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1:魔導師として宮廷入りしたので、そのお仕事はお引き受けしかねます!
処女だから
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「――思っていたよりも悪くはないですね」
舌先で翻弄するのはここまでらしい。顔を上げたメルヒオールは唇を指先でさっと拭うと、時間が惜しいと言いたげな様子でドレスシャツを脱ぎ捨て、トラウザーズもおろす。アルフォンシーヌが呼吸を整えている間に、彼は全裸になっていた。いつも掛けている眼鏡も外されて、整った顔立ちの全てもさらしている。
薄明かりに浮かぶ彼の身体は、想像以上にたくましい。着痩せするタイプのようだ。
首から肩のラインは適度に肉がついていて綺麗だ。胸板は程よく筋肉が発達していて盛り上がっている。美しく引き締まった腰に、割れた腹筋。鍛えているのがよくわかる。
さらに視線を下げれば、女性にはないそそり勃つものが見えて、アルフォンシーヌはどきりとした。
あれが、あたしの中に入るの?
文献を見て想像していたものとはだいぶ違う。いや、見た目は似ているかもしれない。赤黒くて太く、血管が浮き出たようになっているそれを、アルフォンシーヌは不気味で怖いものと最初は感じた。しかし、メルヒオールのものだと思えば、美しいもののように見えてくる。
「珍しいですか?」
まじまじと見つめてしまったからだろう。メルヒオールが面白そうに笑って告げた。
急に自分の行為が恥ずかしくなって、アルフォンシーヌは視線をそらす。
「あ、いえ、まぁ……そうですけど」
本物の男性器を見るのは初めてだ。書物に描かれたものや彫刻で見たことはあっても、こんなふうにそそり勃っているところなど知らない。
「なるほど。君は処女ですものね」
真面目な声でそう言って、メルヒオールは再びアルフォンシーヌを覆うように身体を移動させる。
「わ、悪いですか」
彼の顔を見られない。どうせからかってくるのだろうと思うと、どんな表情で見つめてきているのかを知りたくなかったし、自分の表情もまっすぐに見てほしくなかった。彼をほしいと思う浅ましい感情を知られたくないから。
「良い悪いの問題ではなく、事実を確認しただけですよ」
どこか楽しげだ。からかって、いじめているような態度。
こういうことに慣れているのかな……。あたしよりずっと年上だし、当然か。
優位に立ちたいわけではないが、メルヒオールがずいぶんと余裕のある口ぶりで語ってくることに距離を感じる。愛し愛される関係だったら、もっと対等になれる気がして。
「拗ねないでください。どうしてそういう態度をするのか、俺にはわかりかねますけど」
しょうがないなぁという口調で告げると、彼の右手がアルフォンシーヌの脚の付け根に潜り込む。
ぬるぬるとさせている溝をなぞって指にたっぷりと蜜を絡めると、くぼんだ場所を探り当てていじり始める。
「んんっ?」
お尻の穴ではない場所だ。ではどこなのかと考えているうちに、メルヒオールの指がぐっと押し込まれた。
「ひっ!」
「力まないで。息を吸って」
「いっ……」
「狭いですね」
指が一本だけねじ込まれている。身体を開かれている感覚があった。異物感があって苦しい。
「やっ、抜いっ、てっ」
イヤイヤと首を振る。意思を読み取ってもらえたのか、指はゆっくりと引き抜かれようとして――再び中に戻ってきた。
「ま、待って」
やめさせようと腕を動かすと、メルヒオールはアルフォンシーヌの胸に顔を寄せ、薄紅色に染まる乳首を食んだ。瞬間、快感が急速に広がっていく。
「ああんっ!」
胸の頂きを甘噛みされるとたまらない。蜜が溢れて、指が入り込んだ場所を満たす。
それが伝わったのだろう。彼の指がゆっくりと抜き挿しされる。クチュ、クチュと動きに合わせて音がした。
舌先で翻弄するのはここまでらしい。顔を上げたメルヒオールは唇を指先でさっと拭うと、時間が惜しいと言いたげな様子でドレスシャツを脱ぎ捨て、トラウザーズもおろす。アルフォンシーヌが呼吸を整えている間に、彼は全裸になっていた。いつも掛けている眼鏡も外されて、整った顔立ちの全てもさらしている。
薄明かりに浮かぶ彼の身体は、想像以上にたくましい。着痩せするタイプのようだ。
首から肩のラインは適度に肉がついていて綺麗だ。胸板は程よく筋肉が発達していて盛り上がっている。美しく引き締まった腰に、割れた腹筋。鍛えているのがよくわかる。
さらに視線を下げれば、女性にはないそそり勃つものが見えて、アルフォンシーヌはどきりとした。
あれが、あたしの中に入るの?
文献を見て想像していたものとはだいぶ違う。いや、見た目は似ているかもしれない。赤黒くて太く、血管が浮き出たようになっているそれを、アルフォンシーヌは不気味で怖いものと最初は感じた。しかし、メルヒオールのものだと思えば、美しいもののように見えてくる。
「珍しいですか?」
まじまじと見つめてしまったからだろう。メルヒオールが面白そうに笑って告げた。
急に自分の行為が恥ずかしくなって、アルフォンシーヌは視線をそらす。
「あ、いえ、まぁ……そうですけど」
本物の男性器を見るのは初めてだ。書物に描かれたものや彫刻で見たことはあっても、こんなふうにそそり勃っているところなど知らない。
「なるほど。君は処女ですものね」
真面目な声でそう言って、メルヒオールは再びアルフォンシーヌを覆うように身体を移動させる。
「わ、悪いですか」
彼の顔を見られない。どうせからかってくるのだろうと思うと、どんな表情で見つめてきているのかを知りたくなかったし、自分の表情もまっすぐに見てほしくなかった。彼をほしいと思う浅ましい感情を知られたくないから。
「良い悪いの問題ではなく、事実を確認しただけですよ」
どこか楽しげだ。からかって、いじめているような態度。
こういうことに慣れているのかな……。あたしよりずっと年上だし、当然か。
優位に立ちたいわけではないが、メルヒオールがずいぶんと余裕のある口ぶりで語ってくることに距離を感じる。愛し愛される関係だったら、もっと対等になれる気がして。
「拗ねないでください。どうしてそういう態度をするのか、俺にはわかりかねますけど」
しょうがないなぁという口調で告げると、彼の右手がアルフォンシーヌの脚の付け根に潜り込む。
ぬるぬるとさせている溝をなぞって指にたっぷりと蜜を絡めると、くぼんだ場所を探り当てていじり始める。
「んんっ?」
お尻の穴ではない場所だ。ではどこなのかと考えているうちに、メルヒオールの指がぐっと押し込まれた。
「ひっ!」
「力まないで。息を吸って」
「いっ……」
「狭いですね」
指が一本だけねじ込まれている。身体を開かれている感覚があった。異物感があって苦しい。
「やっ、抜いっ、てっ」
イヤイヤと首を振る。意思を読み取ってもらえたのか、指はゆっくりと引き抜かれようとして――再び中に戻ってきた。
「ま、待って」
やめさせようと腕を動かすと、メルヒオールはアルフォンシーヌの胸に顔を寄せ、薄紅色に染まる乳首を食んだ。瞬間、快感が急速に広がっていく。
「ああんっ!」
胸の頂きを甘噛みされるとたまらない。蜜が溢れて、指が入り込んだ場所を満たす。
それが伝わったのだろう。彼の指がゆっくりと抜き挿しされる。クチュ、クチュと動きに合わせて音がした。
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