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34 害虫駆除(蟷螂編)
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いつものように食べる、食べる、食べる。そんな変わらない日常は、体が勝手に傾き、衝撃と共に簡単に砕け散った。
何が起きたかは分からない。だが、そんなものはすぐにどうでも良くなった。砕けてできた隙間から、流れてくる存在感。今まで満たされなかった何かが、満たされるような感覚。それに導かれるように、平面を駆け、穴に潜り、そして―――
「ゲギャーーーー」
メシ! メシ! メシ!! 動くメシ~~~~!!!
目の前で動くメシへと喰らい付―――――
―――
蟷螂(マンティア)
フム、どうやら緊急事態の様だ、いつでも戦闘ができる様にとは言っていたが、これほど早く機会が訪れようとは。
吾輩たちの本来の本職は戦闘、以前の戦いでは他の者たちの支援に回ったが、今回は譲らん。
流石に今の吾輩では、能力差があり過ぎる、不本意だが“これ”に頼るほかない。粘液より渡された世界樹の樹液を飲み下す。
「シュ~~~~~~・・・・・・」
深呼吸し、心の波を消す。穴の奥から音が迫ってくる。フン! どたばたと品のない走り方だ、理性の欠片も感じん、本能だけで動く害虫か。
そして、そのまま奴らは飛び出してきた。広場に出たと言うのに警戒もせず、真っ直ぐに突き進み、目の前の吾輩を濁り狂った目で見てくる、あれは飢えか?
「ゲギャーーーー」
大口を開け、飛びかかってきた・・・はぁ˝? 何の真似だ?
貴様らに、遠距離攻撃方法がないことは既に知っている。威嚇のつもりか? しかし、それは悪手だろ。
上半身だけを後ろに下げ、片爪に力を集中させる。飛びかかってきたところで、全力で上半身を前へ動かし、爪を無防備に開いた口に突き刺し、口内から頭部を潰す。口が閉じられる前にすぐさま爪を引き戻し、潰されないように上半身を傾け、そのまま飛びかかってきた勢いに任せて後ろに受け流す。
幾ら外が固かろうと、内側から貫けば関係ないだろ。横目で確認し、仕留めたことを確認する。殿の知識では、虫は頭が潰れてもしばらく動くと言っていたが、問題なさそうだ。
頭を潰しても死なない魔物もおり、そういったやつらは、核である魔石を潰さなければ動き続ける。魔石を潰したからと、すぐに動かなくなるわけでもない。確実に仕留めるには両方共破壊する必要がある。
だが、こいつらは頭のすぐ後ろに魔石があるのだ。一撃で仕留めることが出来る。
~経験値を取得しました。LV3からLV5になりました~
~<爪LV6>が<爪LV7>になりました~
~<身体操作LV3>が<身体操作LV4>になりました~
~<肉体強化LV3>が<肉体強化LV4>になりました~
~<剣術LV2>が<剣術LV3>になりました~
~<全力攻撃LV2>が<全力攻撃LV3>になりました~
~<急所突きLV1>を習得しました~
後ろに続いていた害虫が、飛びかかってくる・・・前の奴の死に方を見ていなかったのか? 前と同じく大口を開けている。
~経験値を取得しました。LV5からLV7なりました~
~<身体操作LV4が<身体操作LV5になりました~
~<肉体強化LV4が<肉体――――
前と同じやり方で屠っていく。弱い、弱すぎる。中には口を開けず突撃してくるものや、横から迂回してやって来るものも居たが、目や関節を狙えば数発で片が付き、迂回してくる奴は、壁となっている甲虫が押し返す為、気にする必要がない。そしてついに―――
~経験値を取得しました。LV9からLV10なりました~
~レベルが上限へ達しました、進化が可能です。進化先を選択してください~
名称: 蟷螂
氏名:
分類: 現体
種族: 虫族
LV: 10/10 (進化可能) <活性><治癒><成長補正(中)><習得補正(中)>
HP: 560/560
SP: 132/ 560
MP: 300/510
筋力: 420(+200)
耐久: 230(+200)
体力: 275(+200)
俊敏: 535(+200)
器用: 450(+200)
思考: 380(+200)
魔力: 250(+200)
スキル
・肉体:<牙LV5><爪LV9><飽食LV5>
・技術:<剣術LV5><団結LV5><魔力感知LV2><気配感知LV2><見切りLV3><急所突きLV3><身体操作LV5>
・技能:<身体強化LV5><連撃LV3><全力攻撃LV4><集中LV2>
愚かとは言え、上位種であることに変わりはない。樹液の効果もあり、急激にレベルが上がり限界に到達した。
後ろに待機していた者と交代する。まだ戦えるが、そろそろ樹液の効果が切れる頃だ。それに他の物の経験値を奪うことも無い。
前線で戦っていた他の者たちは、既に交代していたが、何故か困惑した顔をしている者が目立つ。レベルが上がり、皆進化ができる様に成ったはずだ、困ることが思い当たらない。
どうかしたか? と尋ねると、進化先を確認しろと答えられた。不遇な扱いでも受けていたのか? 進化先が極端に酷いものなのか、又は種類が少ないのか? 殿も忙しい身だ、吾輩たちにまで手が回ら―――
進化先
上位蟷螂
多爪蟷螂
噛付蟷螂
殴打蟷螂
大鎌蟷螂
迷彩蟷螂
蟷螂人
魔蟷―――――
・・・多すぎませぬか?
