局、なぜ、僕が庇った少年がエリアスに似ていたのかは分からずじまいだったが、それが後ほど重要になってくることをこの時の僕はまだ知らないのだった。
エリアスが僕の言葉を信じてくれたことに安堵しながら、あの日の記憶をゆっくりと思い出した。庇った子供は中世の王子様のような恰好をしていて、ハーフのようだと思ったのは暗闇でも輝くような白銀の髪をしていたからだ。そして、何よりも特徴的なのが銀色の瞳だった。
「その子は中世、えっと今のこの世界の王族のような服装をしていて、しかも……」
そこまで言いかけて、僕はエリアスの白銀色の髪に目が止まった。確かあの子もエリアスのような銀色の髪をしていたはずだ。
「エリアスと同じ白銀色の美しい髪をしていました。ただ、目の色は銀色で……」
「銀色ですか、なるほど。ダーリン、もしかしてその子はこんな姿をしていましたか?」
エリアスが何か呪文を唱えると、そこに映し出されたのは、あの日助けた少年によく似た白銀の髪に銀色の瞳をした男の子だった。
「同じ子かちょっと自信はないですが、似ていると思います」
「……実はこの写真は幼いころの私です。今からちょうど200年近く前の写真です」
その言葉に、僕はふたつの驚きを覚えていた。ひとつは、あの庇った少年とエリアスがなぜかそっくりだということ、もうひとつはさらっと言ったがその写真が今から200年前のものだということ。
「あの、エリアスすみません。水を差すようで悪いのですが今エリアスはいくつなのですか?」
竜神の血を引く王族が長生きであることは聞いているが、人間の血も混ざっているのでそこまでではないと考えていた。
しかし、目の前の男はどう見ても20代前後の外見をしている。その言葉にエリアスはにっこりと目を細めて微笑んだ。
「婚約前に私の釣書はお送りしたのですが、なるほど帝国はダーリンに見せていなかったのですね。ふふっ」
温度が少し下がった気がしたが、エリアスは僕を抱き寄せながら答えた。
「私の年齢は今年で250歳です。竜神の血筋のものはおおよそ1000年は生きるのでまだ若い方ですね。ちなみに竜神自体は10000年近い寿命があったそうなので、だいぶ短くなってきてはいますね」
「1000年!? えっと、だとしたら僕が番いでは相当早く死んでしまうと思いますが……」
元々の日本人の男性の平均寿命は80歳くらいだったが、この世界の男性の平均寿命は50歳なので残りの長い年月をエリアスが孤独に過ごすのかと考えたら涙がこぼれた。
その涙を、エリアスが指で優しく拭う。
「それは問題ありません。ダーリンが私の卵を孕むと竜神の加護を得て私と同じだけ寿命が伸びるのです」
エリアスのとんでも発言に思わず目を見開く。正直に言おう、男が腹に子供、しかも卵らしいのだが、を孕み産むというのは相当に恐ろしいというか前世のこともあり恐怖心しかない。
男しかいない世界なので、男が子供を産むことができるという事実は理解しているし、一応、教育は受けたが、だからと言ってその感情を消すことは難しい。
「それは、エリアスとの間に卵を妊娠しなければ僕は人間のままでいられるということ?」
「ええ、そうです。……でも」
いつの間にか腕の中に完全に閉じ込められていた僕の耳元でエリアスが囁く。
「ダーリンは私をひとりにして死んでしまうような薄情な人なのですか?」
いつもの甘い声ではなく切なげにそう言われてしまうと、胸が痛む。1000年なんて人間だった僕には想像できないけれど、途方もない長い時間であることだけはわかる。その時間をたったひとりで生きるのはあまりにも辛すぎる。
「そ、それは……」
今まで考えたことのない想像に頭が混乱してしまうが、次の瞬間、エリアスが吹き出すように笑った。
「ふふふ、すいません。ダーリンがあまりに優しく可愛いので少し意地悪をしてしまいました。私はダーリンが私との間に卵を産まないことを願うなら無理強いはしません。あくまでダーリンの意志を尊重したいですから」
「……エリアス」
「愛しています、ダーリン」
甘い言葉とともに口づけをされた。それは優しく触れるだけの口づけで思わずあたたかい気持ちになる。
結局、なぜ、僕が庇った少年がエリアスに似ていたのかは分からずじまいだったが、それが後ほど重要になってくることをこの時の僕はまだ知らないのだった。
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