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第1章
3年後
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結婚して3年。
私は、ただ一心に子どもへ愛情を注いでいた。
ダニエルの連れてきた愛人が産んだ子どもは、男の子だったのだ。
ダニエルは嬉しそうに、
「跡取りが生まれた」
と、喜んでいた。
彼の顔を見るに、私との正式な子どもを作らずに済んで心底ホッとしているようだ。
しかし私も、堂々と不貞を犯す人間と触れ合いたくないので、互いにとってメリットのある出来事だったと思う。
事前に言われていた通り、その子どもは表向き、私の子どもとなった。
両親や友人たちからは、
「その子、本当にあなたの子どもなの?」
なんて心配そうに聞かれたりしたが、私はそうだとはっきり言った。
子どもを育てる気は、愛人にはないらしかった。
ダニエルも子育てに興味がないようで、彼はずっと離れで愛人とともに濃密な日々を過ごしている。
最初のころは、それじゃ可哀想だとも思ったけど。
今では、これで良かったのだと思っている。
公爵という家柄のせいか、生活するお金にも困らず、人材も豊富だった。
子育てに関しては完全無知だった私を、使用人たちがフォローしてくれた。
そうして私は、今日までビリーを育て上げることが出来たのだ。
可愛いビリーは、私のことを、
「母上」
と呼んで、慕ってくれている。
彼はまだ3歳だ。
小さな身体で、
「母上、母上」
と、私に近づいてくる。
私が少しでも傍を離れると、泣いて嫌がる。
彼は本当に可愛かった。
ダニエルのせいで散々な目に遭ったと思っていたけれど。
あの苦労は全部、ビリーと出会うために前払いした不幸だったのだ。
きっとそうに違いない。
私は、ただ一心に子どもへ愛情を注いでいた。
ダニエルの連れてきた愛人が産んだ子どもは、男の子だったのだ。
ダニエルは嬉しそうに、
「跡取りが生まれた」
と、喜んでいた。
彼の顔を見るに、私との正式な子どもを作らずに済んで心底ホッとしているようだ。
しかし私も、堂々と不貞を犯す人間と触れ合いたくないので、互いにとってメリットのある出来事だったと思う。
事前に言われていた通り、その子どもは表向き、私の子どもとなった。
両親や友人たちからは、
「その子、本当にあなたの子どもなの?」
なんて心配そうに聞かれたりしたが、私はそうだとはっきり言った。
子どもを育てる気は、愛人にはないらしかった。
ダニエルも子育てに興味がないようで、彼はずっと離れで愛人とともに濃密な日々を過ごしている。
最初のころは、それじゃ可哀想だとも思ったけど。
今では、これで良かったのだと思っている。
公爵という家柄のせいか、生活するお金にも困らず、人材も豊富だった。
子育てに関しては完全無知だった私を、使用人たちがフォローしてくれた。
そうして私は、今日までビリーを育て上げることが出来たのだ。
可愛いビリーは、私のことを、
「母上」
と呼んで、慕ってくれている。
彼はまだ3歳だ。
小さな身体で、
「母上、母上」
と、私に近づいてくる。
私が少しでも傍を離れると、泣いて嫌がる。
彼は本当に可愛かった。
ダニエルのせいで散々な目に遭ったと思っていたけれど。
あの苦労は全部、ビリーと出会うために前払いした不幸だったのだ。
きっとそうに違いない。
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