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行きたい学部

聖のお説教

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散々貪られた俺は聖にマッサージを受けていた。性欲過多な聖の相手は、それこそ腰砕けになるのはいつものことなんだけど、それでも文句が少しなのはこのゴッドハンドのせいかもしれない。

実際立てない身体も、この蕩けるようなマッサージの後は、ふらつきながらも歩けるようになるし。いやいや、そもそも歩けないほどやるなよって事だけど…。

でも俺も聖の上であんあん言いながら腰振ってたから何も言えない。反省。そんなことを頭の中でぐるぐる考えながら、マッサージの気持ちよさにウットリとしていたら、聖が俺に尋ねてきた。


「雪、高山助教授の家系って分かってるか?」

俺は唐突な問いかけに、ちょっと虚をつかれたけれど、ぼんやりする頭を捻って高山助教授の姿を思い浮かべた。

「うーん。何だろ。俺よく分かんないな。初めて会う感じのタイプの気がする。もしかして希少種系?」

聖は手を動かし続けながらため息をつくと話し続けた。

「お察しの通り、あの人は希少種系だ。ゴリラ系。」

俺はうつ伏せで閉じていた目を見開いた。


「え?ゴリラ系?マジで?俺初めて会うかも。っていうか、もっと怖い感じだと思ってたからびっくり。想像の真逆だったわ。」

聖は俺の尻をツネって痛がる俺を笑って言った。

「雪はゴリラ系のヤバさを分かってないんだ。ゴリラ系が厄介なのは、あの一見穏やかな知性を感じる裏側に潜む執着だよ。なまじ頭が良い家系なだけに、経済界の上位に存在してるし、やり手だけどな。

本当のヤバさは、本気になった時の強さなんだよな。ゴリラ系に取り込まれたら、まず逃げきれないって話だ。まぁ、嫌々取り込まれるなんて状況にはならないんだろうけど。


結構ゴリラ系の話は尾ヒレがついた話が多くて、それだけやばい奴が多いってことなんだぜ?だから大学の助教授だろうが、雪は高山助教授にはくれぐれも気をつけてくれよ?

あー、でも雪の場合、知らぬ間にどっぷり沼にハマってそうで、マジで心配なんだけど。祥一朗さんだけで大丈夫かなぁ…。いっそ、お姉さんにも助太刀してもらった方が良いかもしれないな。」


俺は聖が言う姉貴召喚の話が見えなくて尋ねた。

「なぁ、その助太刀とか何とか、どうゆう事なの?」

すると、聖は肩越しに見上げた俺を呆れた顔で見つめて言った。

「だから、お前が研究室へ誘われた件について、明日祥一朗さんにアドバイスもらいに行くって話。雪、お前全然聞いてなかったんだな?」





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