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波乱の予感

自ら突っ込んでいくタイプです

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僕の食い散らかしてるんだろう発言に目を見開いたケルビンは、直ぐに動揺を鎮めて僕の事を目を細めて見つめるんだ。

「…何?それが気になる?」

そう僕の耳元で囁くから、僕は何となくあの時の事を思い出してゾクゾクしてしまった。ハッとして耳を手で覆ってケルビンを睨むと、ケルビンは良いものを見つけたような顔をしてニヤリと笑ったんだ。


「僕を使って遊ばないでよ。」

僕が口を尖らせて文句を言ってもどこ吹く風で、ご機嫌なケルビンは僕の手には余ってしまった。ようやくテディたちが戻ってきて咳払いすると、ケルビンに注意した。

「ね、ケルビン、パトリックを揶揄うのはやめなよ。まだ、本調子じゃないし、こんなにみんなが居る所で何かあってもパトリックが困るんだからね。

そういえばパトリック、どうして急に、その、体調が変化したの?キッカケがあったのかな。」


三人が僕を見るので、僕は黄色い腕輪ベルトをチラッと見ると、周囲を見渡して言った。

「ここじゃ話せない。食事後の明日の計画の時に話すよ。そう、別行動中の成果報告もお互いにしてないしね?さ、出来た。今日は簡単にスープとパンだ。昼間テディがさばいてくれたオーク肉ステーキもあるし十分でしょ。さぁ食べよう。」

それから僕たちは甘い脂の乗ったオークステーキを食べた。僕たちがさっき焼いていたら、美味そうな匂いが周囲に漂って、訓練生や先生たちまで引き寄せてしまった。


結局昼間言った通りオーク肉パーティとなって、みんなで盛り上がったんだ。他のチームから僕たちのチームは『食の宝庫』という別名が付いてしまった。

いや、幸運のダンジョンチームだけどね。まぁ直ぐに食べられるようになってたのは確かに宝庫っぽいよね。ウケる。笑っている僕に時々突き刺さるバートの視線を感じて、僕は演習が終わったら一度バートに釈明しないといけないなと、気が重くなった。


単純に精霊の亡霊が憑依したせいだけなんだけど。そっかみんなにもこの話をする必要があるのか。僕は今夜の成果報告も何だか色々な意味で盛り上がりそうだなと、ご機嫌でオーク肉をカッ食らう仲間を見回した。

ミッキーが珍しくそんな僕を見咎めて言った。

「パトリック、もっと食べないと無くなっちゃうぞ?」


僕はミッキーらしい言葉ににっこり笑って言った。

「うん、大丈夫。食後の成果報告が楽しみだなって思って。」

すると、皆の動きが急に止まって僕を見たんだ。ん?どうしたの?僕は皆の視線を感じながら大きな肉の塊を頬張ったんだ。あー、ほんと美味しいね、これ!





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