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波乱の予感

成果報告

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「じゃあ、テディたちはモクバックの青い魔石が7個だね。随分と大変じゃなかった?僕たちも赤と紫が1個づつと、青いのが5個。6体でも大変だったよね?ケルビン。僕たち、結局モクバックのハーレムを二つ潰したみたいだね。」

僕が紫の魔石をランプにかざして見ていると、テディが覗き込んで尋ねた。

「それどうしたの?モクバックの魔石なの?」

するとケルビンが腕を組んで、ニヤリと笑って言った。


「テディが知らないとはな。それは魔物たちの継承の魔石だ。聞いた事ないか?」

テディはハッとするとマジマジと見つめて呟いた。

「これが継承の魔石か。これって精力増強の魔力が入ってるから凄い高値で売れるんだよ。知ってた?…僕たち若者には必要ない代物だけどね。…そ、そうだ。パトリックのその、若者らしい振る舞いの理由教えてくれるんでしょ?」

テディが僕の発情をオブラートに包んでくれたのに、ケルビンがゲラゲラ笑って台無しにしてくれるんだ。僕は咳払いすると腕に巻き付いた革のベルトを外した。するとそれはあっという間に黄色い小さな蛇になった。


「これのせいだよ。あの洞穴は結界魔のせいで、これの中身が出られなかった。だから僕に取り憑いて出てきたのは知ってるよね?精霊の亡霊がこの蛇に乗り移った時に僕から離れただろう?

どうも取り憑いて離れると発情させちゃうらしいんだ。僕は今まで経験がなかったから、ちょっと強く出ちゃったんじゃないかなって思うけど…。他人の発情はよく知らないからなんとも言えないな。」

そう言うとその蛇は僕の頭の中で喋り始めた。


『ねぇ、これの中身とか言わないでよ。ボクには立派な名前があるんだからさ。えーと。あれ?何だっけ…。忘れちゃったみたい。ヘヘヘ。ねぇボクに名前つけてくれない?素敵なやつ。』

僕は埴輪目になりながら、ボソリと呟いた。

「スネーク。」

蛇は丸い目をちょっと大きくした気がしたけど、見間違いかもしれない。ブツブツ口の中で繰り返して言った。


『なんかとっても手抜きのような気がするけど、理由は分かんないな。ボクはすっかり精霊人生が長すぎて色々忘れちゃってるんだ。ま、カッコいい感じがするからそれで良いや。今度からスネークって呼んでね。』

そう言うと、スルリとボクの腕に巻き付いてあっという間に革の腕輪になってしまった。僕が顔を上げると、みんな酷く緊張した顔で僕を見つめていたんだ。僕は自分の腕にハマった鈍く光る腕輪を撫でて言った。

「なんかこれ、僕から離れなくなっちゃたみたいだね…。」


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