乙女ゲーのラスボスに転生して早々、敵が可愛すぎて死にそうです

楢山幕府

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「武器に光属性を付与できるようになったからな! 危険が迫っても、オレが前に出て魔法で撃退してやるぞ!」

 テディは警備兵や近衛兵のことを知らないから、安全面について心配していると勘違いしたのか、アルフレッドがそう言い放つ。
 いや、これは自慢したいだけかな?
 陛下に力を認められたのがよほど嬉しかったのか、アルフレッドは自信に満ちていた。

「いやいや、あんたが前に出ちゃ……前に出たらダメですよ」

 テディの指摘に僕も頷き、アルフレッドの手を強く握る。前に出ようとしたら僕が止めないと。
 近衛兵からは、何かあったときはすぐエリックにアルフレッドを渡すよう言われている。
 彼らにしてみれば、今も僕がアルフレッドと手を繋いでいるのが、気に入らないようだ。
 風評の悪いウッドワード家の僕より、当主が騎士団長を務めるジラルド家のエリックのほうが、信用を置けるのだろう。エリックは王妃様の覚えもめでたい。

「普段通りの口調で構わないぞ? オレは今、ルーファスの従兄弟だからな!」
「それでも不敬……ええいっ、もう、気にしないって言ったのはあんただからな!」
「うむ、オレのことはルルと呼べ! アルの『ル』と、ルーファスの『ル』でルルなんだ!」

 そこは説明する必要はないと思うんだけど。
 偽名を気に入ってくれたならいいかな?

「ルルがルーファスのことを好きなのはわかった」
「えっ!? ち、違うぞ!」
「違うのか?」
「ち、違わないけど……」

 ごにょごにょと口を動かしながら、耳まで赤くしているアルフレッドにデジャヴを感じる。
 前はイアンに突っ込まれてたよね。
 どうやらアルフレッドは素直に好きだと言うのが恥ずかしいらしい。
 その様子だけで、僕は心が満たされる。
 今日は僕と装いを合わせているのもあってか、いつにも増してアルフレッドとの距離が近く感じた。文句を言いながらも、僕たちのコーディネートを担当してくれたヴィヴィアンのおかげかな。
 僕はグレー、アルフレッドはブラウンを基調色とし、それぞれの色に合わせたキャスケットとジャケットを身につけていた。チェック柄のズボンと革靴もお揃いだ。
 テディもアルフレッドの反応を見て親近感が湧いたのか、雰囲気から角が取れた気がする。
 気兼ねすることがなくなった途端、僕がユノーハイネスでたくさん買い物したとアルフレッドに売り込むあたりは流石だ。
 これから訪ねる店は決まっているものの、今日は街を楽しむのが主題なので、僕たちはゆっくり歩きながら周囲を眺める。

「ところで気になってたんだけどさ、光属性を付与できるようになると、何か変わるのか?」
「変わるぞ! オレを攻撃できなくなるからな!」

 アルフレッドの答えに、テディが説明を求めて僕を見上げる。
 王家の力については貴族の大半が知っているけど、まだ貴族になりたてのテディは知らないんだろう。
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