49 / 65
第49話 作戦会議02
しおりを挟む
「エリアス陛下、王妃殿下お呼びでしょうか?」
神妙な面持ちを作っているが、自分が名指しであまり呼ばれないこともあり、ちょっと嬉しそうな表情が隠れていないのは素直に可愛いと思う。
たとえ2m近い赤髪の大男でも彼は良くも悪くも可愛いと思っている。
そんな彼、僕が呼んだのはマルクスだった。
彼は、翻訳版の世界ではエリックに対して意地悪をする人物として描かれているが、僕には大変丁寧に接してくれるので悪い印象はない。
実際、マルクスはエリアスに心酔している配下であり、極論エリアスに死ねと言われたら自害することも辞さないだろう忠誠心の持ち主だと思っている。
しかし、前回僕が元の世界に攫われた時も今回もそばに居たのは彼だった。
だから、マルクスは彼の意思とは関係なくなんらかのエリックの魔法にかかっている可能性が高いのではと考えたのだ。
「マルクス、頭を出せ」
冷たい声色でエリアスが言った。僕にはいつも甘い声色で話掛けているので違和感が凄いなと思ったが、よく考えたらエリアスは氷竜で、冷酷な竜人らしいのでむしろ僕への対応がイレギュラーなのかもしれない。
「はいっ!!」
エリアスの言葉に一瞬驚きながらも直ぐに従うマルクス。なんだか冷たく言われてるのに嬉しそうにしているのでそういう性癖なのかなと思いつつふたりの様子を眺めていた。
しばらく、エリアスがマルクスの頭を撫でるように触れていると突然、黒い煙が上がった。
「なっ?!」
「見つけた」
最初、煙に見えたそれは黒い糸のように長く、エリアスがマルクスから引っ張り出した時には数mの長さになっていた。
「これは一体……」
驚いているマルクスの言葉に、僕もそれが何かわからず首を傾げる。
唯一、何か知っていそうなエリアスも黙り込んでいる。
「怨みの糸……。縁あるものには糸のように絡みついているが、これは相手から強い恨みを持って繋げられたもの……マルクス、隣国の大公子息から恨まれた覚えはあるか?」
その言葉にマルクスは大きく被りを振る。
「全く、会ったこともありません」
この世界のマルクスは間違いなく、エリックに会う機会はないだろう。
しかし、翻訳版の世界でマルクスはエリックをいじめていた。
つまり、この糸は世界線を跨いで登場人物に絡みついているようだ。
「エリアス、この糸は世界線を跨ぐようです。だとして、この糸に人を操るような力はありますか?」
神妙な面持ちを作っているが、自分が名指しであまり呼ばれないこともあり、ちょっと嬉しそうな表情が隠れていないのは素直に可愛いと思う。
たとえ2m近い赤髪の大男でも彼は良くも悪くも可愛いと思っている。
そんな彼、僕が呼んだのはマルクスだった。
彼は、翻訳版の世界ではエリックに対して意地悪をする人物として描かれているが、僕には大変丁寧に接してくれるので悪い印象はない。
実際、マルクスはエリアスに心酔している配下であり、極論エリアスに死ねと言われたら自害することも辞さないだろう忠誠心の持ち主だと思っている。
しかし、前回僕が元の世界に攫われた時も今回もそばに居たのは彼だった。
だから、マルクスは彼の意思とは関係なくなんらかのエリックの魔法にかかっている可能性が高いのではと考えたのだ。
「マルクス、頭を出せ」
冷たい声色でエリアスが言った。僕にはいつも甘い声色で話掛けているので違和感が凄いなと思ったが、よく考えたらエリアスは氷竜で、冷酷な竜人らしいのでむしろ僕への対応がイレギュラーなのかもしれない。
「はいっ!!」
エリアスの言葉に一瞬驚きながらも直ぐに従うマルクス。なんだか冷たく言われてるのに嬉しそうにしているのでそういう性癖なのかなと思いつつふたりの様子を眺めていた。
しばらく、エリアスがマルクスの頭を撫でるように触れていると突然、黒い煙が上がった。
「なっ?!」
「見つけた」
最初、煙に見えたそれは黒い糸のように長く、エリアスがマルクスから引っ張り出した時には数mの長さになっていた。
「これは一体……」
驚いているマルクスの言葉に、僕もそれが何かわからず首を傾げる。
唯一、何か知っていそうなエリアスも黙り込んでいる。
「怨みの糸……。縁あるものには糸のように絡みついているが、これは相手から強い恨みを持って繋げられたもの……マルクス、隣国の大公子息から恨まれた覚えはあるか?」
その言葉にマルクスは大きく被りを振る。
「全く、会ったこともありません」
この世界のマルクスは間違いなく、エリックに会う機会はないだろう。
しかし、翻訳版の世界でマルクスはエリックをいじめていた。
つまり、この糸は世界線を跨いで登場人物に絡みついているようだ。
「エリアス、この糸は世界線を跨ぐようです。だとして、この糸に人を操るような力はありますか?」
665
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を提案したら優しかった婚約者に手篭めにされました
多崎リクト
BL
ケイは物心着く前からユキと婚約していたが、優しくて綺麗で人気者のユキと平凡な自分では釣り合わないのではないかとずっと考えていた。
ついに婚約破棄を申し出たところ、ユキに手篭めにされてしまう。
ケイはまだ、ユキがどれだけ自分に執着しているのか知らなかった。
攻め
ユキ(23)
会社員。綺麗で性格も良くて完璧だと崇められていた人。ファンクラブも存在するらしい。
受け
ケイ(18)
高校生。平凡でユキと自分は釣り合わないとずっと気にしていた。ユキのことが大好き。
pixiv、ムーンライトノベルズにも掲載中
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。
志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。
美形×平凡。
乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。
崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。
転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。
そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。
え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された
あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると…
「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」
気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
初めましてです。お手柔らかにお願いします。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しております
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる