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#2. 膝枕、しますか?
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机をどかし、パイプ椅子を2つくっつける。その片方に座った優香は俺のことを手招きして、
「じ、じゃあ先輩? どうぞ」
優香が指さすのは自分の……太もも。
「あ、もしかして嫌でした……? なんか、こういうシチュエーションだったらだいたい女の子が膝枕してるから先輩もしてほしいのかな? と思ったんですけど……」
優香がしょんぼりした顔で下を見つめる。俺が、あんな輝かしい真っ白な太ももに、頭を乗せる……? 普通なら拒否しなきゃいけないところだが……ん? 普通? 普通って、なんだっけ? こんな美少女が良いよって言ってくれてるんだ! これは乗るしか無いだろう!
「え、嫌じゃない……? な、なら早く早く!」
自分でも理性がぶっ壊れている自覚はあるのだがそうこう言っている暇はない。俺の大切な後輩が手招きしているんだ。早く行かなければ!
「お、来ましたね? じゃあもう一個の椅子に足乗せてください。……よし。じゃあ、行きますよー……」
吐息の混じった声が左耳に入り、体が震えてしまった。これ、ASMR以上に良いぞ……
「あれ、先輩、体震えてませんか? ふふ、先輩お耳弱いんですね~」
ふ~っと絶え間なく俺の耳に息を吹き込む優香。もう体が震えっぱなしだ。あ~理性が溶けていく~……
「で、先輩。どうですか? 膝枕。硬く……ないですか?
え、めっちゃ柔らかいし最高……? ふふありがとうございます」
こんなシチュエーションで『最悪』っていう奴居たら面貸せ。ひっぱたいてやる。
……ん? なんか頭に違和感が――
「先輩、髪質結構柔らかいほうなんですね。意外です」
あ、頭を撫でられてるーーーーーーー!? なにこれ天国? 夢? いや、現実か……ほっぺが痛い。
「えっと、先輩? 急にほっぺつねってどうしたんですか……つねったところ赤くなってますよ……あ、熱くもなってる」
んんん? 美少女後輩が、主人公のほっぺを撫でる……? どんなラブコメ世界なんだここは。これが現実ということがにわかに信じがたい。
興味深く俺のほっぺをぷにぷにしているところ悪いが、これ以上されると取り返しのつかないことをしてしまいそうなので本当に悔しいが優香の手を払った。
「あ、や、やっぱり嫌でしたか……? そうですよねこんな私が先輩を気軽に撫でるなんて……え? これ以上されるとやばくなりそうだから? あーじゃあさっきのほっぺ赤くて熱くなってたのも、照れてたから、なんですね♪」
最後の囁きにすごいクるものがあるが、なにせ優香が無自覚だから何も言いようがない。ほら今も頭に『?』浮かべたみたいな顔してる。
「先輩、これからどうすれば良いんでしょうか……」
あ、そっちの意味だったか。別に今のままでも。って言ったらさすがに怒られるか……? じゃあここはお言葉に甘えて、お願いしてみようかな。
「ん? なんですかこれ……『しっかり者の後輩との少し変わった放課後活動』?」
見せてから少しして恥ずかしくなってきたのだが、俺が優香に見せたスマホの画面にはお気に入りのASMRの商品ページが出ている。優香はそれをじっくりと見て……
「なるほど……先輩はマッサージとか、耳かきされながら囁いてほしいんですか?
