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「久しぶりだな。元気にしてるようで安心したよ」
「……あ、うん。久しぶり、ね」
驚いて一瞬、頭が停止してた。
「……天界に用事でもあったの?」
ここに来るのは大抵仕事で天界に行くか地界に帰るかくらいだもの。……そういえば、堕天使の仕事って何だろ、聞いたことない。
「あー……いや、お前を待ってた」
「……私を?」
「あぁ」
頷かれたことに今度は戸惑う。百五十年以上疎遠になっていた私と会うために、わざわざこんな辺鄙な場所にまで来たというの?
「お前が地界で過ごしてんのは知ってた。何度か死神の長といたの見かけたしな。……避けられてたのにも気づいてたよ。
まぁ、けど良かった。天界で仕事するって聞いてさ、また昔みたいなことないか不安に思ってたんだ」
……私自身は一昨日言われたばかりなのに、地界ではもう広まってたのね。何で地界って、こんなに話が広がりやすいのだろう。疑問である。
「お前にとっちゃ嫌かもしれねぇけど、初めての仕事っつうか……職場っつうか……就職したろ? だからこれ、祝いの品」
スッと渡された細長い箱を受け取る。……というか……え? ……くれるの?
「……何で?」
「何でってなぁ……。俺お前のこと友人と思ってるからあげたんだけど?」
疎遠になっていたのに? 避けられてたのに? よく分からないんだけど。
「……はぁ。納得いってないなら昔勉強教えてた先生からの贈り物だと思えよ」
先生……それなら違和感ない。生徒にお祝いの品を贈るのなら、ないことじゃない。
「……ありがと」
「おう」
そのまま、方向が一緒のため町へ向かうことにした。
「へぇ、んじゃ部下とは問題ないんだな?」
「……うん。二人とも、特に偏見はなさそうだった」
「そうか。にしてもロゼのやつ、まだ天使長やってんのかよ。あの長生き若作りめ、いつまでしてんだか」
「……知り合いなの?」
「元同期生」
……アキ、貴方歳いくつなの? 確か天使長は、六百を越えるか越えないかだから……え、まさか大分歳上?
「……そんな胡乱げに目で見んな。俺、飛び級生だったんだよ。おまけにあいつ留年してたし」
「……留年って、普通するの?」
「……言うなぁお前も。する奴はするからな」
する人はするんだ……そういえば後輩にした人がいるって聞いたような気がする。
「あ、俺こっち方面だから。お前あっちだろ?」
「……うん。じゃ、またね」
「またな」
かなり久しぶりの再会からこんな風に話せるのって……なんか、悪い気はしない、かな?
そのまままっすぐ直帰する。……豪邸じゃないのが不思議なくらいの大きさなのよね。
こればっかりは慣れそうにない。
「……ただいま」
少し遅れてお帰りーと聞こえた。珍しい、ルーラ帰ってたんだ。ここ数年遅い帰りが多かったから、久しぶりのお帰りに口元が綻ぶのが分かった。
リビングでくつろいでいたルーラに帰り道のことを話すと、良かったねと微笑まれた。
「……そういえば、ルーラはアキと知り合いなの?」
「たまに仕事で一緒になるからね、会ったら世間話する程度には」
仕事……堕天使って死神とも関わるんだ。死神の手伝いをする時は事務が多かったから知らなかった。
何人か天界に来た堕天使もいるし、その内仕事が一緒にできたらいいな。……今の仕事のままなら難しいかもしれないけど。
「ね、プレゼントもらったんでしょ? 開けてみたら?」
興味津々、といった様子のルーラに苦笑いする。家だと子供っぽいところがあって、最初に知ったときは意外だったな。
リクエスト通り、テーブルに箱を置いて見せるようにして包装紙を破り開けたら、チェーンみたいな細いものが丸く繋がっていた。
「へぇ。アキ、中々良いネックレスをチョイスしたね。ルネに似合いそう」
「……ネックレス? これが?」
「シルバーネックレスって言うんだよ」
シルバーネックレス……。周りが装飾品を付けないことと、金みたいなものの方が印象強いこともあって、初めて見た。
「せっかくだし着けてみたら?」
「……うん。明日から」
次の日、早速職場に着けて行ったらいち早くザレブさんが気づいてくれた。
「ルネ、昨日はそれ着けてなかったよね? どうしたの?」
「……知り合いからプレゼントだと貰ったんです。職場では外しますから」
「あ、いやそうじゃなくて。昨日もそうだったけど、似合うなぁって思ってさ」
「……そう、ですか?」
「うん、凄く似合ってるよ」
笑顔で頷かれる。みるとアーオンさんも頷いてた。……ルーラにも家を出る前に言われたし、こうも褒められるとこそばゆいな。
「……ありがとう、ございます」
さぁ、今日も頑張ろう。
「……あ、うん。久しぶり、ね」
驚いて一瞬、頭が停止してた。
「……天界に用事でもあったの?」
ここに来るのは大抵仕事で天界に行くか地界に帰るかくらいだもの。……そういえば、堕天使の仕事って何だろ、聞いたことない。
「あー……いや、お前を待ってた」
「……私を?」
「あぁ」
頷かれたことに今度は戸惑う。百五十年以上疎遠になっていた私と会うために、わざわざこんな辺鄙な場所にまで来たというの?
