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夜道

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重要な許可って近所に所有権を持っている古株家政婦の家に住まわせてあげてくれるように青也が頼んでいた。
古株家政婦は古田さんという。
古田さんはアパート持っている大家さんだった。
それでも閑静な住宅街までは徒歩で15分ほど離れている。

すっかり古田さんのアパートへ移り住んでいたまゆの。
今日はまゆのの残業かえり。歩きの夜道は15分だけでもこわそう。

そこで青也がここ数日送ってくれた。

「まゆの、夜の庭を歩こう、ほら手を貸して」
青也が待っていた。2人は手をつないだ。
ここ数日で青也がまゆのって呼ぶようになった。
「みな事件のことはしっているだろうね」
「事件があったし、物騒ですし外はこんなに暗くなって恐ろしいです」

4丁目で放火が数日前にあった。犯人は、まだつかまっていない。
火事で8歳の子供が軽傷

「部屋は戸締りするのだよ」
「はい」
「まゆの、遅くなったね。ごめんね。時間外つけてあるから」
「ええ、残業で時間外いただけて夜食もくれるなんて」
「もちろんだ。気づいたら10時だし」

「じゃあまゆの、オレの車に乗りなさい、車を出します」
「青也さん、ありがとう」

ピロロンと響く着信音。
青也のスマホ電話。

「ああ、ばあちゃん」
青也は数分間祖母らしき人と話をしていた。
電話を切ったと思ったら、まゆのに頼んだ。

青也が無茶を言い出した。
「もう少し一緒にいてくれ」
「まゆのに話があるんだ。どこかファミレスにでも行ってお茶を飲みながら」
青也はやさしいのでまゆのは戸惑う。
まゆのより青也のほうがきれいだし。
青也は男としてきれいすぎるし食材にケチだったのに。

ファミレスでもまゆのに好きな注文をさせてくれる。
「たのんでいいの」
「いいよ」
「コーラとファンタにする」
まゆのの好きな飲み物を青也と一緒に運んだ。
ドリンクバー頼めてまゆのはご機嫌。
今、まゆのは生き生きしている。

注文が並ぶと、青也が話を始めた。
まゆのは好きなコーラを飲む。


「実は会社で水増し請求があったんだ。そして在庫管理の改ざん。オレの会社で困っている。不正が増している」
「まゆのなら仕事まじめそうだし雇いたいんだ」
テーブルの上のまゆのの手を握って青也が頼んだ。
「事務に2人空きがあるからまゆのにきてほしい」

「本当なの?」
まゆのはちょっと驚いていた。
「お金なら高めに出すし、頼む」
まゆのの手をにぎりしめ青也が頼んだ。

家政婦なので仕事先で恋したらいけない気がしていたし。
まゆのに青也はやさしくなった。
青也はごめんっていうようになったし、変わった。
「それなら、ちょっと事務考えます、友人が元の家政婦に復帰できるなら考えます」
「ああ、その条件は受け入れる」


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