強運と幸運を持ったガチャ好きな召喚者は目標が無いので最強を目指してみた

中沢日秋

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第一章 奔走冒険者編

第七話 チーン

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 「おい・・・・・・いくらなんでも飛ばしすぎだろうが・・・・・・・・・!!」

 フレスタさんが止まってくれたのは、召喚された城が見えなくなったところだった。

 『逃げるんだったら徹底的にしたほうがいいでしょ』

 あーあ。おばあちゃんにお礼言えなかったなー。
 しばらくはのらりくらりと歩いて旅でもしようかなー。
 まあ、しばらくは歩いて適当に進んでいくか。どこに行くにしろ、俺に到着地点なんか無いんだし。ガチャでもして暇つぶしでもしようっと。
 とりあえずスキルガチャのエクストラを10連続するか。スキル少ないから、ある程度物事に対応できるようにしないと。
 あーあ。ポイントはあと99か。


 ・昇天脚    ☆8
 ・青火淵鎧生成 ☆9
 ・神域創造   ☆10
 ・時間停止   ☆9
 ・重力操作   ☆9
 ・覇眼     ☆9
 ・液体支配   ☆10
 ・光速思考   ☆9
 ・竜眼     ☆8
 ・気体支配   ☆10


 「ゴフッ!ゴフォッ!」

 ちょっと待ってこれスキルだから魔力は消費しないよねだったらこれだけのバケモノスキル使い放題とかマジでどうなってんだっていうかそれよりもこの力の使い方間違ったら世界がひっくり返るんじゃ?ていうか絶対ひっくり返るわこれやりたい放題のチート生活が出来るんじゃ?しないけれどももう最強になったような気がする頭痛い誰か嘘だといってくれないかなあ。
 ・・・・・・全部試すか。
 一時間後。平原の一部が消滅しました。

 実験1 昇天脚
 地面を蹴ると大空に吹き飛びました。地面が消滅しました。空気までけることが出来る。岩に向かって蹴ると離れていても空間ごと蹴りだすように岩に穴が開きました。

 実験2 青火淵鎧生成
 青黒い炎を纏った鎧を体から創り出す(生やす?)ことができるようになりました。しかし脱ぐことは不可。スキルを解除すると霧のように消える。

 実験3 神域創造
 その名の通り神域を創り出すことが出来るようになりました。時間の流れも操作可能。初めて作った神域は日本の自然地帯を広大にしたような世界でした。時間の流れはこっちの一秒があっちの一日でした。一時間で3600日(約10年)。

 実験4 時間停止
 時間を止められます。時間が止まっても動けるのは、強者や止めた本人だけ。その間は真っ暗。

 実験5 重力操作
 重力を操れます。ただし、物に効果を及ぼす際には触れなければならない。

 実験6 覇眼
 相手をビビらせる(格下限定)。動けなくする(同格以下限定)。恐怖を感じさせる。威圧する。殺意を感じさせることが出来る。眼が、薄い灰色のかかった白色になる。

 実験7 液体支配
 液体を造り、操ることが出来る。液体になった金属や水銀まで作れる。

 実験8 光速思考
 一秒で数時間分の思考が可能になる。常時発動すると頭が割れそうなくらい痛くなる。

 実験9 竜眼
 自然のものなら透けて見える。相手の考えてることがある程度分かる。生物の感情が把握できる。格下を支配下における。使うと眼が赤色になる。

 実験10 気体支配
 気体を造り、操ることが出来る。酸素を作って酸素濃度を濃くさせたりすることもできる。

 大体こんな感じ。ただ、昇天脚を使うと信じられないくらいの筋肉痛に見舞われる。一時間である程度収まり、5時間で完全に治る。それまで地獄なんだけどネ。
 で、今は紫色の城っぽい奴が見えたからそれに向かってる。フレスタさんには戻ってもらって歩いてる。
 にしてもまだ足がびりびりする。歩くたびに痛いし、本当に疲れるよ。
 そろそろかなー。そう思った矢先だった。☆O・TO・SHI・A・NA☆に嵌ってしまった。
 チキショウ!ユダンシテタ!
 とりあえずぬけるか。足に変なつた?が絡まってるから、とりあえず液体窒素で凍らして、叩いて砕いて自由になる。あとはどうやって抜け出すかなんだけど、自分の体にかかっている重力を重力操作で重力を5分の1に変え、らくらく脱出!
 さーて、あの城に住んでる人は良い人かなあ。そう考えながら大きな扉を開ける。

