2 / 11
序章
結婚初日
しおりを挟む
良い関係性だと思っていた。
私とダニエルは、本来の身分こそ大きく違えど、貴族同士の婚約関係。
恋愛関係ほど蜜ではないけど、お互いを大切に思い合う中だと。
きっと結婚しても、子どもが生まれても、穏やかな日々を送ることが出来るだろう。
そう思っていた。
――しかし。
そんな、これからの幸せに心を躍らせていた私に向かって、ダニエルは耳を疑うような言葉を言い放った。
「僕には、ほかに愛する人がいる」
結婚初夜のこと。
これから夫婦としてやっていくというときに、彼ははっきりとそう言った。
「あ、愛する人……?」
青天の霹靂だった。
衝撃的な事実を突きつけられ、私は動揺する。
「ああ。君も知っての通り、僕は君と婚約する前、1人の女性を愛していた」
ダニエルは言う。
「彼女と僕は、相思相愛だった。しかし彼女とは、僕の両親と国王陛下の力によって、無理やり引き裂かれてしまったんだ」
もちろん、よく知っている。
それが前提で、私とダニエルは婚約したのだ。
ダニエルに、その女性のことをきっぱり諦めてもらうために。
「それでもなお、僕は彼女を愛している。君じゃなく、彼女だけを」
だから君を愛することが出来ない、とダニエルは言った。
「ええっと……」
私は困惑気味に尋ねる。
「つまり、愛人ということですか……?」
「その呼び方は辞めてくれ」
彼は顔をしかめる。
「彼女と僕は、運命の関係なんだ。確かに正妻は君だが、彼女は僕のやましい心による産物じゃない。ちゃんと愛し合っている」
だからそれを「愛人」と呼ぶのでしょう。
そう思ったが、口には出さなかった。
それよりも、さらに大きな爆弾を投げつけられたからだ。
「彼女と僕には、もう子どももいる」
私とダニエルは、本来の身分こそ大きく違えど、貴族同士の婚約関係。
恋愛関係ほど蜜ではないけど、お互いを大切に思い合う中だと。
きっと結婚しても、子どもが生まれても、穏やかな日々を送ることが出来るだろう。
そう思っていた。
――しかし。
そんな、これからの幸せに心を躍らせていた私に向かって、ダニエルは耳を疑うような言葉を言い放った。
「僕には、ほかに愛する人がいる」
結婚初夜のこと。
これから夫婦としてやっていくというときに、彼ははっきりとそう言った。
「あ、愛する人……?」
青天の霹靂だった。
衝撃的な事実を突きつけられ、私は動揺する。
「ああ。君も知っての通り、僕は君と婚約する前、1人の女性を愛していた」
ダニエルは言う。
「彼女と僕は、相思相愛だった。しかし彼女とは、僕の両親と国王陛下の力によって、無理やり引き裂かれてしまったんだ」
もちろん、よく知っている。
それが前提で、私とダニエルは婚約したのだ。
ダニエルに、その女性のことをきっぱり諦めてもらうために。
「それでもなお、僕は彼女を愛している。君じゃなく、彼女だけを」
だから君を愛することが出来ない、とダニエルは言った。
「ええっと……」
私は困惑気味に尋ねる。
「つまり、愛人ということですか……?」
「その呼び方は辞めてくれ」
彼は顔をしかめる。
「彼女と僕は、運命の関係なんだ。確かに正妻は君だが、彼女は僕のやましい心による産物じゃない。ちゃんと愛し合っている」
だからそれを「愛人」と呼ぶのでしょう。
そう思ったが、口には出さなかった。
それよりも、さらに大きな爆弾を投げつけられたからだ。
「彼女と僕には、もう子どももいる」
20
あなたにおすすめの小説
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
初夜の床で「愛はない」と言った自分に返ってきたのは「愛はいらない食はくれ」と言う新妻の言葉だった。
いさき遊雨
恋愛
「僕に君への愛はない。」
初夜の床でそう言った僕に、
「愛はいらないから食事はください。」
そう言ってきた妻。
そんな風に始まった二人の夫婦生活のお話。
※設定はとてもふんわり
※1話完結 の予定
※時系列はバラバラ
※不定期更新
矛盾があったらすみません。
小説家になろうさまにも登録しています。
【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為
新婚初夜に『白い結婚にしてほしい』と言われたので論理的に詰めたら夫が泣きました
ささい
恋愛
「愛人がいるから、白い結婚にしてほしい」
政略結婚の初夜にそう告げた夫ルーファス。
妻カレンの反応は——
「それ、契約不履行ですよね?」
「あなたの感情論、論理的に破綻してますよ?」
泣き落としは通じない。
そして初夜の翌朝、夫は泣いていた。
逃げ道は全部塞がれ、気づけば毎日論破されていた。
これは、論破され続けた夫がなぜか幸せになる話。
白い結婚のはずでしたが、幼馴染の夫が離してくれません!
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
外観は赤髪で派手で美人なアーシュレイ。
同世代の女の子とはうまく接しられず、幼馴染のディートハルトとばかり遊んでいた。
おかげで男をたぶらかす悪女と言われてきた。しかし中身はただの魔道具オタク。
幼なじみの二人は親が決めた政略結婚。義両親からの圧力もあり、妊活をすることに。
しかしいざ夜に挑めばあの手この手で拒否する夫。そして『もう、女性を愛することは出来ない!』とベットの上で謝られる。
実家の援助をしてもらってる手前、離婚をこちらから申し込めないアーシュレイ。夫も誰かとは結婚してなきゃいけないなら、君がいいと訳の分からないことを言う。
それなら、愛人探しをすることに。そして、出会いの場の夜会にも何故か、毎回追いかけてきてつきまとってくる。いったいどういうつもりですか!?そして、男性のライバル出現!? やっぱり男色になっちゃたの!?
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳
ロミオ王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる