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動き出す関係
好奇心だけなのかどうなのか※
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五十嵐先輩が触れた僕の唇は、いつもよりも何だか腫れている気分だった。それはもしかしたら直ぐに深いキスがしたかったからかもしれないし、その先もあるのかもしれないと考えていたせいかもしれない。
薄く開けた僕の唇の隙間へ、すっかり慣れた仕草で先輩の舌が優しく撫でると、僕はその柔らかな感触に思わず甘く息を吐いてしまう。それが合図の様に、先輩は僕の口の中に舌を伸ばして、僕の舌を優しくなぞるんだ。
さっき飲んだコーラの甘い味がする深いキスは、僕を少し微笑ませた。僕の背中を撫でる先輩の手は、明らかに僕とは違う大きな手で、それは僕をドキドキさせた。
僕を撫でて欲しい。男同士の画像に育てられた僕の好奇心と欲望は、目の前のすっかり気を許して情の湧いた先輩に委ねられていた。誰も居ない密室が僕たちをすっかり大胆にしたのは間違いなかった。
先輩は顔を引き剥がして僕に尋ねた。
「…長谷部の裸見たい。今日最後までしようとか思ってないから。…そこは信用して。」
僕は興奮してテントを張っている先輩の股間を盗み見ながら、頷いた。僕も流石に最後までは勇気がなかったし、それには色々準備があるって知っていた。
僕は先輩もその手の画像とかを見ているのかなと、ふと思った。先輩は僕の事を好きだと言うけれど、僕の様に男が好きなのかどうかは聞いた事がなかった。
そんな事を考えている間に、先輩はスクッと立ち上がると上着とTシャツをパパッと脱ぐと、いきなりズボンも脱いでしまった。ボクサーパンツを突っ張らせた半裸の先輩は、僕の黒Tシャツを優しく脱がせた。
少し呼吸の荒い先輩が、それでも冷静になろうと頑張ってるのを見て、僕もベッドに座りながら自分でカーキ色のハーフパンツを脱いだ。さすがに下着姿になるのはちょっと恥ずかしかった。
けれども目の前の先輩が、僕を焼け付く様な眼差しで見つめるから恥ずかしさは直ぐに消えてしまった。僕をベッドに押し倒した先輩は、僕の目を見つめながら言った。
「…俺、長谷部が嫌がる事はしたくないんだ。だから嫌だと思ったら言って。」
こんな状況なのに優しい事を言う先輩に少し笑って、僕は先輩の首を引き寄せてキスを強請った。ベッドの上で寝転んでするキスはそれだけに没頭出来て、僕は凄い感じてしまった。
自分から馬鹿みたいに先輩の唇や口の中を撫でながら、先輩の手が僕の上半身を撫で回すのを意識していた。他人に触れられると自分で触る時と違って、何でこんなに別物なのか不思議だった。
先輩の指先が僕の胸のてっぺんを撫で回すと、ムズムズと違和感がした。それに少し呻いた僕に気づいた先輩は、僕の首や鎖骨をゆっくりと唇で撫でながら、ついには胸の印までたどり着いた。
「長谷部の胸、…ピンクだな。」
そう言っておもむろに先輩は僕の胸に吸い付いた。最初はくすぐったい様な違和感しかなかったけれど、先輩が夢中になって僕の少し尖ったそれを咥えたり、舌で突いたり、挙げ句の果ては強く吸いつくから、僕はあっという間に息を荒くしていた。
「‥んっ、そんなに吸ったら…。あっ!」
僕は気持ち良さに思わず甘い声が出てしまった。自分でもびっくりして口に手を覆うと、先輩はもっと僕を追い詰めることにしたみたいだった。指先で摘ままれて、甘く舌でなぞられてしゃぶられて、僕はすっかり甘える様に先輩の頭と背中を抱きしめていた。
「先輩キスして…。」
ぼんやりした僕が先輩にそう言うと、先輩は僕をぎゅっと抱きしめて優しく唇を重ねた。その時に僕は、自分も先輩もすっかり下着がダメになりつつあるのに気づいてしまった。そして芯のある二人のものがすっかり育ってしまってる事にも。
僕と先輩は下着越しに押し付け合いながら、見つめ合った。どちらから言い出すべきなんだろう。僕が戸惑っていると、先輩が言ってくれた。
「これ以上濡れたら不味いから、脱ぐ?」
薄く開けた僕の唇の隙間へ、すっかり慣れた仕草で先輩の舌が優しく撫でると、僕はその柔らかな感触に思わず甘く息を吐いてしまう。それが合図の様に、先輩は僕の口の中に舌を伸ばして、僕の舌を優しくなぞるんだ。
さっき飲んだコーラの甘い味がする深いキスは、僕を少し微笑ませた。僕の背中を撫でる先輩の手は、明らかに僕とは違う大きな手で、それは僕をドキドキさせた。
僕を撫でて欲しい。男同士の画像に育てられた僕の好奇心と欲望は、目の前のすっかり気を許して情の湧いた先輩に委ねられていた。誰も居ない密室が僕たちをすっかり大胆にしたのは間違いなかった。
先輩は顔を引き剥がして僕に尋ねた。
「…長谷部の裸見たい。今日最後までしようとか思ってないから。…そこは信用して。」
僕は興奮してテントを張っている先輩の股間を盗み見ながら、頷いた。僕も流石に最後までは勇気がなかったし、それには色々準備があるって知っていた。
僕は先輩もその手の画像とかを見ているのかなと、ふと思った。先輩は僕の事を好きだと言うけれど、僕の様に男が好きなのかどうかは聞いた事がなかった。
そんな事を考えている間に、先輩はスクッと立ち上がると上着とTシャツをパパッと脱ぐと、いきなりズボンも脱いでしまった。ボクサーパンツを突っ張らせた半裸の先輩は、僕の黒Tシャツを優しく脱がせた。
少し呼吸の荒い先輩が、それでも冷静になろうと頑張ってるのを見て、僕もベッドに座りながら自分でカーキ色のハーフパンツを脱いだ。さすがに下着姿になるのはちょっと恥ずかしかった。
けれども目の前の先輩が、僕を焼け付く様な眼差しで見つめるから恥ずかしさは直ぐに消えてしまった。僕をベッドに押し倒した先輩は、僕の目を見つめながら言った。
「…俺、長谷部が嫌がる事はしたくないんだ。だから嫌だと思ったら言って。」
こんな状況なのに優しい事を言う先輩に少し笑って、僕は先輩の首を引き寄せてキスを強請った。ベッドの上で寝転んでするキスはそれだけに没頭出来て、僕は凄い感じてしまった。
自分から馬鹿みたいに先輩の唇や口の中を撫でながら、先輩の手が僕の上半身を撫で回すのを意識していた。他人に触れられると自分で触る時と違って、何でこんなに別物なのか不思議だった。
先輩の指先が僕の胸のてっぺんを撫で回すと、ムズムズと違和感がした。それに少し呻いた僕に気づいた先輩は、僕の首や鎖骨をゆっくりと唇で撫でながら、ついには胸の印までたどり着いた。
「長谷部の胸、…ピンクだな。」
そう言っておもむろに先輩は僕の胸に吸い付いた。最初はくすぐったい様な違和感しかなかったけれど、先輩が夢中になって僕の少し尖ったそれを咥えたり、舌で突いたり、挙げ句の果ては強く吸いつくから、僕はあっという間に息を荒くしていた。
「‥んっ、そんなに吸ったら…。あっ!」
僕は気持ち良さに思わず甘い声が出てしまった。自分でもびっくりして口に手を覆うと、先輩はもっと僕を追い詰めることにしたみたいだった。指先で摘ままれて、甘く舌でなぞられてしゃぶられて、僕はすっかり甘える様に先輩の頭と背中を抱きしめていた。
「先輩キスして…。」
ぼんやりした僕が先輩にそう言うと、先輩は僕をぎゅっと抱きしめて優しく唇を重ねた。その時に僕は、自分も先輩もすっかり下着がダメになりつつあるのに気づいてしまった。そして芯のある二人のものがすっかり育ってしまってる事にも。
僕と先輩は下着越しに押し付け合いながら、見つめ合った。どちらから言い出すべきなんだろう。僕が戸惑っていると、先輩が言ってくれた。
「これ以上濡れたら不味いから、脱ぐ?」
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