 「おじゃましまー・・・・・・」

 わー。とっても強そうな人が何人もいるよー。今の俺じゃ死んじゃうよー。袋叩きにされて死んじゃうよー。今すぐ逃げなきゃ死んじゃうよー。

 「・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・し、失礼しました。バショヲマチガエタミタイデスネ。サヨウナラ」

 うん。俺、強運と幸運を持ってるのに運が無いよー。
 走るー逃げるー「待て」はい。

 「お前は誰だ?」

 うーん。竜眼を使って感情を見たけど、14人中怒ってる人3人。疑ってる人7人。なんとも思ってない人2人。比較的には好意的な感情を持ってる人2人。
 今俺に質問したのは、疑ってる人の中で一番強そうな、ていうかこの場では一番強い人だ。

 「すいませんでした申し訳ございません今すぐ立ち去るので許してください何も知らない田舎物ですのでご容赦くださいお願いします」
 「お前は誰なんだ」

 俺の渾身の土下座も意味を成さずにただ淡々と言葉を投げかけてくるお姉さん。まあ大人っぽい魅力も有るし出るとこ出てるし、ああ。もう考えるのもめんどくさいヤケクソだ。

 「あ~。一応異世界から召喚されて、逃げ出してきた勇者ですケド」
 「そうか。まあいい。ちょうどヒマだったんだ。お前もこっちに来て座れ」
 「・・・・・・は?」

 え?何で俺が?とりあえず感情を読み取ると、怒ってる人14/1。なんとも思ってない人14/0。好意的な人14/8。疑ってる人14/5。

 「今お前竜眼を使ってるだろう?しかも、他にも強力な能力を隠しもってそうだ。面白そうだから、このつまらない魔王の会議に参加しろといってるんだ」

 魔王?会議?面白そう?参加?ていうかなんで竜眼を使ってるって・・・・・・ああ、眼が赤くなるもんな。

 「マジか・・・・・・」

 とりあえずおとなしく座る。召喚されて1週間で魔王の会議に参加とかありかよ。

 「まず、こいつの魔王会議の参加に反対の者は?」

 4人、手を上げた。もう全員手を上げて。俺をこの状況から助けて。

 「間違って入ったら魔王がいた。そんな目にあうこいつが哀れだ」
 「右に同じ」
 「俺よりも弱いから」
 「忌々しい人間だから」

 最後の人腹立つなあ。よし決めた。今最後に喋った奴とは二度と口を聞かない。次なんだかんだ言ったら液体窒素ぶっ掛けてやる。あと竜眼と覇眼を両方使ってやる。

 「クエル。お前の人間嫌いは直したほうが良いぞ。こいつはお前よりも弱い。総合的にはな。だが実際に戦ってみろ。お前死ぬぞ」
 「ああ。どうせ会議のいすは14個しかないのだ。お前が抜けてこいつを入れればいい。お前はどう思う?」

 いきなり俺に振られて、戸惑いました。ただ。こいつは嫌いだし、人だからってあんなに嫌う奴とか差別する奴とか嫌いだから、俺はこんな案を出した。

 「俺と・・・・・・誰だっけ?「クエンだ」俺とクエンが、闘って勝った方が入れば良いんじゃ?」
 「反対の者は挙手を」

 誰も手を上げない。クエンはくっくっくと笑ってる。

 「うっわ、気持ちわる」

 早口に小声でボソッと言った。本人以外全員気付いて笑いをこらえていたが、肝心の本人が気付いていない。
 そんな中で、異世界人VS魔王最弱(?)のバトルが始まった。
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