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エリアミッション:18

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 * * * 回想 * * *


時間は少しさかのぼり、オリオンサーバーエリアボス討伐間際。

1人の女性が、戦艦ギルドハウスセラフィエルの艦橋ブリッジに入ってくる。


「アイラ。 状況は?」

「イザベラ! 戻ってきたのね。」

「何とか間に合った?」

「間に合ってはいるけど。 結構ギリギリの状況ね。」

「私の機体は?」

「さっき、完成ロールアウトしたわ。 ぶっつけ本番だけど大丈夫?」

「やってやるさっ!」

「それじゃ、これはオマケしとくね。」

そう言って、アイラがステータスウィンドウを開き、イザベラに交換トレードを申請する。

トレードされたのをイザベラが確認すると、〝トレーススーツ〟と表記されていた。

即座に申請を許可して、イザベラが渡されたトレーススーツを装備する。

一瞬で着替えが終わり、トレススーツに身を包んだイザベラ。


「ぷぷっ!」

トレーススーツに身を包んだイザベラを見て、アイラが小さく噴き出す。

「ちょっ! おまっ! わざとだろっ!」

着替えた自分の首から下を見て、イザベラがアイラに抗議の声を挙げた。

「ちがうわよっ! それが仕様なんだからねっ!」

「マジかぁ……。」

トレーススーツに着替えたイザベラの姿。

それはもう、身体のラインがもろ見えの、ピッチピチの全身レオタード姿と見間違わんばかりの恰好をしていた。

「早く行きなさい。」

「ういぃ。 行ってくる。」

多少テンションが下がりながらも、出撃するためにステータスウィンドウを開きコクピットに転送されるイザベラ。

転送されたコクピット内は暗く、何も見えない状況だった。

「アルファ。 生体同調バイオトレースシステムを起動。」

『了解。 操作系システムを、生体同調バイオトレースに切り替えての起動。

生体同調バイオトレースシステム作動。』

イザベラの機体のCPUメインコンピューターのアルファの声が言い終えると。

イザベラを中心に上下左右前後360度に周囲の景色が投影される。

全周囲モニターと呼ばれるスクリーン投影。

「おほっ! 壮観だね。」

全周囲に映し出された景色に機嫌を向上させるイザベラ。

「イザベラ。 出撃と同時に、香織かおりがイザベラを拾って運ぶ段取りだから。」

「了解。」

アイラの通信に答えるイザベラ。

素戔嗚スサノオ! イザベラ。 出るよっ!」


素戔嗚スサノオ:機体★

機体コード:YXーG101
機体ランク:17   英雄級ヒーローランク

全高:17・8メートル
全幅:4・7メートル

生体同調バイオトレースシステム搭載機


生体同調バイオトレース:システム★

プレイヤーの動きを、機体に連動させて動きを体現化する。
ようは、プレイヤーの動きを、そのまま機体が真似して動くシステム。


カタパルトからの強制加速で発進する素戔嗚スサノオ

戦艦ギルドハウスセラフィエルから出た瞬間に、超低空飛行での香織かおりの機体の戦姫ヴァルキリーに抱きかかえられて、大きく上空へと持ち上げられる。

「このまま、エリアボスまで直行するわよ。」

香織かおり。 できたらエリアボスの真上で素戔嗚スサノオを落としてくれ。」

「はっ?」

特殊能力スキルで、一気に片を付ける。」

「できるの?」

「計算上では、素戔嗚スサノオ特殊能力スキルは、重力制御砲グラビティーカノンと同じくらいの出力が出るらしいから。」

「ふざけた、攻撃力ね。」

「その代わりと言っては何だけど。 超近接戦闘しか武装がないけど?

なんなら代わってあげようか? 私としては、空を飛んでみたいけど。

それと、これを着る勇気がある?」

そう言って、自分イザベラの全体映像を香織かおりに見せる。

「……。」

「おぃ。 黙り込むなよ。」

「恥ずかしくない?」

「恥ずかしいよっ!」

「って。 落とすわよ。」

と言うと同時に、素戔嗚スサノオを投下する香織かおり

「うぉっ! 特殊能力スキル1 発動っ!」

イザベラの声に反応して、素戔嗚スサノオの右の拳が金色に輝きだす。


そして、その後はイザベラの乗る素戔嗚スサノオの活躍で、エリアボスのデススパイダーを倒した。



 * * * * * *



「そう言えばイザベラ。 討伐開始時には居たのに、いつの間にか姿が見えなくなっていたわね?」

テーブルの上に置かれている、ジュースのストローを突っつきながら訪ねるアイラ。

「いやぁ~、まさかの討伐開始と同時に〝弟〟が来ちゃってさ。

ログイン待機状態で離席させてもらってた。

一応、アイザックには理由を話して承諾は貰ってたんだけど。

ギリギリ間に合って良かったよぉ~。」

「機体の進化で、コクピット周りの改修の素材が揃わずに。

討伐開始前に、やっと素材を揃えたわ良いけど、その改修の時間で前半は何も出来ないのは確定だったけどね。」

ジト目で、イザベラを見ながら言う香織かおり


「たはは。 それを言っちゃダメだよ香織かおりちゃん。

私だって、進化で英雄級ヒーローランクの機体が出来るなんて思ってなかったんだからさあ。」


今現在。

エリアボス攻略が終わり、報酬の分配を終えて。

アイラ、イザベラ、香織かおりの女性3人でのティータイムを楽しんでいる。

3人とも、パイロットスーツではなく、白を基調としたカジュアルスーツにタイトスカートと言った格好だ。

地球統合連合での、一般階級での制服と言った設定だ。

残念な事に、まだ街中プラットホームでのオシャレ的な服装は実装されておらず。

女性プレイヤーの大半は、いつ実装されるのか楽しみにしてる。
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