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暗闇が、全てを覆っていた。
目を開いているのかも定かじゃないほどに。
闇の中では、感情が荒れ狂っていた。
怒り。
恨み。
妬み。
嫉み。
渦巻く怨嗟が、奔流となって僕をさらっていく。
闇の波にのまれ、行き着いた先も、闇だった。
あぁ、僕は。
力を、魔法を、使ってしまったのか。
最後に見た光景を思い浮かべる。
仮面の男が死んでいた。
テディは無事だろうか?
倒れた二人は、仮面の男ともう一人だと思うけど……。
あれからどうなったのか。
助けが来たと信じたい。
父上。
父上、ごめんなさい。
魔法は使っちゃいけなかったのに。
種を、芽吹かせてはいけなかったのに。
僕は。
僕は、僕は。
父上の苦労を、無駄にしてしまった。
これから僕は、父上を悲しませる。
たくさんの人を、悲しませる。
――死ななければならないと思っていた。
前世を理解した、あの夜。
ガラスに映った自分の姿を見て。
でも決意したときの僕は、それがどんなに浅はかな考えか、わかっていなかったんだ。
僕は家族に愛されていた。
父上に母上、それと妹のヴィヴィアンに。
執事や侍女たちも、いつも僕を温かく見守ってくれていた。
ルーファスは、人に愛されていた。
嫌われてなんかない。
とても大事に、育てられていたんだ。
アルフレッドは弟のようで、イアンははじめてできた友達で、エリックも僕のことをわかってくれた。
テディも、彼にとっては散々な出会いだったのに、友達になってくれた。
僕が死んだら、その全ての人を悲しませることになる。
そんな簡単なことを、あの夜の僕はわかっていなかった。
けど気付いたんだ。
僕を慕うヴィヴィアンに、可愛らしいアルフレッドを見て、父上の愛に接して。
ゲームと同じ轍を踏んではいけないと。
気付いたんだ。
なのに、結局僕は――。
「ルーファス」
名を呼ばれ、唐突に闇の底から意識が浮上した。
低い声は耳馴れたものだった。
「ルーファス……」
頭を撫でる、その大きな手は震えていた。
眩しさを感じながら、瞼を持ち上げる。
「父上……?」
「ルーファス、気が付いたか!」
目を開けたはずなのに、僕を覗き込む父上の顔が見えない。
部屋は暗かった。
眩しいと感じたのは、闇の中にいたせいだろうか。
「すぐに侍医を呼ぶ。もう心配ない」
寝ているのはベッドの上だった。
それも自分の。
助かったんだ……。
目を開いているのかも定かじゃないほどに。
闇の中では、感情が荒れ狂っていた。
怒り。
恨み。
妬み。
嫉み。
渦巻く怨嗟が、奔流となって僕をさらっていく。
闇の波にのまれ、行き着いた先も、闇だった。
あぁ、僕は。
力を、魔法を、使ってしまったのか。
最後に見た光景を思い浮かべる。
仮面の男が死んでいた。
テディは無事だろうか?
倒れた二人は、仮面の男ともう一人だと思うけど……。
あれからどうなったのか。
助けが来たと信じたい。
父上。
父上、ごめんなさい。
魔法は使っちゃいけなかったのに。
種を、芽吹かせてはいけなかったのに。
僕は。
僕は、僕は。
父上の苦労を、無駄にしてしまった。
これから僕は、父上を悲しませる。
たくさんの人を、悲しませる。
――死ななければならないと思っていた。
前世を理解した、あの夜。
ガラスに映った自分の姿を見て。
でも決意したときの僕は、それがどんなに浅はかな考えか、わかっていなかったんだ。
僕は家族に愛されていた。
父上に母上、それと妹のヴィヴィアンに。
執事や侍女たちも、いつも僕を温かく見守ってくれていた。
ルーファスは、人に愛されていた。
嫌われてなんかない。
とても大事に、育てられていたんだ。
アルフレッドは弟のようで、イアンははじめてできた友達で、エリックも僕のことをわかってくれた。
テディも、彼にとっては散々な出会いだったのに、友達になってくれた。
僕が死んだら、その全ての人を悲しませることになる。
そんな簡単なことを、あの夜の僕はわかっていなかった。
けど気付いたんだ。
僕を慕うヴィヴィアンに、可愛らしいアルフレッドを見て、父上の愛に接して。
ゲームと同じ轍を踏んではいけないと。
気付いたんだ。
なのに、結局僕は――。
「ルーファス」
名を呼ばれ、唐突に闇の底から意識が浮上した。
低い声は耳馴れたものだった。
「ルーファス……」
頭を撫でる、その大きな手は震えていた。
眩しさを感じながら、瞼を持ち上げる。
「父上……?」
「ルーファス、気が付いたか!」
目を開けたはずなのに、僕を覗き込む父上の顔が見えない。
部屋は暗かった。
眩しいと感じたのは、闇の中にいたせいだろうか。
「すぐに侍医を呼ぶ。もう心配ない」
寝ているのはベッドの上だった。
それも自分の。
助かったんだ……。
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