初夜に「お前を愛するつもりはない」と言われて冷遇されるはずが、狂愛されています。タスケテ

ひよこ麺

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第50話 異物の正体

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「……縁の糸は強い思念から出来ていますのでそれにより相手になんらかの作用を及ぼすようです。マルクス、お前は何か操られたような感覚はあったか?」

エリアスの言葉にマルクスはすごく真剣に考えているが、しばらくして考えすぎて茹っているのがわかった。

ならばと助け舟を出すように、僕は先ほどあったことを聞いてみた。

「覚えがないならな良いのですが、マルクスは僕に先ほどお茶と軽食を勧めたのは覚えてますか?」

「はい、なぜか急にそうするとおふたりが喜ぶ気がして……、でもよく考えたらエリアス陛下に扉を開かないように言われていたのに……妙です」

マルクスの言葉にやはり完全ではないが人を操ることが出来ることを把握した。

その後、皇后以外の部屋に来たメンバーに聞いてみるとやはり彼らも同じだった。

「……一応全ての見える範囲の糸は取り除きましたが……無意識下に操られるとなると厄介ですね」

「そうですね。……しかも異物がこの糸なら全てを取り払うのは難しいですね」

何かわかりやすい道具なら簡単だったが、現段階でエリアスが見つけて引っ張り出す以外の方法が見つからない。

僕はずっと、小野崎の目的が分かってから疑問だったことがあった。

小野崎はエリアスに執着しているが自身がエリアスと結ばれないことも理解しているはずで、さらにこの物語は作者の原作の強制力が強いため、異物は排除しようとする。この物語で1番の異物である小野崎は、物語のヒーローであるエリアスを手に入れるつもりでいることに違和感があった。

しかし、先ほどマルクスを縛って操っていた糸の魔法を見た時に、思ったことがある。

「エリアス、小野崎はエリアスを欲している。彼はエリアスに例の糸を巻き付けている可能性がかなり高いです」

それも、世界線を跨ぐならきっとマルクスの比ではないほどに。

翻訳版のエリアスはエリックを徹底的に嫌っていた。その嫌悪は読者だった僕目線では、いつ後悔するのか、そんな日は来るのか、来ても絶対に許されないレベルだろうと思うほどだった。

そこまで、考えて僕は身震いした。

元々は、僕に成り代わろうとした小野崎だが、それが無理だと思った瞬間から今度は自身へ向けられた黒い感情を利用した。

負の感情、本来発生しない異物の感情を使い糸として、結ぶ。最初は、薄い縁でも太く強固になるまで翻訳版の世界の自身を傷つけ続けた。

そして、狙っていたのだ。

ずっと番いに縛られて振り返らないエリアスをさらなる強く暗い闇に縛りつけて自分から離れないように……。

「ダーリン、大丈夫ですよ。どんなに不幸な糸を結びつけても私とダーリンを結ぶ絆、番いを結ぶ魂の絆には敵いません。だから……そんな顔をしないでください」
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