生き別れの兄が魔法使いだった

小倉みち

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第1章

公園

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 その公園は、近所の子どもたちが溜まり場にしている空間の1つだった。


 小学校低学年から中学年までの子どもたちが主に放課後、友人たちと思い思いに過ごしている。

 高学年くらいになるとそれなりにお小遣いがもらえるようになるので、近所の小さなスーパーやコンビニでたむろすることが多くなるのだが。


 かく言う私もそのルールに従って生きていた質で、この公園は小学校4年で無事に卒業した。


 田舎ということもあるだろうが、ここは今時珍しく遊具がたくさんある公園だ。

 滑り台やブランコ、砂場やわけのわからない乗り物など、子どもたちが無邪気に遊べるものが盛りだくさんだった。


 私は公園に生えた低木に隠れつつ、様子を伺う。


 数人の小学生たちが集まって騒いでいるのがわかる。


 この時間、小学校は1時間目の授業のはずだ。


 ということは、彼らは学校をサボっているのだろう。


 見たところ全員男子で、背中には黒や紺のランドセルを背負っている。


 懐かしいなあ。


 ――そんなことより、何をしているか確認しないと。

 こんなところで問題を起こされても目覚めが悪いし。


 子どもたちはギャーギャー喚きながら何かを囲っている。


「バーカ、バーカ」

「ダッサ」

「命令してくんじゃねーよ」

「おいコラ、立てよ!」


 彼らは執拗に何かを蹴ったり殴ったりしていた。


 まさか。


 自分の中の嫌な予感が確信に変わっていく。


 ――虐め?


 マジか。


 近頃の子どもたちは物騒だな。

 いや、私のときとそんなに変わらないか。


 すごく嫌な気分になりつつ、どうやってあれを解決しようかと考える。


 変に直接言っても、

「ババア」

 だのなんだの言われて、こっちが傷つく羽目になる。


 かと言って放置するのもなあ。


「この弱虫!」

「立てってば!」

「大人のくせに!」


 どうしよう。

 ……ってあれ?

 大人?

 大人って言わなかった?


 私は目を凝らしてよく彼らの動向を見つめる。


 子どもたちの隙間から、その虐めにあっている人の姿が見えた。

 その人物は蹲り、頭を抱えている。


 若い男のようだ。

 彼はどう考えても、子どもたちよりも圧倒的に身体が大きかった。


 ……えっ。

 大人が虐められてるの?

 
 
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