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マモルsideデービス殿下の贈り物
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「マモル、どうしたの?」
僕は声を掛けて来たロクシーを振り返って微笑んだ。ロクシーは僕の心の変化に敏感だ。竜人だからなのか、魔法力が強いせいなのか分からないけど。
僕は手の中の、美しい薔薇の彫刻を見つめてため息をついた。ロクシーはソファの後ろから覗き込むと呟いた。
「…デービスか。今年は赤い薔薇なの?何とも意味深だね。」
僕は壁の飾り棚に飾られている、14個の木彫りの彫刻を眺めた。釣られるように目をやったロクシーは呆れたように言った。
「なかなかどうして、デービスは根性があるよね。マモルが幼いデービスにあんな約束をしたばかりに、デービスの想いは募るばかりだ。」
ロクシーに責められた気がして、ロクシーの顔を見上げると、思いの外真剣な眼差しでもう一度僕の手の中の薔薇を見つめて呟いた。
「マモルは気づかない?その薔薇には強い魔法が掛かっている。もちろんデービスが掛けた訳じゃない。それは古い魔法に近いものだよ。幼い頃からの純粋な恋心、想う気持ちだけが生み出せるものだ。」
僕はロクシーから手の中の薔薇に目を移して呟いた。
「僕は人間だからよく分からない。…でもこの薔薇に触れていると胸が痛いよ。だからといってあの棚に飾っても触れたくなってしまう。だから困っているんだ。」
ロクシーは僕の隣に座って、僕のこめかみに口づけて言った。
「マモルが決めれば良い。僕の番になるのは、あと五年先だからね。僕はマモルと1000年一緒だけど、彼らはほんの瞬きの間しか一緒に過ごせないだろう?昔は胸を焼いたけれど、最近は彼らのことが哀れにさえ思うよ。
…その代わり、僕がここに滞在する間は、僕の事だけを見つめてくれる?」
途端に僕の身体は熱く脈打った。ああ、僕はロクシーのおねだりに弱すぎるみたいだ。僕はそっと薔薇をテーブルに置くと、甘く見つめるロクシーの金粉のまぶした様な琥珀色の瞳を見つめて言った。
「竜人は独占欲が強いって聞いたけど、ロクシーは寛容だね?」
ロクシーは苦笑して言った。
「多分師匠が散々僕を教育したせいだ。人間が光り輝く理由は愛だとね。番の概念の無い人間は、鎖付けられた途端に光を失うと刷り込まれたんだよ。」
僕は思わずユニコーンがロクシーにしたり顔で説教する光景を想像してクスクス笑ってしまった。
「ユニコーンはお元気かな。最近会ってないから。」
ロクシーは憮然として呟いた。
「僕たちが番になれば嫌と言うほど会えるだろう。彼は僕らの赤ん坊の名付け親になる気満々だからね。」
僕は急に赤ん坊の話をされて、ドギマギしてしまった。男の僕が赤ん坊を持つ事に未だに想像の域を出ないからだ。その事に気づいたロクシーがクスッと笑って囁いた。
「まったく、いつになったらこの話題に動揺しないで居られるんだろうね、マモルは。…いつまでもそのままでいてくれるかい?」
そう問いかけるロクシーの眼差しがいつになく真剣で、ロクシーにとってもデービス殿下の事は全く気にならない話では無いと気がついた。僕の気持ちを大事にしてくれるロクシーが可愛くて、僕はぎゅっとしがみつくと唇をロクシーの少しひんやりしたそれに押し付けた。
直ぐに応えるように伸びてくる舌を受け入れながら、僕はロクシーが僕を抱き上げたのを感じた。もう直ぐ、ロクシーはまた竜の谷へ戻ってしまう。僕たちの甘い時間は、まだ有限だった。
ロクシー、僕は君に鎖付けられるのは嫌じゃないんだ。ロクシーの事は愛している、心から。でも彼らも僕の心を震わすんだ。ごめんね?