何が起きたかは分からない。だが、そんなものはすぐにどうでも良くなった。砕けてできた隙間から、流れてくる存在感。今まで満たされなかった何かが、満たされるような感覚。それに導かれるように、平面を駆け、穴に潜り、そして―――
「ゲギャーーーー」
メシ! メシ! メシ!! 動くメシ~~~~!!!
目の前で動くメシへと喰らい付―――――
―――
蟷螂(マンティア)
フム、どうやら緊急事態の様だ、いつでも戦闘ができる様にとは言っていたが、これほど早く機会が訪れようとは。
吾輩たちの本来の本職は戦闘、以前の戦いでは他の者たちの支援に回ったが、今回は譲らん。
流石に今の吾輩では、能力差があり過ぎる、不本意だが“これ”に頼るほかない。粘液より渡された世界樹の樹液を飲み下す。
「シュ~~~~~~・・・・・・」
深呼吸し、心の波を消す。穴の奥から音が迫ってくる。フン! どたばたと品のない走り方だ、理性の欠片も感じん、本能だけで動く害虫か。
そして、そのまま奴らは飛び出してきた。広場に出たと言うのに警戒もせず、真っ直ぐに突き進み、目の前の吾輩を濁り狂った目で見てくる、あれは飢えか?
「ゲギャーーーー」
大口を開け、飛びかかってきた・・・はぁ˝? 何の真似だ?
貴様らに、遠距離攻撃方法がないことは既に知っている。威嚇のつもりか? しかし、それは悪手だろ。
上半身だけを後ろに下げ、片爪に力を集中させる。飛びかかってきたところで、全力で上半身を前へ動かし、爪を無防備に開いた口に突き刺し、口内から頭部を潰す。口が閉じられる前にすぐさま爪を引き戻し、潰されないように上半身を傾け、そのまま飛びかかってきた勢いに任せて後ろに受け流す。
幾ら外が固かろうと、内側から貫けば関係ないだろ。横目で確認し、仕留めたことを確認する。殿の知識では、虫は頭が潰れてもしばらく動くと言っていたが、問題なさそうだ。
頭を潰しても死なない魔物もおり、そういったやつらは、核である魔石を潰さなければ動き続ける。魔石を潰したからと、すぐに動かなくなるわけでもない。確実に仕留めるには両方共破壊する必要がある。
だが、こいつらは頭のすぐ後ろに魔石があるのだ。一撃で仕留めることが出来る。
~経験値を取得しました。LV3からLV5になりました~
~<爪LV6>が<爪LV7>になりました~
~<身体操作LV3>が<身体操作LV4>になりました~
~<肉体強化LV3>が<肉体強化LV4>になりました~
~<剣術LV2>が<剣術LV3>になりました~
~<全力攻撃LV2>が<全力攻撃LV3>になりました~
~<急所突きLV1>を習得しました~
後ろに続いていた害虫が、飛びかかってくる・・・前の奴の死に方を見ていなかったのか? 前と同じく大口を開けている。
~経験値を取得しました。LV5からLV7なりました~
~<身体操作LV4が<身体操作LV5になりました~
~<肉体強化LV4が<肉体――――
前と同じやり方で屠っていく。弱い、弱すぎる。中には口を開けず突撃してくるものや、横から迂回してやって来るものも居たが、目や関節を狙えば数発で片が付き、迂回してくる奴は、壁となっている甲虫が押し返す為、気にする必要がない。そしてついに―――
~経験値を取得しました。LV9からLV10なりました~
~レベルが上限へ達しました、進化が可能です。進化先を選択してください~
名称: 蟷螂
氏名:
分類: 現体
種族: 虫族
LV: 10/10 (進化可能) <活性><治癒><成長補正(中)><習得補正(中)>
HP: 560/560
SP: 132/ 560
MP: 300/510
筋力: 420(+200)
耐久: 230(+200)
体力: 275(+200)
俊敏: 535(+200)
器用: 450(+200)
思考: 380(+200)
魔力: 250(+200)
スキル
・肉体:<牙LV5><爪LV9><飽食LV5>
・技術:<剣術LV5><団結LV5><魔力感知LV2><気配感知LV2><見切りLV3><急所突きLV3><身体操作LV5>
・技能:<身体強化LV5><連撃LV3><全力攻撃LV4><集中LV2>
愚かとは言え、上位種であることに変わりはない。樹液の効果もあり、急激にレベルが上がり限界に到達した。
後ろに待機していた者と交代する。まだ戦えるが、そろそろ樹液の効果が切れる頃だ。それに他の物の経験値を奪うことも無い。
前線で戦っていた他の者たちは、既に交代していたが、何故か困惑した顔をしている者が目立つ。レベルが上がり、皆進化ができる様に成ったはずだ、困ることが思い当たらない。
どうかしたか? と尋ねると、進化先を確認しろと答えられた。不遇な扱いでも受けていたのか? 進化先が極端に酷いものなのか、又は種類が少ないのか? 殿も忙しい身だ、吾輩たちにまで手が回ら―――
進化先
上位蟷螂
多爪蟷螂
噛付蟷螂
殴打蟷螂
大鎌蟷螂
迷彩蟷螂
蟷螂人
魔蟷―――――
・・・多すぎませぬか?
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