あ、いや。嫌ってことはないんですけど……ちょっと準備しなきゃなので、一回どいてもらってもいいですか?」
この柔らかい感触から離れるのはすごい感慨深いが、これからも多分天国が待ってる。素直にどけるか。
「ありがとうございます。じゃあ、すぐ戻ってくるので、先輩は椅子に座って待っててください」
そう言って優香は部室から出ていった。優香の太ももに密着していたほうの頬にはまだふんわりと感触が残っている。
さっき優香に見せたASMRはマッサージや耳かき以外にも、一緒にうたた寝したりヒロインをお姫様だっこしたりするシチュエーションがてんこ盛りなのだが……あの真面目な優香のことだ。流石にそこまですることはないだろう。
「じ、じゃあ先輩? どうぞ」
優香が指さすのは自分の……太もも。
「あ、もしかして嫌でした……? なんか、こういうシチュエーションだったらだいたい女の子が膝枕してるから先輩もしてほしいのかな? と思ったんですけど……」
優香がしょんぼりした顔で下を見つめる。俺が、あんな輝かしい真っ白な太ももに、頭を乗せる……? 普通なら拒否しなきゃいけないところだが……ん? 普通? 普通って、なんだっけ? こんな美少女が良いよって言ってくれてるんだ! これは乗るしか無いだろう!
「え、嫌じゃない……? な、なら早く早く!」
自分でも理性がぶっ壊れている自覚はあるのだがそうこう言っている暇はない。俺の大切な後輩が手招きしているんだ。早く行かなければ!
「お、来ましたね? じゃあもう一個の椅子に足乗せてください。……よし。じゃあ、行きますよー……」
吐息の混じった声が左耳に入り、体が震えてしまった。これ、ASMR以上に良いぞ……
「あれ、先輩、体震えてませんか? ふふ、先輩お耳弱いんですね~」
ふ~っと絶え間なく俺の耳に息を吹き込む優香。もう体が震えっぱなしだ。あ~理性が溶けていく~……
「で、先輩。どうですか? 膝枕。硬く……ないですか?
え、めっちゃ柔らかいし最高……? ふふありがとうございます」
こんなシチュエーションで『最悪』っていう奴居たら面貸せ。ひっぱたいてやる。
……ん? なんか頭に違和感が――
「先輩、髪質結構柔らかいほうなんですね。意外です」
あ、頭を撫でられてるーーーーーーー!? なにこれ天国? 夢? いや、現実か……ほっぺが痛い。
「えっと、先輩? 急にほっぺつねってどうしたんですか……つねったところ赤くなってますよ……あ、熱くもなってる」
んんん? 美少女後輩が、主人公のほっぺを撫でる……? どんなラブコメ世界なんだここは。これが現実ということがにわかに信じがたい。
興味深く俺のほっぺをぷにぷにしているところ悪いが、これ以上されると取り返しのつかないことをしてしまいそうなので本当に悔しいが優香の手を払った。
「あ、や、やっぱり嫌でしたか……? そうですよねこんな私が先輩を気軽に撫でるなんて……え? これ以上されるとやばくなりそうだから? あーじゃあさっきのほっぺ赤くて熱くなってたのも、照れてたから、なんですね♪」
最後の囁きにすごいクるものがあるが、なにせ優香が無自覚だから何も言いようがない。ほら今も頭に『?』浮かべたみたいな顔してる。
「先輩、これからどうすれば良いんでしょうか……」
あ、そっちの意味だったか。別に今のままでも。って言ったらさすがに怒られるか……? じゃあここはお言葉に甘えて、お願いしてみようかな。
「ん? なんですかこれ……『しっかり者の後輩との少し変わった放課後活動』?」
見せてから少しして恥ずかしくなってきたのだが、俺が優香に見せたスマホの画面にはお気に入りのASMRの商品ページが出ている。優香はそれをじっくりと見て……
「なるほど……先輩はマッサージとか、耳かきされながら囁いてほしいんですか?
あ、いや。嫌ってことはないんですけど……ちょっと準備しなきゃなので、一回どいてもらってもいいですか?」
この柔らかい感触から離れるのはすごい感慨深いが、これからも多分天国が待ってる。素直にどけるか。
「ありがとうございます。じゃあ、すぐ戻ってくるので、先輩は椅子に座って待っててください」
そう言って優香は部室から出ていった。優香の太ももに密着していたほうの頬にはまだふんわりと感触が残っている。
さっき優香に見せたASMRはマッサージや耳かき以外にも、一緒にうたた寝したりヒロインをお姫様だっこしたりするシチュエーションがてんこ盛りなのだが……あの真面目な優香のことだ。流石にそこまですることはないだろう。
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