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第1章
週末
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思わぬ提案に、私は驚く。
「週末?」
「うんそう。それなら、ここの生活もキープしたままで、かつ僕の世界でも少しずつ慣れていけると思うんだ」
「私が異世界に行くのは、もう確定な感じなんですね……」
正直、出来れば行きたくないんだけど。
だって怖いし。
「怖いの?」
「はい」
「どうして?」
「どうしてって、それは知らない場所ですし。それに自分の持ってる常識とは全く違う場所に行くのはちょっと」
「うーん」
兄は私の返答を聞いて、また何かを考え始める。
「本当に行きたくないの?」
「出来れば」
「本当に?」
「……」
薫は続ける。
「僕、思うんだけどさ。つい先日君は義理の両親を失ったわけだ。つまり、君は本当の意味で1人になった」
「……何が言いたいんですか?」
「天涯孤独の君の目の前に、『兄』と名乗る人物が現れ、自分と一緒に暮らそうなどと言い出す。確かに怪しさ極まりないよね」
わかってくれているなら、何よりだ。
「でも、君は僕が『兄』であることを認めてくれた。違うかい?」
「いや、それはそうなんですけど……」
「君は本当にそれで良いの? 半信半疑だろうけど、せっかく『兄』が現れ、家族に戻ろうという提案をしているのに。君は本当に、僕の提案を拒否して1人で生きていくの?」
私は考える。
もしこのまま彼の提案を拒否し、兄がいなくなってしまえば。
この人が本当にお兄ちゃんかどうかわからないまま、私は本当の意味で1人身になってしまう。
私は誰にも守ってもらえない、支えてもらえないまま、ずっと1人で――。
もしこの男の提案を受け入れ、週末に異世界で過ごすことになれば。
この人が兄ではなかった場合の、底知れぬ恐怖心と失望感は容易に想像出来、それはとても嫌だと思っている。
でも、現状では彼がお兄ちゃんだと認めざるを得ないし、本当に彼がお兄ちゃんだったとすれば。
私は、諦めるしかなかった「家族」という存在を、もう一度手に入れることが出来る。
「……わかりました」
私は、悩んだ末に結論を出した。
「ひとまず今週末に、異世界に行ってみることにします」
「それは良かったよ」
薫は、ふわりと笑う。
「本当に良かった――1つ、僕は約束しよう」
「はあ」
「君のことはちゃんと守るよ。君は唯一の、僕の妹だからね。だから心配しないでね」
「週末?」
「うんそう。それなら、ここの生活もキープしたままで、かつ僕の世界でも少しずつ慣れていけると思うんだ」
「私が異世界に行くのは、もう確定な感じなんですね……」
正直、出来れば行きたくないんだけど。
だって怖いし。
「怖いの?」
「はい」
「どうして?」
「どうしてって、それは知らない場所ですし。それに自分の持ってる常識とは全く違う場所に行くのはちょっと」
「うーん」
兄は私の返答を聞いて、また何かを考え始める。
「本当に行きたくないの?」
「出来れば」
「本当に?」
「……」
薫は続ける。
「僕、思うんだけどさ。つい先日君は義理の両親を失ったわけだ。つまり、君は本当の意味で1人になった」
「……何が言いたいんですか?」
「天涯孤独の君の目の前に、『兄』と名乗る人物が現れ、自分と一緒に暮らそうなどと言い出す。確かに怪しさ極まりないよね」
わかってくれているなら、何よりだ。
「でも、君は僕が『兄』であることを認めてくれた。違うかい?」
「いや、それはそうなんですけど……」
「君は本当にそれで良いの? 半信半疑だろうけど、せっかく『兄』が現れ、家族に戻ろうという提案をしているのに。君は本当に、僕の提案を拒否して1人で生きていくの?」
私は考える。
もしこのまま彼の提案を拒否し、兄がいなくなってしまえば。
この人が本当にお兄ちゃんかどうかわからないまま、私は本当の意味で1人身になってしまう。
私は誰にも守ってもらえない、支えてもらえないまま、ずっと1人で――。
もしこの男の提案を受け入れ、週末に異世界で過ごすことになれば。
この人が兄ではなかった場合の、底知れぬ恐怖心と失望感は容易に想像出来、それはとても嫌だと思っている。
でも、現状では彼がお兄ちゃんだと認めざるを得ないし、本当に彼がお兄ちゃんだったとすれば。
私は、諦めるしかなかった「家族」という存在を、もう一度手に入れることが出来る。
「……わかりました」
私は、悩んだ末に結論を出した。
「ひとまず今週末に、異世界に行ってみることにします」
「それは良かったよ」
薫は、ふわりと笑う。
「本当に良かった――1つ、僕は約束しよう」
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−−−−−−
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