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新しい力:5

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クレジットは、全財産の122万2390クレジットだ。

「長いね・・・」

アイラが呟く。

「長いな・・・。」

相槌を返す俺。

「・・・」

黙って、2人の様子を見ている建太。

既に1分近く経っている。


【ピィー!ピィー!】

音が鳴って、ようやく進化が完了し・・・ていない・・・。

画面には【Double Up Chance】の表示が・・・・。


「・・・・。どういう事よ?」

「わかんない・・・。 こんなの初めて見たし、聞いたことないし・・・。」

「・・・・・」

黙り込む3人。

おそらく、いま進化できた機体を、さらに進化させるのかを聞いてきていると思われるのだろうが・・・。

今現在の進化した機体の表示も詳細も映し出されていない。

機体の表示も、詳細も分からないのだから。 何を判断基準にしたらいいのかも解らない・・・・。


「どうする気だよ?」

「分かるか!」

健太の問いかけに、思わず声を大きくしてしまう。

アイラは、俺がどうするのかをジッと見てる。

「なら、こいつで決めるか?」

そう言って、建太が具現化させた物は。

1~6の数字が書かれた6面体の物体。

サイコロだった。

そういや、昔っから運頼みの時は、コインかダイスで決めてたな。 コイツは・・・。



「で、どっちでいくんだ?」

俺が建太に聞き返すと。

「それは、お前が決めるべきだろう。

既に、俺と言うイレギュラーで、運任せに為ってるんだから。」

申し訳なさそうに言う建太。

反省はしているようだ。


「もし失敗したら、俺の全財産で新しい機体を購入しろよ。」

健太が俺に言う。

「足りない分は、私もカンパしてあげるよ。」

アイラも、俺に言う。

「ふううぅぅ・・・」

大きく息を吐き出し、健太の手の平からダイスを手に取る。

「奇数が出たら、ダブルUp。 偶数ならキャンセル。」

そう言って、右手を軽く握りダイスを中で転がす。

少しの間、手の中で転がし、サイコロをカウンターに向かって転がす。


もちろん、カウンターから落ちない様に加減はした。


これ以上、イレギュラーを起こして溜まるか。


出た目は・・・・偶数。


パネルに手を伸ばして【NO】を。
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