僕は声を掛けて来たロクシーを振り返って微笑んだ。ロクシーは僕の心の変化に敏感だ。竜人だからなのか、魔法力が強いせいなのか分からないけど。
僕は手の中の、美しい薔薇の彫刻を見つめてため息をついた。ロクシーはソファの後ろから覗き込むと呟いた。
「…デービスか。今年は赤い薔薇なの?何とも意味深だね。」
僕は壁の飾り棚に飾られている、14個の木彫りの彫刻を眺めた。釣られるように目をやったロクシーは呆れたように言った。
「なかなかどうして、デービスは根性があるよね。マモルが幼いデービスにあんな約束をしたばかりに、デービスの想いは募るばかりだ。」
ロクシーに責められた気がして、ロクシーの顔を見上げると、思いの外真剣な眼差しでもう一度僕の手の中の薔薇を見つめて呟いた。
「マモルは気づかない?その薔薇には強い魔法が掛かっている。もちろんデービスが掛けた訳じゃない。それは古い魔法に近いものだよ。幼い頃からの純粋な恋心、想う気持ちだけが生み出せるものだ。」
僕はロクシーから手の中の薔薇に目を移して呟いた。
「僕は人間だからよく分からない。…でもこの薔薇に触れていると胸が痛いよ。だからといってあの棚に飾っても触れたくなってしまう。だから困っているんだ。」
ロクシーは僕の隣に座って、僕のこめかみに口づけて言った。
「マモルが決めれば良い。僕の番になるのは、あと五年先だからね。僕はマモルと1000年一緒だけど、彼らはほんの瞬きの間しか一緒に過ごせないだろう?昔は胸を焼いたけれど、最近は彼らのことが哀れにさえ思うよ。
…その代わり、僕がここに滞在する間は、僕の事だけを見つめてくれる?」
途端に僕の身体は熱く脈打った。ああ、僕はロクシーのおねだりに弱すぎるみたいだ。僕はそっと薔薇をテーブルに置くと、甘く見つめるロクシーの金粉のまぶした様な琥珀色の瞳を見つめて言った。
「竜人は独占欲が強いって聞いたけど、ロクシーは寛容だね?」
ロクシーは苦笑して言った。
「多分師匠が散々僕を教育したせいだ。人間が光り輝く理由は愛だとね。番の概念の無い人間は、鎖付けられた途端に光を失うと刷り込まれたんだよ。」
僕は思わずユニコーンがロクシーにしたり顔で説教する光景を想像してクスクス笑ってしまった。
「ユニコーンはお元気かな。最近会ってないから。」
ロクシーは憮然として呟いた。
「僕たちが番になれば嫌と言うほど会えるだろう。彼は僕らの赤ん坊の名付け親になる気満々だからね。」
僕は急に赤ん坊の話をされて、ドギマギしてしまった。男の僕が赤ん坊を持つ事に未だに想像の域を出ないからだ。その事に気づいたロクシーがクスッと笑って囁いた。
「まったく、いつになったらこの話題に動揺しないで居られるんだろうね、マモルは。…いつまでもそのままでいてくれるかい?」
そう問いかけるロクシーの眼差しがいつになく真剣で、ロクシーにとってもデービス殿下の事は全く気にならない話では無いと気がついた。僕の気持ちを大事にしてくれるロクシーが可愛くて、僕はぎゅっとしがみつくと唇をロクシーの少しひんやりしたそれに押し付けた。
直ぐに応えるように伸びてくる舌を受け入れながら、僕はロクシーが僕を抱き上げたのを感じた。もう直ぐ、ロクシーはまた竜の谷へ戻ってしまう。僕たちの甘い時間は、まだ有限だった。
ロクシー、僕は君に鎖付けられるのは嫌じゃないんだ。ロクシーの事は愛している、心から。でも彼らも僕の心を震わすんだ。ごめんね?
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