「お前が地界で過ごしてんのは知ってた。何度か死神の長といたの見かけたしな。……避けられてたのにも気づいてたよ。
まぁ、けど良かった。天界で仕事するって聞いてさ、また昔みたいなことないか不安に思ってたんだ」
……私自身は一昨日言われたばかりなのに、地界ではもう広まってたのね。何で地界って、こんなに話が広がりやすいのだろう。疑問である。
「お前にとっちゃ嫌かもしれねぇけど、初めての仕事っつうか……職場っつうか……就職したろ? だからこれ、祝いの品」
スッと渡された細長い箱を受け取る。……というか……え? ……くれるの?
「……何で?」
「何でってなぁ……。俺お前のこと友人と思ってるからあげたんだけど?」
疎遠になっていたのに? 避けられてたのに? よく分からないんだけど。
「……はぁ。納得いってないなら昔勉強教えてた先生からの贈り物だと思えよ」
先生……それなら違和感ない。生徒にお祝いの品を贈るのなら、ないことじゃない。
「……ありがと」
「おう」
そのまま、方向が一緒のため町へ向かうことにした。
「へぇ、んじゃ部下とは問題ないんだな?」
「……うん。二人とも、特に偏見はなさそうだった」
「そうか。にしてもロゼのやつ、まだ天使長やってんのかよ。あの長生き若作りめ、いつまでしてんだか」
「……知り合いなの?」
「元同期生」
……アキ、貴方歳いくつなの? 確か天使長は、六百を越えるか越えないかだから……え、まさか大分歳上?
「……そんな胡乱げに目で見んな。俺、飛び級生だったんだよ。おまけにあいつ留年してたし」
「……留年って、普通するの?」
「……言うなぁお前も。する奴はするからな」
する人はするんだ……そういえば後輩にした人がいるって聞いたような気がする。
「あ、俺こっち方面だから。お前あっちだろ?」
「……うん。じゃ、またね」
「またな」
かなり久しぶりの再会からこんな風に話せるのって……なんか、悪い気はしない、かな?
そのまままっすぐ直帰する。……豪邸じゃないのが不思議なくらいの大きさなのよね。
こればっかりは慣れそうにない。
「……ただいま」
少し遅れてお帰りーと聞こえた。珍しい、ルーラ帰ってたんだ。ここ数年遅い帰りが多かったから、久しぶりのお帰りに口元が綻ぶのが分かった。
リビングでくつろいでいたルーラに帰り道のことを話すと、良かったねと微笑まれた。
「……そういえば、ルーラはアキと知り合いなの?」
「たまに仕事で一緒になるからね、会ったら世間話する程度には」
仕事……堕天使って死神とも関わるんだ。死神の手伝いをする時は事務が多かったから知らなかった。
何人か天界に来た堕天使もいるし、その内仕事が一緒にできたらいいな。……今の仕事のままなら難しいかもしれないけど。
「ね、プレゼントもらったんでしょ? 開けてみたら?」
興味津々、といった様子のルーラに苦笑いする。家だと子供っぽいところがあって、最初に知ったときは意外だったな。
リクエスト通り、テーブルに箱を置いて見せるようにして包装紙を破り開けたら、チェーンみたいな細いものが丸く繋がっていた。
「へぇ。アキ、中々良いネックレスをチョイスしたね。ルネに似合いそう」
「……ネックレス? これが?」
「シルバーネックレスって言うんだよ」
シルバーネックレス……。周りが装飾品を付けないことと、金みたいなものの方が印象強いこともあって、初めて見た。
「せっかくだし着けてみたら?」
「……うん。明日から」
次の日、早速職場に着けて行ったらいち早くザレブさんが気づいてくれた。
「ルネ、昨日はそれ着けてなかったよね? どうしたの?」
「……知り合いからプレゼントだと貰ったんです。職場では外しますから」
「あ、いやそうじゃなくて。昨日もそうだったけど、似合うなぁって思ってさ」
「……そう、ですか?」
「うん、凄く似合ってるよ」
笑顔で頷かれる。みるとアーオンさんも頷いてた。……ルーラにも家を出る前に言われたし、こうも褒められるとこそばゆいな。
「……ありがとう、ございます」
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